第87話

【討伐報酬:廃棄悪魔ディディスの支配地を獲た】


 ――え?


【※エラー発生※格条件未達】


——は? エラー? って痛っいててて。


【※緊急措置※悪魔クローはランク8位に昇格した】

【第8位昇格。魔力同調スキルを得た】


 ――なにっ!?


【緊急措置の為昇格感情値は免除】

【討伐報酬:廃棄悪魔ディディスの支配地を獲た】

【※エラー発生※格条件未達】


——ぐっ、まただ、痛っ


【※緊急措置※悪魔クローはランク7位に昇格した】

【第7位昇格。悪魔の声スキルを得た】

【緊急措置の為昇格感情値は免除】


【※討伐報酬※廃棄悪魔ディディスの支配地を獲た。悪魔界に第7位屋敷を得た】

【配属悪魔の派遣が決定された】


 ――なぬっ!?


【※討伐報酬※悪魔クロー第10位配下ナナを第9位に昇格】


【※承認※第10位イオナを悪魔クローの配下とする】

【※承認※第10位ライコを悪魔クローの配下とする】


【※悪魔の声※今後の納値は配属悪魔が管理するものとする、詳しくは配属悪魔に意見を求めよ】


 ――ぐぬぬっ!?


「なぜだ!? なぜ俺が支配地を。俺はディディスなんて知らない。何かの間違いじゃないのか?」


【※悪魔の声※間違いではない。これは正当なる報酬である。拒否は認められない】


 ――うお返答? マジですか。


 これは第7位昇格により、取得したスキル《悪魔の声》によるものらしい……

 仕組みとしては今まで聞こえていた声は悪魔の囁きに《悪魔の声》を乗せているらしいぞ。そんな感覚がある。


 しかも有り難いことに、このスキルは悪魔界に対するノウハウを可能な範囲で応えてくれるスキルっぽい。なかなか便利。


 ――はあ、これも俺があの時、ナナたちが死んだと勝手に勘違いして、湧き起こる黒い衝動を抑えきれなかったのがいけないか。憎くて憎くて仕方なかったんだよな……

 俺には帰りを待ってくれている妻たちもいるってのに……

 ほんとあの時の俺を殴ってやりたい……


「はぁ」


 ――しかしなんで、あの時の俺はこの世の終わりみたいに感じてしまったんだ。

 今は感じないが、重苦しかったここの空間のせいなのか……? 


「ふむ」


 ――ま、考えたって分からないものは分からないか。しかし、あの感覚。憎しみの沼にハマってしまったような感覚。あれはマズイかもしれないな、一応暇な時には精神力でも鍛えておくか……


「はぁ。しかし俺が支配地持ち悪魔になるとはね」


『やったぞクローっ! 俺、第10位悪魔に戻れた。Dが消えたんだよっ!』


 面倒を抱えて意気消沈しているところに、グラッドから明るく元気な念話が届きイラっとする。


『はいはい、それはよかったな』


 ムカつくので素っ気なく返す。ま、うれしさを一方的に伝えたかっただけのグラッドは気にしてない様だけど。


『私たちもですクロー様』

『クロー様。これからよろしくな』


『お、おう』


 彼女たちも魔力が戻ったからだろう。わざわざ念話をしてきた。悪魔にしては律儀だね。珍しい。


 ——ま、へんな配下が増えるよりましだが……


『なあ、ほんとうにこのまま俺の配下になるのか? 今ならまだ断ってくれても俺は気にしないが?』


『断るだなんてとんでもないです。どうぞよろしくお願いしますクロー様』


『あたいだって。受けた恩は返すのがあたいの流儀。というかあたい強いヤツが好きなんだ。

 そしてクロー様は強い。へへへ、だからあたいはクロー様に一生ついていくつもりだぜ。そこんとこよろしくな』


 成り行きで配下(仮)になり、ディディス討伐と同時にほぼ強制的に俺の配下になっていた。

 無理して配下になられても俺の方が困るから応えやすい様に尋ねてみたんだが、二人からは思った以上にうれしそうな念話。意外だ。


『……そ、そうか』


 ――でもな、俺は好きでディディスを殺ったわけじゃないんだが……?


 心の中でひとり愚痴っていて、ふとナナから念話が来てないことに気づく。


『ナナ? 大人しいが何があったのか?』


『ぁ!? クローさま、あたし……あたし、格が上がっちゃたんです。第9位ですよ』


 心のどこかで、まだナナのことを心配していたようだ。なんて情けない。


『そうか(俺、知ってるんだけどな)』


『それにあたし、新しいスキルまで取得しちゃったんですよ!!』


『ほお、それはよかったな』


『はい……でも、今回だけですからね』


 ――はて? これはまた唐突だな。ナナは何のことを言ってるのだ?


『聞いてますか?』


『ああ……?』


——ダメだ、さっぱり分からん。


『ふぅ……クロー、ようやく収まったよ。俺、代わりに殴られてやったんだぞ……

 これで貸し借りなしな……』


『はあ? それはどういう……』

『いいって、女が増えればよくあることよ。気にするな。

 でも今回は、ほんとお前のお陰だ、サンキューな……お前がディディスを倒してくれたから……俺は帰れる……やっと……やっと俺は……あいつらの所に……帰れるんだぁ……ぅぅぅぅ』


 話が全く見えなくてグラッドに聞き返そうと思ったが、グラッドが突然泣き出してしまったので聞くに聞けない。


『お、おい。グラッド大丈夫か?』


『う、うぅぅ』


——これはダメだな……しかし、配下が二人も増え俺も勝手に昇格して支配地持ちに、ナナも何故か報酬として昇格した……ま、結果からすればよかった、のか? って納値、値値はどうなる。これから俺はいったいいくら納値をするんだ……?

 くそ、何も分からないから不安だらけじゃないか。いや、待てよ、確か悪魔の声は今後は配属悪魔が管理するようなことを……


 俺が一人うんうん唸りながら、思考の沼に浸かっていると――


「あなた様がディディスを滅ぼしてくださったのですね」


 ――ん?


「お前は……!?」


 俺を呼ぶ声に振り返ってみれば、以前に見たことのある風貌をした悪魔が立っている。


 羊のようなツノ。艶のある綺麗な黒髪を後ろに流し、整った顔立ちなのに細く吊り上がった目がどこか冷たい印象を与える。


 ナナをお嬢様呼びしていたあの悪魔にもなんとなく似ているが、こいつには小さなおっぱいがついている。マリーと十分張り合える立派なちっぱい。というかなんで裸?


「私は成り行きでディディスに仕えていた執事悪魔族のセラバスと申します」


 そう言ってから執事っぽく綺麗な礼をする。でも裸。


「あ、ああ、俺はクローだ」


「クロー様ですね」


 そう言ったセラバスがもう一度俺に頭を下げた。もちろんちっぱいだから揺れることはない……が自然とそこに目がいく。


「今回の不祥事は私が分不相応の望みを抱いてしまったことが原因でした」


 セラバスがなんか勝手に語り出した。ゲーゲスに仕えていた時からの出来事を簡潔に。ちっぱい見放題だから聞いてやるんだけど。


「なるほど、なるほど。それでセラバスは召喚門の一部にされていたのだな……

よーく分かった……だが、そろそろ、服を着た方がいいと思うが」


 せっかくなので見納めついでにもう一度セラバスのちっぱいを眺めていると。セラバスが僅かに笑みを浮かべた。


「これはお目汚しを、とんだ失礼をいたしました」


 そう言ってから頭を下げた後申し訳なさそうに眉尻を下げた。


「いや、まあ、俺的にはそのままでもイイんだけどな」


 ――ちっぱいはちっぱいの良さがある。ちっぱいって癒やされるんだよな……

 む、そうか。むしろ癒しの分野においてはおっぱいよりちっぱいの方が優っているかも……ふむ。


「執事の心……このスキルも意味があったのですね……」


「ん? 何か言ったか?」


「いえ、申し訳ございません……お恥ずかしい話、実は今の私にはもう、魔力具現化できるほどの余剰魔力がないのです」


「そう……なのか?」


 ――魔力具現化するほどは……保有しているように感じるが……


 俺が不思議そうに見ていたのを察したのかセラバスが再び笑みを浮かべると――


「残りの魔力はこの空間の後始末と、ディディスの死と共に消滅したゲートの代わりにクロー様方を空間転移させねばなりません……クロー様は自身で転移可能なようですが……

 これは執事悪魔族として、私の最期の責務として全うしなければならないことなのです」


「そうなのか? ゲート、消滅していたのか……」


 なんとなくきょろきょろしてみるがそれらしい者は当然ない。というか最初からこの部屋にはなかった。


「はい、本来ならクロー様にその権利がすぐに移るのですが……この空間は負の感情で歪み過ぎました。本来発生することのないアビスからの負です。

 ですので一度消滅させなければならないのです。

 それからは然るべき手続きを終えることでクロー様の使用空間として使用できるようになります」


「それって……」


 セラバスが優しく笑みを浮かべ首を振った。


「その権限は私にありません」


「そうか……」


「はい」


「なぁ、その空間転移なんだが、俺以外にも四人いるんだが大丈夫なのか? その……魔力的にってことだが……」


「六人です、問題ありません」


「六人?」


「はい、六人です」


 ――なるほど、俺たち以外にも悪魔が攻めてきていたのだな……にしては少なくないか? おいっ、その辺はどうなんだ悪魔の声?


【……】


 ――……ノーコメントかよ!? 


「どうかされましたか?」


「いや、何でもない。そうか、まあ、とりあえずこれを着とくといい」


 俺は収納していた上着を取り出しセラバスに手渡す。


「これを私に……」


「ああ」


 戸惑いつつも受け取ったセラバスの瞳が揺らめいていたように感じたが目が細いし、見間違いだろう。


「ありがとうございます」


 セラバスが俺の上着を羽織る……が、なぜかボタンをかけない……


 ――やばい、裸より今のほうがエロく感じる。


「あ、ああ、気にするな」


 セラバスが少し口角を上げ微笑むも、すぐに眉尻を下げた。


「では、そろそろ時間もありませんので、皆様を空間転移させます」


「そうか……すまんな」


「いえ、私の方こそ……あなた様には感謝の言葉もありません」


 笑みを浮かべるセラバスから魔力を感じると、ナナたちの気配が順に遠くなっていく。


 そして、最後に俺も空間転移の魔法がかかり周囲の空間が歪み始めた。


「クロー様、呑まれたり避けるのではなく、引き込むのです」


「引き込む? 何のことだ……」


 セラバスにその意味を尋ねようと思った時には……


「あっ、クローさまだ」


 俺は王都の郊外へ空間転移が完了していた。

 転移先も人族の気配が全くない場所。まさに神対応だった。


「なんだよクロー。無傷じゃん」


 そういうグラッドは顔中ボコボコに腫れてるたが、何があった? そんなグラッドが手を振り俺の方に向かって歩いてくる。


「クローさま!!」

「「クロー様」」


 ナナやイオナにライコも俺の姿を見つけると、すぐに駆けてきた。


「おう。で、あとの二人……別の悪魔がいるはずなんだが……」


 俺は手を上げて応えつつ、周囲に視線を向ける。ついでに気配察知も。


「ああ、そいつならここに……って!? いねぇ!!」


「さっきまでいたのですが……」


「ああ、ここに居たんだがな……」


「クローさま、その二人の悪魔があたしたちを助けてくれたんだけど、いつの間にかいなくなってる」


 みんなが不思議そうな顔をしなが辺りをきょろきょろとする。


「そうなのか……」


「うん。あたしもお礼がしたかったのにな」


 ――気配がない悪魔だった。俺もどんな悪魔か確認したかったんだけどな……


「よしっ!!」


 しんみりとなりそうな雰囲気を吹き飛ばすかのようにグラッドが突然、元気な声を張り上げた。


「グラッド、急にどうした?」


「クロー、お前の顔も見れたし、俺はそろそろ行くわ」


「行くって……どこ、ああ、そういえば誰かの所に帰るって言ってたな」


「ああ、前の契約者の所だ」


 グラッドが照れくさそうに頭を掻いた。


「それって廃棄悪魔になる前の?」


「そうさ、あそこは小さな島国で、色々と問題を抱えていたんだよ。

 早く行ってやらないと、俺心配なんだわ」


「ふーん。グラッド。あんた悪魔なのに変な奴だよね」


 ナナが不思議そうにグラッドを眺めれば、グラッドはお前には関係ないと、ばかりにしっしっと手で払う仕草をする。


 ちなみに顔中ボゴボコだったグラッドだが、再生の力ですでに元通り。


「いいだろ別に……」


 おそらくグラッドも転生者なのだろう。グラッドの爆撃魔法はミサイルの姿をしていたからそう思うんだよな……


「気をつけて帰れよ」


「ああクローも……それにみんなも元気でな。ありがとう」


 居ても立っても居られないのか、そう言ったグラッドは俺たちに向かって片手を挙げると、翼を広げて素早く空へと飛び上がった。


 そして、一度だけ俺たちの頭上を旋回すると南の方に飛び立っていった。


「いったか……ん?」


『クロー、言い忘れてたわ』


 飛び立ったはずのグラッドから念話がきた。


『なんだ?』


『メイドにお約束はないからな』


『はあ? メイドってなんだよ?』


『ははは、手を出してみんなを悲しませるなよ、じゃあ今度こそ、元気でな』


『お、おい!!』


 グラッドの念話は笑い声と共にぷつりと切れた。


「クローさま、急にボーッとしちゃってどうしたの? 寂しいの?」


 ぷにゅん。


 後ろから右肩にナナの右腕が回されたかと思うと、背中に柔らかな感触が押しつけられた。

 ちょっと振りの感触。悪くない。


「そんなはずない。よれよりナナ。俺たちも一度宿に戻ろう。

 イオナとライコもついてきてくれ。その時に皆に言うことがある」


「へぇ、クローさまがみんなになんだろうね」


「「「はい」」」


 ナナを含め、イオナとライコも俺が何を言いたいのか察しているのだろう、口元を緩めてにやにやしていた。


 ――――

 ――


「セリスさん、悪魔たちの様子がおかしくないですか?」


 悪魔たちの残骸の山を着々と増やしていた三人は急に頭を押さえ踠き苦しみ出した悪魔たちを前に戸惑っていた。


「これは、こんな光景、私も初めてだ。何があるか分からん、少し離れて様子を見よう」


「はい」


 セリスの指示に従い、エリザとマリーは踠き苦しむ悪魔たちから距離を取る。


「きゃ」

「わっ」

「むっ」


 悪魔から距離を取ってすぐ、一体の悪魔の頭部が突然膨れ上がった方思えば、パーンッと破裂した。


「今のは!?」


 驚く彼女たちだが、その現象はそれで終わりではなかった。

 次々と連鎖するように悪魔の頭部が膨れ上がり破裂していくのだ。


「これは、いったい何が起こったというのだ」


 王城からこちらに向かっていた悪魔も途中で落下しながら破裂している。


「ねえねえ、これって、もしかして、ディディスって悪魔が倒されたんじゃないかな?」


 マリーが目をキラキラさせながらエリザとセリスに顔を向ける。


「ふふふ、そうかもクローがアッサリ倒しちゃったのかも……」


 エリザも口元に手を当てながら笑いセリスとマリーを順に見る。


「いや、でも……さすがに。いや、主殿なら……ありそうだな」


 みんなが同じ意見で拍子抜けするが、セリスは聖騎士として活動していた経験があり最後まで油断することはない。

 念のため、周りに動いている悪魔が居ないかみんなで確認すると教会の方を眺めて目を細める。


「あの様子……」


 教会前の悪魔や教会前にいる聖騎士たち様子を確認しセリスは魔法剣をしまいエリザとマリーに振り向く。


「もう大丈夫だろう、一度宿に戻ろう」


「はい。みんな汗と悪魔の返り血ですごいからすぐにシャワーを浴びましょう」


「うん、そうしよう。ボクも気持ち悪くて」


 エリザは元々綺麗好きで汚れたところをクローに見られるのが恥ずかしいと感じていた。

 もちろんマリーはそのことを知っているし、マリーもその影響を受けている。


「ほらほらセリスさん。自分は関係ないような顔をしてますけど、拭いて『はいっ終わり』はダメですよ」


「ぬっ!? なぜ、それを!?」


 セリスは聖騎士生活が長く、少しの汚れくらいなら拭けばいい、と思っていた。その感覚はハンターに近い。


 それはマリーも同じだったが今は違う。エリザの影響もあるが一番はやはりクロー。

 クローに毎日クリーン魔法をかけてもらっていれば自然と綺麗好きになる。


「ふふふ、セリスさん。教えてあげるわ。クローって悪魔だけど綺麗好きなんですよ」


「何!? 主殿が!? そ、それはいかんな。よし、急いで帰ろう!」


 三人が、常人では目で追うことすら困難なほどの、すごい速度で宿に戻ったことは言うまでもない。


 ――――

 ――


「セイル様!!」


「はぁ、はぁ、ラグナ……どうしたのです」


 魔力回復のために横になっていたセイルはふらつく身体に力を入れて、上体だけを起こした。


 ラグナが横目に見れば、聖域魔法陣の維持にはBランク聖騎士があたっていた。


「まさか!? もう教会門が破られましたか」


 教会の門には悪魔弾きの結界が張ってあった。

 その門が破られればセイルにも分かるようになっているのだが、なぜかそれがない。


 だが、アーク悪魔のようなものまで現れている現在、何が起こっても不思議ではないとセイルは物事を軽視することができなくなっていた。


「いえ、信じられませんが、悪魔たちが、全て自滅してしまいました」


「……ラグナ……私は耳がおかしくなったようです。もう一度聞いてもいいですか?」


「はい、悪魔たちが、全て自滅しました」


 それからラグナは事の顛末をゆっくりと語った。


「そうですか……分かりました。ラグナの考えは恐らく正しいでしょう……ですが、今回のケースは初めてのことです、確証がない今、もうしばらくは聖域魔法陣の維持に努めましょう……

 そうですね……4、いえ5日、5日間、続けて何事もなければ、自滅したと判断します」


「はい」


「それでラグナたちはその間になんとしてもゲートの存在を確認をしてほしいのです。

 レイド悪魔も同じように自滅したのであればゲートは消滅しているはずです……

 それさえ確認できれば聖域魔法陣は5日と待たず解除します……

 こういうのは弁舌巧みなゴーカツィ司祭が得意なのですが、ラグナ、面会には私の書状を持っていくといいです」


「はい」


――――

―—



「――様。よろしかったのですか?」


「ふふ。あの様子では大丈夫だよ。それに、完璧を求める執事悪魔族は、それだけでも屈辱を感じると思わない?」


「そうでしたな、執事悪魔族は忠誠を誓った主にはなんでもその要望に応えてやりたい、そうしなければ我慢できないという少し変わった性癖、いえ、種族特性がありましたな、ほんと難儀ですな」


「そうだよね、でも僕は期待してるんだよ。この僕に違った刺激を与えてくれると……さて……少しは楽しくなるかな」

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