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ルイーザの収容されている捕虜収容施設に何者かの侵入あり、とイヴァンナとノンナの元へと報告があった。
生き残った目撃者の話しから、侵入したのは片目の少女一人。気づいた時には警備していたB-ランカーの狂戦士達三人とそこにいた看守諸共全員が殺されたそうである。
奪取された捕虜はルイーサ。侵入したのは彼女が戦場監察官として組んでいたリオニーであると推測された。
しかし、ルイーサは自分に助けは来ないと言っていた。自分達は消耗品であるからと。あれが、あのルイーサの姿が演技だったとは到底思えない。
何故、危険を犯してまでルイーサを助ける必要があったのか。クラン帝国の現状を考えるとハインツと事を起こす、そこまでのリスクを負ってまでの救出作戦は行わないはずである。
イヴァンナとノンナは、司令室で上官よりルイーサ及びその救出に関わった者の捜索と捕縛の任が伝えられた。
イヴァンナ達に任が下されたのも、恐らく救出に加担した者の中に狂戦士がいる事が分かっているからであろう。B-ランカーとは言え、周りに気づかれずに三人を殺せるのは、Aランカークラスの狂戦士位であるからだ。
「やはり、リオニーでしょうか」
司令室から出て廊下を歩くイヴァンナは、小さな声で隣を歩くノンナへと話しかけた。
「でしょうね。B-ランカーを三人も短時間で殺せる狂戦士はクラン帝国の中でも数少ないから。それにルイーサの救出を考えるなら、リオニーしかいないでしょう」
「でも危険を犯してまで、クラン帝国がこの様な救出作戦に出るのが不思議なんですよね……」
「……確かに、特にこの時期に。何か裏がありそうですね、イヴァンナ」
イヴァンナ達は待機室に戻ると、1103、963、1009に出動命令が出された事を伝えた。そして収容施設付近の地図を開き、ルイーサが手負いである事も勘案し捜索範囲を決めた。
そして、イヴァンナと1103と963、ノンナと1009の二手に分かれ捜索を開始した。
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