爆弾
ここはどこかの国の、ある大地でございます。
花などもってのほかでございます。
生命の
おや、空から何か、黒いものが――
黒い
あらら、これは「爆弾」ですね。
次から次へと「ドドドン」という大きな音を立てて、
なんとも気の
たちまち地面は穴だらけ。
あれれ、何か出てきますよ?
おやおや、これは「
世にも
いったい何をしようというのでしょうか?
ああ、なんと――
毒虫どもはこともあろうに、この大地にわずかばかりの、いまにも
こんな
息も
しかし毒虫どもはいっさい
あとには
まったく、ひどい
まるでこの世の終わりのような絵ではありませんか。
しかし、はれ――
毒虫たちのおびただしい
おや、まあ。
「
とても小さく、たよりないですが、どうやらこれは、植物の芽のように見えます。
お、おお――
その芽はたちまちのうちに
そして、ああ――
「花」です。
この世のものとはとうてい思えない、雪のように白い、それはそれは美しい花が、その
「桜」――
そう、この木は桜の木だったのでございます。
なんという、美しさでしょう。
その桜はすぐに満開を
すると、どうでしょう。
毒虫どもやその垂れ流した糞尿を
「子どもたち」もすぐに成長して、気がつけばついさっきまでの荒れ果てた大地は、世にも美しい、桜の森へと変じたのでございます。
桜の森はまるで世界を照らし出すように、ずっとずっと、
このようなことがあるのでございますね。
しかしわれわれは、決して忘れてはならないのです。
美しい桜の足もとには、いつだって醜い毒虫がうごめいている、ということを――
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