第3話 仲間

俺はジャックの部屋から出て自分の部屋に戻る


宿の一室だがそこは勇者パーティそれぞれ個室だ


宿の人は4人にはスイートルーム、俺には普通の部屋を用意していたのだが


「ボットが普通の部屋なら俺と同室にして下さい」


とジャックが言い出し、勇者に相部屋をさせたら評判が落ちると考えた宿の主人がスイートを5部屋用意してくれた


自分で言うのもなんだがジャックは俺を過大評価してる節がある


俺は親友の為に頑張っただけの鍛冶師なのだから


この世界の魔法は潜在魔法と習得魔法がある


潜在魔法とは生まれつき覚えてる魔法でこの魔法を持って生まれなかった人には一生使えない魔法


習得魔法は生まれたときは覚えていなくても素質があれば覚える可能性がある魔法のことである


潜在魔法は人族・エルフ・魔族であれば大半が持っているとされ、ドワーフと知性のない魔物は持っていない者が大半とされる


自身がどの様な潜在魔法を持っているかは使うまで知る事はできないが15歳の時に習得魔法である『鑑定』を持っている神官に適正職業を見てもらう事ができ、そこからどのような潜在魔法を持っているか探っていくことになる


勿論、ここで出た適正職業に絶対なる必要性はないが『勇者』や『賢者』『聖女』などはその適正職業を持っている者しかなれない職業である


そして習得魔法に至っては同じ魔法でも『大・中・小』3段階の威力効果に別れる


先ほど言った『鑑定』で適正職業を見てもらうためには『鑑定・小』でいいが、習得魔法の素質を見るためには『鑑定・中』が必要、潜在魔法名を知るためには『鑑定・大』が必要との事


ちなみに習得魔法の大ランクを使えるのはほんの1握りであり、『鑑定・大』を使えるのは王室お抱えの魔法使い1人だけとか


なので普通は自身の潜在魔法は偶然使用するまでは知ることができない


またこの世界には他にも龍種がいる


彼らは戦闘力がずば抜けており知性も高く長寿である


長寿が故に他種に興味がなく基本害はない


俺とジャックは人族、レナは人とのハーフ魔族、アヤカはエルフ、リクはドワーフである


エルフ・ドワーフは人族と協定を結んでおり仲が良く、魔族は差別対象になる事もあるがハーフ魔族であるレナは見た目が人族と変わらず逆に勇者パーティの魔法攻撃によるダメージ担当なので度重なる人族への貢献の功績から国王から特別名誉国民権を授与されている


俺を除き皆、何かしらの習得魔法大レベルが使える


俺はメンバーからの必死の特訓で中レベルの魔法を数個習得したが潜在魔法が何なのか5年経っても分からないし、このまま元々生まれ持っていなかった可能性も高い


「よくこんな俺を皆、大事にしてくれたよな・・・」


本当に感謝である


さて、宿の片づけも一通り終わった


何をするか・・・


そう考えていると、部屋がノックされた


入って来たのはアヤカだった

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