第7話 告白

「ねぇ玲香…私の写真、この店に飾って欲しいな」

「え?いいの?」

「1番のお気に入りを」



「玲香…」

「祐...好き...」

「玲香…それ、私が言おうとした...のに..」


私は手を伸ばしそっと玲香の頬に触れる

まるで初めてのことのようにぎこちなく

軽く唇を合わせた






再び付き合い始めて3ヵ月


一緒には暮らしていないけど

お互いを尊重し合い

充実した日々を過ごしている


少なくとも、私はそう思っている


お店へ顔を出したり

定休日の前の日は泊まったり


織田さんも時々ケーキを食べにくる


「やっぱりココにいた」とか

「またココにいる」とか言われる


あれ?入り浸ってる?


気が向くと、仕事中の玲香にレンズを向けたりして


壁には、風景写真

どこにでもある田園風景だけど

2人とも気に入っている



「そういえば、昨日、お客さんにあの絵褒められたよ」

「そうなの?嬉しいね」

「うん」

「そういえば、お店の名前って、どういう意味なの?」

「ドイツ語で“宝物”だよ」

「確かに、このお店は宝物だねぇ」


玲香は

お店だけじゃないけどねぇ

とエクボを見せた



     ーーー了ーーー

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

Schatz hibari19 @hibari19

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ