第6話 二人の会話 その4
園田一花「先ほど憲法改正の話が出てきましたが、憲法改正について改めてお話し
してみたいと思いますがいいでしょうか?」
岡本晃司「いいよ」
一花「それではとりあえず、私は九条2項削除論者ですが、先輩はどうなんですか?」
晃司「俺は1項もまとめて九条全部削除したらいいと思ってるけどね」
一花「さっき先輩は九条1項の話で戦争の放棄とはいわゆる侵略戦争の放棄であると
おっしゃってましたが、これは中国と北朝鮮を除いてどの国も少なくとも
世界のどの民主主義国も憲法上不可侵とされているはずですが」
晃司「そうやね。中国と北朝鮮の憲法には侵略していいと明記されてるね。
ただ俺らのいた日本の場合、政府解釈では九条1項が否定しているのは、
あくまでも国権の発動としての戦争(国家が宣戦布告して他国を攻撃する行為)
と国際紛争を解決する手段としての武力による威嚇又は武力の行使やから
自衛権まで放棄しているとはいわれんよね。
ただ大半の憲法学者は東大憲法学の権威を主張して、国権の発動たる戦争=
国際法上の戦争=武力の行使=事実上の戦争と勝手に解釈して、これらを論拠
に全ての戦争を日本国憲法は否定していると主張しているのも知ってるよね」
一花「それは知っています」
晃司「日本国憲法は日本独立前に国連憲章を元に作られた憲法で、国連憲章51条
では、この憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国に対して武力攻撃が
発生した場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な
措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するもの
ではないと定められているよね」
一花「それも知っています」
晃司「そもそも世界には自衛権と言う概念しかなくて、個別的自衛権とか集団的
自衛権なんて概念なんかないよね」
一花「それももちろん知ってますよ」
晃司「なかなかいい線いってるね」
一花「元の世界でルームメイトが憲法学だけではなく法律には相当成績もいいですし
知識も豊富なので教えてもらうことも多いですが、憲法学に関してはその子と
いっつも議論してますので」
晃司「へえそうなんや。俺のルームメイトとその子と議論させてみたいね」
一花「岡本先輩のルームメイトの方って憲法学の成績いいんですか?」
晃司「憲法学だけじゃなくて他の科目も全体的に俺よりずっといいよ」
一花「そうなんですね」
晃司「憲法九条1項も削除すべきというのは、そいつと同感なんやけどその理由と
言うのは政府解釈はそうで1項まで削除しなくてもいいっていうのに対して
俺の意見は、そもそも九条なんて憲法に明記しなくていいと言う事なんよ」
一花「それは?」
晃司「そもそも日本は我々のいた日本国憲法下の日本はもとより今俺らがいる
この大日本帝国も、更には十七条憲法の日本の時からそうかもしれんけど、
他国を侵略なんかした事無いし、日本の歴史伝統文化上我々が元いた時代から
未来も、他国を侵略することなんかない。
だから九条1項も憲法に明記しなくていいっということやね。
実際日本国憲法でいう憲法九条なんてものは世界中探しても日本だけで、
あのナチスの後の西ドイツや東ドイツ、あの時代のドイツですらなかった
わけやしね。
もちろんアメリカも」
一花「ドイツで憲法九条の様なものがなくて第二次世界大戦の敗戦国で日本だけ
憲法九条があるって言うのはこの当時の人種差別からでしょうね」
晃司「そらそうよ。それに知ってると思うけど俺らのいた国連つまり国際連合って
いうのは第二次世界大戦の戦勝国が名前を変えただけのもので、ずっと
日本とドイツに対して敵国条項は残ってて消すという意見に多数の戦勝国が
反対したんやもんね」
一花「それも国連は私たちのいた世界では中国の傀儡(かいらい)と化していて
時間とともにその度合いが増すでしょうしね」
晃司「WHOなんか完全に中国共産党の私物やしね。そのうち国連自体が中国の
私物と化する可能性は高かったね。
アメリカ政権を始め世界は第二国連の様なものをつくるというような
ことを聞いたけどね」
一花「憲法九条は忌々(いまいま)しいと考える日本人は多くいたみたいですね。
実は私もです。
ですが元いた政権の第一次政権で挙げられていた憲法改正の九条2項削除は
本当にすべきだと思います。
九条2項前段で戦力の不保持、後段で交戦権の否認を明記してますね。
九条2項を削除して自衛隊をはっきり戦力として国防軍にし、1項でいわゆる
侵略戦争を放棄している。
だから、交戦権を認めるべきです」
晃司「そらそうよね。
自衛隊と軍隊の一番の違いはネガティブリストとポジティブリストの違い
やもんね。
軍隊はネガティブリストであって、それはこれだけは絶対やってはいけない、
後は何やってもいいって言うのがそうよね。
ポジティブリストというのはこれとこれはやっていいけど後はやっては
いけないと言うものよね。これは警察と一緒。
それどころか警察はサイレンを鳴らせば通行の権限が増すけど、阪神大震災の
とき自衛隊はこれすらできず信号も守らんかったらだめやったというね。
こんなことしてたら有事も有事、他組織や他国家に武力攻撃されたとき
いちいちやれることを知らべんといかんわけで、全くと言っていいほど
戦えないね。
はっきり言うけど俺は憲法改正の形式でどんどん改正していって、実質日本人
独自の憲法を作り上げるべきやと思ってるね」
一花「その方向性が難しいですよね」
晃司「模範はアメリカ合衆国憲法でいいやん」
一花「もしアメリカが反対したらどうします?」
晃司「その可能性は低いね。少なくとも名目上」
一花「それは?」
晃司「そらそうやん。アメリカが公的に自分の所の憲法真似されたら危険やから
なんか言えるわけないやんか」
一花「そりゃそうですね」
晃司「それどころか、2,3の隣国が反対して騒いだらアメリカがどういうことや!
って言うことになるからなお都合がいいね」
一花「確かに。一旦話を戻させてもらいますが、九条1項を含めて九条全部を削除する
目的は先輩は具体的に何だと考えるんですか?」
晃司「まず憲法改正とは別に、あの時代において放っておけば、台湾と尖閣諸島を
取られた後、沖縄その後九州、そしてそれ以外の日本本土が侵略されていた
やろうから、それを防ぐ為にまずすべきは、国防予算を根拠のないGDP1%と
いうものからGDP2%以上に増やして人員と武装や補給等を充実させる必要が
あるね。
それを前提に少なくとも憲法九条2項の削除後、なんなら九条全部を削除して
から、自衛隊がちゃんと軍隊になれば、まず北朝鮮には、拉致された日本人を
奪い返すため日本軍が出動して、北朝鮮内に侵入して拉致被害者を取り返す
必要がある。
それと同時に、北朝鮮の日本の各都市に照準を合わせていた核等を搭載する
ミサイル基地の破壊と北朝鮮軍の殲滅(せんめつ)をすべきやったね。
更に中国等が日本に対しては核兵器を搭載したミサイルをロックオンして
いたため、このミサイル基地を破壊するために戦略を練って同盟国の
アメリカ軍はもちろん、準同盟国のイギリス軍、フランス軍、オーストラリア
軍、カナダ軍、インド軍等と連携して日本軍を派兵して、日本軍が率先して
世界各国軍が中国に侵入し、抵抗するならその軍隊を排除をするしかないね。
でもそれが難しいため、日本もこの中国等の敵国に対して、核の報復攻撃を
するため内閣決議による、核兵器の実戦配備をする必要があったね。
それらはなぜなら日本国民が中国、北朝鮮等の核兵器や化学兵器、生物
兵器等の脅威に晒されることなく安寧に暮らして生涯を全うする権利がある
ため、それを行使するだけであるためやからね。
元々人権問題に関しては国内の問題でも他国が介入しても内政干渉にはなら
ないわけで、憲法九条がなくなったらもっと具体的に、21世紀版大東亜共栄圏
の復元をすればいい。
まず日本が政治的に積極策をとるのを待って、日本が率先してアメリカを
はじめとする全世界の政府、軍隊を牽引するぐらいして、ナチス以上とも
言われる、民族大虐殺(ジェノサイド)等が行われていたウイグル、更には
同じく第二次世界大戦後の国際条約違反の侵略行為により中華人民共和国の
領土にされて人権問題の行為が行われていたチベット、南モンゴル、
ひいては満州の解放を行う。
そして中華本土に関してはとにかく中国国内の民主主義勢力の台頭を待ち、
この勢力を軍事的に支援するという形で中国共産党勢力に対抗する。
この辺りがあの当時の日本の将来的なその目標と目的かな」
一花「その様な考えに触れた時よく左の人や中国人や朝鮮半島の人などが、日本が
侵略行為をしたと論陣をはっていましたよね。
例えば中国が言う南京大虐殺等はその典型ですが」
晃司「とんでもない話よね。中国側が主張していたのは日本軍が南京で30万人の
民間人を虐殺したというけど、あの当時の南京市の公式の発表では南京市の
人口は20万人やったからね。
どうやって30万殺すのかと言う事やね。
それに古代からこの時代も当時の中国の城は町ごと大きく塀で囲って戦闘員と
非戦闘員は一緒にされて、城が落ちれば戦闘員だけじゃなくて非戦闘員の民
まで虐殺されたり暴行されたりするけど、日本のそれは戦闘員つまり武士
同士の戦いであってこの時代も民間人を殺傷するものじゃない。
当然他国の民間人でもね。これが文化の違いやから南京大虐殺など中国の
歴史史観でもの言っている。
だから南京大虐殺等中国側の捏造ということがばればれよね」
一花「確かに本当にそうですよね。
それで満州民族は元いた時代で人権問題はあったんですか?」
晃司「今まであの時代にいた所、それは聞かなかったけど俺らがいた時代も日本
本土を防衛するためには満州がいると言う事が定説になっていたからね。
終戦後の世界でダグラス・マッカーサーは日本を占領してみてそれが
わかったというね。
だから朝鮮戦争が起きた。
まあ北朝鮮側が韓国側に攻め込んだのが発端やけどね。
なのでそのためにもあの時代以降も満州を中国共産党から解放しなければ
ならなかった」
一花「なら朝鮮半島もそうなりますよね」
晃司「まああんまり朝鮮半島は相手にしないほうがいいけど、中国共産党が技術力、
経済力そして軍事力を増大させて台湾はもとより、日本をおびやかしてきてた
から仕方ないかな」
一花「それらの場合国際法が問題になってきますね」
晃司「確かにね。ただチャイナや他の共産圏の国家が第二次世界大戦後世界的には
認められていない侵略行為をしたわけで、これを元通りに戻すことは
実質可能と考えることが出来ると思うけどね」
一花「難しい所ですね」
晃司「明確には民間でやけど大日本帝国憲法の復元という声もあがってたね」
一花「それが出来たら苦労はないですよね。
でも今私たちがいるここが大日本帝国憲法下の日本ですよね。
先輩はこの世界を何とかしなければならないと考えてられると思いますが、
この時代で勉強出来る機会があればいいですが、そんなこと言って
られませんか」
晃司「そんな機会を作りたいものやね。それにこの時代の日本の政府や陸海軍の
人間たちが皆ではないにしても我々の学習した様な人たちでそんな国だった
のか実際に触れておくいい機会やね。
それに今日本はまだ大東亜戦争に負けたわけじゃない」
二人の会話はまだまだ続く。
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