第5話

「あ、私、スマホ、どこやったんだろ・・・。」と私。


香川先輩が、「あ、さっき部室でスマホ見たよ。ごめん、持ってくればよかったね。」と言った。


私は「大丈夫です。取ってきます。」と言った。


梨奈が「わかった。ここで待っとくね。」


と答えた。


私は、うん、待ってて。

と答えて、部室に戻った。


えーっと、あった、あった。


スマホを取る。


ふと、横を見ると、ノートが一冊置いてある。


名前のところを見ると、村井、とかいてあった。


忘れ物、、かな。


そう思いそのまま出ようとした。


いたずら心が刺激された。


ちょっとだけ、、


ぴら。


ノートを開いた。


村井先輩っぽいきれいな字で文章がかかれていた。


「窓の外を見ている

向こうにある山を見ている

僕が見ているのはもっと向こう

ここではないどこか

遠くの世界」


とかかれていた。


私はさっき見た村井先輩の笑顔を思い出した。


こんなこと考えてたんだ。


村井先輩が窓の外を見ているところを想像する。


村井先輩は遠くを見ている。


村井先輩はよくボーッとしているので、簡単に想像できた。


ぴら、


次のページを巡った。


次のページには、蛙の絵がかかれていた。

吹き出しで「帰らん」とかかれている。


ぷっ。

意味わかんない。


村井先輩変な人。


バタッ。


そのとき、部室のドアが開いた。


振り返ると、村井先輩がいた。


「あ、えっと、、ノート見なかった?」


と村井先輩が言った。


私はとっさにノートを隠した。


「さあ、、」


と言った。


「そっか。あ、じゃあ、、」


そう言って、村井先輩は出ていった。


私はノートを鞄に入れて、立ち上がった。


みんなのところに戻らなきゃ!

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