第2話 ここの常識がわからない
「うぉぉぉぉぉぉぉ!」
遥か上空へと飛ばされた俺は死を覚悟した。
異世界転生して数十秒で死ぬとか悲しすぎる。
神様のくせに間違いありすぎだろ。
俺はゆっくりと目を閉じた...
ドスッ
鈍い音がした後、目を開けると、
「急に空から降ってきたけど大丈夫?」
魔法使いっぽい少女がいた。
「一応生きてたから回復魔法かけといたけど、まさかおとぎ話にいた勇者なの?」
「それってどんな話なんだ?」
少女は微笑むと、
「そんなのも知らないのね。まぁいいわ、教えてあげる。それは昔のこと...」
簡単に説明すると、空から降ってきた勇者がとてつもなく強く、たった1ヶ月で魔王を倒したという...
「めちゃくちゃだな」
「そうね、魔王なんてそうそう倒せるものじゃないもの。すぐに倒せていたのならみんなが倒しに行くわよ。」
勇者ってすごいんだな。
「ところで、あなたは勇者なの?どうなの?」
「俺は勇者じゃないよ、俺の名前は佐藤 大翔だ」
「サトウヒロト...?変な名前してるわね。これも勇者と似てるわ...。名前を聞いたからには私も名乗っておかないとね!私はカレン。カレン・シファーよ。ちょうど昨日に魔法学校を卒業して今からギルドへ行くところね。」
ギルドか...。異世界って感じだ。
「そこに俺も連れてってくれないか?」
「別にここからは近いしいいけど、君っておとぎ話も知らないくらい常識ないよね、よかったら私とパーティー組まない?ヒロトは前に出て壁になってもらって、私は魔法で敵を倒す。完璧じゃない!」
「どこがだよ!まぁパーティーは組みたいな。ここの事はなんにも知らないし。けどお試しパーティーだからな?相性が悪かったら絶対に解散するからな。」
一応忠告をしておくと、
「おっけー。それじゃ、いってみよう!」
そう言って道のりに沿って歩いていくカレンのあとを着いて行き、ほんとにすぐギルドに到着した。
「まずは冒険者登録ね!私は魔法使いとして登録するけどあなたは何にするの?」
「どんなのがあるんだ?」
すると、カレンはまた笑って、
「ヒロトってほんとに何も知らないのね。まずは剣士。これはソードスキルや守護スキルなどが強力で基本ステータスは高いけれど、魔力は少ないわ。次に魔法使い。これは攻撃魔法や防御魔法、支援魔法や回復魔法などを使えるし魔力と魔法攻撃力は高いけれど、基本ステータスは低いわ。最後に冒険者。これは全てのスキルや魔法を習得できるけど違う職業の長所をなくした感じのステータスになるわ。誰も選びたくない職業ね。ヒロトはまだ何もわからないのなら、登録の時に職業が決まってないって言えば選定してくれるわ。」
冒険者だけは嫌だな。
「それじゃ、私は登録してくるからヒロトはギルドのお姉さんに聞きに行ってね。」
「ありがとうな。」
スタスタと歩くカレンにお礼を言って自分も登録のために職業を聞きに行く。
「冒険者ギルドへようこそ!本日はどのようなご用件で?」
「職業を調べに来ました。」
そうすると、水色の水晶を持ってきてカウンターに置くと、
「では、この水晶に手をかざしてください。」
異世界っぽいのキタァァァ!
そうだ、俺はこのワクワクを求めてこの世界へ来たんだ!
俺は水晶に手をかざすと、
「こ、これは...」
日本人に才能のある人が多いのは本当だったのか?!
「どうだったんですか?」
ニマニマしながら聞くと、
「ぼ、冒険者です...」
「なめんな」
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