日常
学校での明子も相変わらずである。手を振り振り近づく巨体に、咄嗟に身構える気持ちをほどくのも慣れた。
「奈緒ー」
明子が奈緒を呼ぶ高い声が、辺りをまっすぐに抜けていった。ふいに日差しが一際強くなった。つられるように、時期外れの蝉が季節本番の鈴虫に合わせて大きく鳴く。りんりんと、不協和音とも輪唱ともつかない大きな音の波を背に、明子は奈緒に追い付き、はにかんだ。
夏休みは終わったといえらまだまだ暑い。奈緒はカーディガンで軽く額に浮いた汗を押さえた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます