第265話 中ボス討伐作戦
アルベルトさんが帰った後、少し考える。中ボスことコボルトキングへの対処について。
魔法では倒す事が出来ない。となると私が倒す事が出来る手段はひとつだけ。アイテムボックスのスキルを使った方法。
コボルトキングには羽根はない。だから飛ばない筈だ。それならクラーケンを倒したのと同様に、地中奥深くへ落として倒す方法はどうだろう。
まずは
落とし穴作戦を実行するにはコボルトキングを
幸いコボルトキングがいるのは
この
つまりコボルトキングがいる北西端も
試しにこっそりアイテムボックス魔法で小さな穴を掘ってみる。大丈夫、外へ通じる穴を掘ることが出来た。
これなら穴を掘って
そして
しかし問題がある。現状では
ここから深い穴を掘ろうとしても、穴の途中で偵察魔法の範囲外になってしまう。
いざという時に
拠点を移動させようか。
しかしアルベルトさんとの連絡の為にはここに拠点を置いたままの方がいい。
そして私が今いる拠点の北側は山脈だ。地中
北側へ山越えをした先に行こうか? でも此処の山、アコチェーノとローラッテの間の山と比べ遙かに高く険しい。ライ君&縮地+でも越えるのは大変そうだ。
でも待てよ。何も私が行く必要はない。ゴーレムの誰かを動かせばいいのだ。
例えばデュオ君あたりを山向こうへやれば、デュオ君経由の偵察魔法が届く筈。
地上を移動させるには山の高さが邪魔だ。でもそれなら偵察魔法&アイテムボックススキルでデュオ君を送り出せばいい。
かつてこの
でも待てよ、この山は国境だよな確か。とすると山向こうはヘルヴェティア国、つまり外国だ。
どういう国かはわからない、でもゴーレムが見つかるような真似はしない方がいい。
となると残った方法は地中。今いる拠点より
中継拠点はゴーレムが入れる程度の大きさがあればいい。出入口の無い作業部屋のような感じでも。ゴーレムの出し入れはアイテムボックスで出来るから。
しかしそれでは閉所恐怖症でない私でも圧迫感を感じる。たとえ入るのが私自身でなくゴーレムでも、やはり出口があったほうがいい。気分的に。
ならトンネルを掘ろう。掘り始めるのに良さそうな場所を私は偵察魔法で探す。
すぐにちょうどいい場所を発見。私のいる場所の
穴の方向は
アイテムボックスから筆記用具を出して図を描いて確認。
崖から北方向へ30%下向きに3
作業の都合があるから、落とし穴は
よし、方針は決定した。明日トンネルを掘って、コボルトキング討伐作戦を行うことにしよう。
なら今日はきりのいい処まで雑魚を討伐したら、お風呂に入って一日終了だ。
そういえば夕食も食べないと。久しぶりにお風呂で食べるのもいいかもしれない。そうなるとやはり海鮮丼かな。
◇◇◇
翌朝。
ハニートーストと乳清飲料という朝食を食べた後、念のためヒイロ君とウーフェイ君の周囲にいる雑魚魔物を一掃。
そして私は対中ボス作業を開始する。
普通のトンネルを掘るのは簡単だ。トンネル予定部分の土や岩を収納して、収納直後に低温魔法を展開する。
そうすれば凍って断面から出水しなくなる。あとはゆっくりトンネル内部の周囲を岩盤化してやればいい。
それではデュオ君出陣。アイテムボックス内でデュオ君を起動して、トンネルの先端部へ送り出す。
よし、これでデュオ君経由の偵察魔法が落とし穴の底予定地点まで届いた。それではコボルトキング側の出口作業、開始だ。
まずは出口前広場部分。これはトンネルと同様、収納して周囲を岩盤化するだけだからほぼ一瞬で作業は完了。
次は落とし穴部分。コボルトキングがこの場所に出てから足下部分の土を収納して落とす予定なので、広場の下
それにしてもこの穴周辺、地下深いだけあって温度が高い。コボルトキングを誘い出す時には周囲を岩ごと冷却しておこう。
そんな事を思いながら作業し、深さ
ただマグマだまり等は無かった。少し安心、少し残念。マグマだまりがあったらコボルトキングが出た瞬間そこまで掘り抜いて、溶岩攻撃なんてやっても良かったかな、と思ったから。
もちろんやばい噴火とか起きると洒落にならない。だからマグマがあったなら多分掘らなかったとは思う。
出口前広場にゴーレムのカトル君を出す。彼がこの作戦の実質的な主役だ。ゴーレム4体目だけれど今の私なら問題無い。何ならあと1体、トロワ君を出しても大丈夫。
それでは広場から
攻撃開始だ。カトル君、
これに気づいてコボルトキングがやってくれば良し。もし気づかないなら
コボルトキング、どうやら
今までは
よしよし。ならばカトル君、広場へ戻そう。
ヒイロ君経由の偵察魔法からコボルトキングの姿が消えた。
同時に私自身の偵察魔法がコボルトキングを捉える。つまり奴は
それでは攻撃開始。コボルトキングに対しカトル君経由で空即斬を連射。
奴は顔をあげ、カトル君の方をにらみつけた。槍を構え、雄叫びをあげ、そして走り始める。
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