第2話 転校生が双子の妹だった

俺は学校に登校し一つ上の学年と上がり三階建ての高校で学年ごとに上がっていく。

今年から高校二年になるので二階にある二年三組の教室に入る。

黒板に自分の席が書かれている。

俺の席はどうやら後ろの窓側席。

ん?待てよ。俺と同じ苗字がぁぁああああ!!!って俺の妹の名前!!。

待て、今俺の目に何が見えている。厳格か?

俺は恐る恐る再度黒板を見て確認すると俺の右隣渋沢静江しぶさわしずえと書いてある。

だが、何故俺と同じ学校なのだ。

静江が行った学校は私立の高校。

俺が通っている学校は鳳川おおとりがわ高等学校すなわち普通高なのだ。

何故俺の妹の名前が書いてあるのかが不思議だ。

俺はきょろきょろと周りを見渡すと静江らしき人はいない。

まぁ、いたらいたでクラスの人はいや、全校生徒が騒ぐか。

決して俺はシスコンではないが双子の妹静江はめちゃくちゃ綺麗だ。

もう一度言う。俺はシスコンではない。

中学の時俺と静江は別々の世界にいた。

静江は人気者俺は不人気者だった。

静江は勉強なんかしなくても頭が良くいつも学年二位だった。

俺は必死に勉強をしてやっとで静江にいつも勝っていた。

スポーツでは静江は得意で俺は不得意だった。

そして言われたくない事をクラスの男子に言われた。

「お前、なんで兄妹なのにこんなにも差が広がっているんだよ。本当に兄妹か?」

その言葉で俺は何も返す言葉がでなかった。

本当は言いたかった。兄妹だと俺は言いたかった。

だけど、静江と俺には差が広がりすぎていつしか静江とは兄妹ではないのかと思った。

俺と静江は離れて静江は地元の私立へ俺は少し離れた高校に入学をした。

それから一年俺は家族と会ってはいなかった。

俺はこの学校で三年間の成績一位を目指しそして大学の学費をすべて学校が支払うのを獲得するために必死に頑張っていたのに何故今この黒板に俺の妹の名前が書いてあるんだ。

そしてチャイムがなり皆席に着く。

教室からドアが開く音がした。

そこには女性の先生がいた。見たこともない人でおそらく新しい先生だろう。

黒板の前にある教卓まで行きプリントを置く。

「初めまして。今日からこの学校に勤める事になりました。西空夏美にしぞらなつみといいますよろしくお願いします」

クラスの男子は喜び浮かれている。

俺は先生なんてどうでもいい。気になるのは静江だけだ。

決してシスコンではない。

先生は挨拶をした後話を続ける。

「では、今から転校生を呼びます。入ってきてください」

やはり静江かと俺は察した。

ドアが静かに開き。クラスの人はその視線を向ける。

そこにはとても美しい瞳と輝かしい髪整っている顔。

全てを完璧とるす女性がいた。

黒い髪でショートヘアー俺はそれを見て「静江髪切ったのか」と呟く。

名前が書いていなかったら静江だと気づかなかっただろう。

一年前まではロングヘアーだったのが今はショートヘアーになっている。

クラスの皆は静江を見てあまりにも綺麗で見とれている。

「初めまして。渋沢静江です」

クラスの皆はざわつき始める。

「渋沢ってこのクラスにもう一人いなかった?」

「あ~あの学年トップだった」

「でも、顔からすべてが違いすぎないか?」

言いたい放題言ってくれている。

確かに俺と静江は知らない人からしたら他人のように感じるであろう。

中学の時から一緒に買い物など行くとよく彼氏彼女だと間違われていてどう反応すればいいかわからなかった。

静江はクラスの皆が言っていることを聞き微笑みながら「はい、私と渋沢莉玖は私の兄です」

クラスの皆は一斉に『なにぃぃぃぃぃぃ!!!!』

俺は思ってしまったこいつらは今まで黒板で書いていたのに何故気が付かなかったのかと。

確かに苗字だけじゃわからないか。

こうして俺と静江は一年ぶりの再会をした。




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