女子に興味がない俺が義理の妹に何故か彼女を作れと言ってくるんだが

瓢水カケル

第1話 天才と平民の違い

四月、新しい環境が舞い降りてくる。

俺、渋沢莉玖は高校二年生になった。

とはいえ、別に変る事はない。

俺は彼女もいないし部活だってしてはいない。

やる事と言えば勉強だ。

俺の家はあまり裕福ではない。

父は工場で働き母は海外で仕事をしている。

俺は実家から少し離れた場所で暮らしている。

それは俺の通っている学校から離れているからだ。

なのでバイトと少し親からお金をもらって一人暮らしをしている。

部屋は一人で住むぐらいの広さで、別に綺麗なわけでもない。

安くて少しボロアパート。

住めるだけありがたいと思っている。

俺の生活は、朝学校に行く前に勉強をする。

学校終わったらバイト五時から九時までする。

家に帰った後、ご飯を食べる。

実家にいた時はいつも妹が作ってくれていたのであまり大変ではなかったが。

一人で暮らしてからご飯の準備をしなければならないし、食べ終わったら片付けもしなければならないのでかなり時間が無くなる。

その後シャワーを浴びて寝る前に一時間勉強をして寝る。

これが俺の生活だ。

最近では勉強を優先してご飯を弁当で済ませてしまう。

俺もこれでは体を悪くしてしまうと思っていたが、勉強のためだと自分の胸に言い聞かせてしまう。

何故そこまで勉強をするのかと言うと俺の通っている学校では成績が三年間良かったら大学の金額をすべて学校が支払ってくれると言う。

俺からしたらとてもありがたい事だと思う。

中学三年の時どこの高校にしようか悩んでいた時たまたまパンフレットを見かけてそこに書いてあったのが、三年間の成績が良ければ上位三名に大学に支払うお金をすべて学校側が支払う。

と書いてあったのですぐに先生に伝えてここに来た。

元々やる事もなかったので中学から勉強を優先していたので成績もよかった。

そして高校一年の時毎回学年一位を獲得している。

これを後二年続ければ大学に支払うお金をすべて学校が支払ってくれる。

だが、高校二年になってから渋沢莉玖の生活が変わっていく。

目覚まし時計が部屋中に鳴り響く。

俺はその目覚まし時計を止めてベットから立ち上がる。

時刻は朝の六時。

俺はすぐさま冷蔵庫の方に向かい冷蔵庫の中身を覗く。

「何もない…」

冷蔵庫の中にはお茶ぐらいしかなく、食べ物がない。

俺は辺りを見渡しテーブルの上にパンがある事を確認した。

パンを加えて制服に着替える。

その後パンを食い終わるまで暗記カードをめくる。

食べ終わった後洗面所に向かい髪を濡らして乾かし歯磨きをする。

ここまでで時間は六時半。

その後一時間勉強をする。

やはり朝勉強する事は良い事だ。

目が覚めるし頭の回転が速くなる。

多分それは俺だけかもしれないが朝はどうしても頭の回転がいつもより遅くなる。

それは頭を使わないからだ。

一時間前まで何時間も寝ていたのだから仕方がない。

だから俺は朝早く起きて勉強をする。

そしたら授業中もしっかりと話を訊ける。

学校にて。

学校に着き、自分の教室に入り席に着く。

朝から騒がしい人もいれば眠たそうな人もいる。

俺は勉強をする。

それに俺はクラスで浮いている存在。

勉強ばかりしていて人ともあまり話さない。

なので友達もできないし彼女もできない。

それでも俺は良いと思っている。

勉強に集中できるからだ。

友達がいれば遊ぼうと誘われるし教室では必ず話かけられるだろう。

彼女なんていたら毎日通話やら休みの日と出かけようなど面倒な事が起きる。

そんな事が起きれば勉強の時間が無くなる。

それに今少し心配な事がある。

それは去年の最後のテスト、なんとか学年一位は取れたが後二点取っていたら俺は学年二位だった。

そう、俺のクラスに俺と同じくらい頭が良い人がいる。

それは北沢加恋きたざわかれんだ。

彼女は俺とは違いみんなから好かれている。

その理由は可愛いくて明るくおまけに優しいからだしい。

俺は話したことがないからどんな人かはわからないがよくちらほら聞こえてきた。

黒髪ロングで目は大きく身長はそこまで大きくはない。

女子の平均身長くらいだ。

そんな彼女が学年二位。

何故急にこんな成績を上げてきたのが不思議だ。

高校一年の最後のテスト以外は別に勉強では騒がれていなかったが最後のテストの結果発表で掲示板に張られていた時俺の左に北沢加恋と名前が載っていた。

クラスのみんなは騒いで一人の女子がこう言った。

「加恋ちゃん合計点数何点だったの?」

俺はその時だけの会話を訊いた。

「え~と四百九十八点」

「すごーい!」

「加恋ちゃん勉強もできるんだね!」

など女子は騒いでた。

北沢はそんな事ないよ~と言いたげな顔をしていたが俺は少し恐怖を感じた。

まさか俺のクラスに頭が良い人がいたのかと。

しかも俺と同じくらいの頭の良さ。

これはまずいと思い俺はバイトの日数を少し減らしてもらった。

いつも一週間言っていたが今一週間に四日にしている。

これは負けられない。

なんせ相手は人気者おまけに可愛いそして頭も良い。

俺は別にかっこいいわけでもない友達もいない唯一俺の武器だと思っていた毎回学年一位を取っていたのをあんな完璧な人に取られたくはない。

「てか、加恋ちゃんって今まで勉強してなかったの?」

「たしかに、いつも学年二十番くらいだったのに今回だけ二位って」

北沢を囲みながら質問をする。

「今回は勉強の時間を増やしただけだよ~!」

そんな大げさなみないな感じで返す北沢。

俺はその会話を訊いて少しイライラする。

少し多めに勉強していただ?

俺は半分以上いつも勉強に使っているのにあの女は少し増やしただけ。

これが天才と平民の違いかと知り尽くされる。


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