通常兵器

《銃砲》


・前装式

銃口から火薬と弾丸を入れる方式の銃砲。火縄銃などはこれに該当する。装填に非常に時間がかかることが最大の弱点である。とは言え敵も味方もこれを使っている以上、差はない。


・火縄式(マッチロック式)

火縄銃のこと。予め火を着けた火縄を用意し、それを使って火薬に点火、発砲する。雨が降っていると使えないことが最大の弱点。


燧石式すいせきしき(プリントロック式)

火打石を叩いて火花を起こし、それによって火薬に点火し弾丸を飛ばす形式の銃。マッチロック式と比べ、悪天候には強くなったが、不発が多いことが欠点。


・雷管

叩くと火花が出て火薬に着火する装置。これ以前の着火装置である火縄には雨天時に使えないという欠点があったが、雷管はその欠点を克服した。


・管打式(パーカッションロック式)

雷管を使う形式の前装銃。発砲の度に雷管を取り付ける必要がある。フリントロック式と比べ、天候は問題とならなくなり、不発も大幅に減った。


・施条(ライフリング)

銃砲身にある螺旋状の溝。弾丸、砲弾を中で回転させ、弾道を安定させると同時に射程を伸ばす。職人技としてなら火縄銃の時代から存在するが、大量生産が可能なのは産業革命を成し遂げたゲルマニアのみである。


・薬室

銃砲の末端で火薬を閉じ込めておく場所。ここで火薬に着火し、その圧力によって弾丸を飛ばす。


・拳銃、小銃

概ね、片手で扱える銃が拳銃で、両手で扱うべき長い銃が小銃である。拳銃は短銃ともいう。


・拳銃弾、小銃弾

拳銃弾は片手でも反動に耐えられるように小さく、小銃弾は銃を支えながら両手で使うことが前提の大きな弾丸である。


・回転式拳銃、回転式小銃

複数の回転する薬室を持ち、連発を可能にした銃。後世の銃と比べれば、構造が簡単で堅牢、火薬量をある程度調整することが可能で、故障が少ないという利点がある。欠点は薬室の弾を全て撃ち切った後の再装填に時間がかかることである。回転式拳銃は一般にリボルバーとして有名である。回転式小銃が全然有名でないのは、発射の際に前方に吹き出す燃焼ガスが銃身に添えた手に当たるという問題を解決出来なかったからである。



注:本章のこれより下の概念はシグルズの頭の中にしかない。


・実包

火薬、弾丸、雷管が一纏めになったもの。それらをバラバラに入れるのと比べ、装填を容易にする。


・薬莢

実包の一番外側のケース状のもの。弾を発射した後に残る、いわば脱け殻である。これを捨てることを廃莢という。映画とかで銃の横からバラバラ出てくるやつ。


・後装式

実包を後ろから装填する形式の銃砲。前装式と比べ装填が圧倒的に早い。現代の銃砲はほぼ全てこれに該当する。迫撃砲などに例外あり。


・鎖閂式(ボルトアクション式)

薬室を閉鎖する遊底(ボルト)を人力で操作し、装填、廃莢を手動で行う。構造が単純で堅牢という利点があるが、自動小銃と比べると連射速度に難あり。


・自動拳銃

引き金を引く度に発射、廃莢、装填を次々と自動に行ってくれる拳銃。引き金を引いている間に弾を撃ち続けるものもあり、それは速射拳銃(マシンピストル)と呼ばれる。リボルバーと比べ、装弾数が多く再装填が早い(弾倉を取り替えるだけ)という圧倒的な利点がある。欠点は専用弾以外を使うと動作しなくなることである。


・機関短銃(サブマシンガン)

拳銃弾を全自動で連射する銃。接近戦で威力を発揮する。マシンピストルとの違いは片手で扱うべきではないことであるが、両者の違いを明確に定義することは困難である。発明したのはドイツ帝国。


・自動小銃

引き金を引く度に発射、廃莢、装填を次々と自動に行ってくれるものを半自動小銃。引き金を引いている間に弾が出続けるものを全自動小銃という。利点、欠点は自動拳銃と同様である。


・突撃銃(アサルトライフル)

全自動小銃の中でも、拳銃弾と小銃弾の中間の大きさである中間弾薬を使う銃。人間でも普通に耐えられる反動とそこそこの威力、射程を両立させた。現代の歩兵の主力兵器。発明したのはナチスドイツで、命名したのは一説にはヒトラー。


・速射銃(バトルライフル)

全自動小銃の中でも小銃弾を使う銃。反動が大き過ぎて、手で抱えた状態でははっきり言って全自動射撃は無理。主に半自動小銃として運用される。


・狙撃銃

狙撃に使う銃。小銃弾を用い、精密さを求めて鎖閂式が採用される場合が多い。


・対物小銃(対物ライフル)

小銃弾より強力な大口径の弾丸を用いる銃。狙撃銃的に運用される。人間に当たった日には粉々に消し飛ぶ。


・機関銃

小銃弾かそれより大口径の弾を凄まじい密度でばらまく銃。基本的には地面に置いて使われる。


・機関砲

砲弾を機関銃のごとく連射する火砲。主に対空兵器として使われる。


・駐退機

大砲を撃った時、反動を砲身の後退のみで受け止め、大砲本体を動かさないようにする装置。これによって大砲の連射速度が格段に向上した。


《船》


・ガレオン船

ゲルマニアを除く西方の主力艦艇。帆船である。全長25パッスス(40メートル)程度と大して大きくはない。速度に優れるなどの利点はあるが、軍艦としては少々頼りない。


・安宅船

大八洲の主力艦艇。帆船と櫂を動力とする。大きさはガレオン船と同じくらいだが、速度を犠牲にした非常な重武装がなされているという違いがある。かつては内海でのみ使われていたが、近年は外洋航行能力も備えている。


・戦列艦

ガレオン船を大型化させたもの。50門以上の大砲を装備するものを指す。量産し配備しているのはゲルマニアのみである。


・甲鉄戦艦

蒸気機関を動力とする木造船の表面に金属製の装甲板を取り付けたもの。耐久力は無論、戦列艦に遥かに優る。非常に高額な為、ゲルマニアでも10隻程度しか運用されていない。またガラティア帝国に輸出されていたりもする。地球の歴史と比較した時、銃砲と比べて技術が進んでいるのは、大昔から魔導士による対艦攻撃が猛威を振るっていたからである。


・戦艦

シグルズの記憶の中にある、完全に鋼鉄のみで造られた戦闘艦。これさえあればどんな国の海軍も雑魚同然になる筈なのだ。


《飛行機械》


・飛行船

水素やヘリウムを詰め込んだ浮き袋にゴンドラを吊り下げ、人や物資を宙に浮かせる乗り物。空を長時間、安定して飛ぶ飛行機械は、現状これしかない。



注:本章のこれより下の概念はシグルズの頭の中にしかない。


・戦闘機

圧倒的な速度と機関銃の火力で五百人隊コホルス級魔導士など消し炭に出来る筈。もっとも、この世界には飛行機すら存在しない訳だが。


・弾道弾

つまりは弾道ミサイル。遥か彼方の都市を絶対安全に爆撃することが出来、敵は恐怖のどん底に叩き落とされる。発明したのはナチスドイツで、ナチスドイツがなかったら人類は未だに月に飛べていないかも知れない。


《自走機械》


・蒸気機関車

蒸気機関によって鉄道上を高速で移動する車両。様々な目的に使えるが、兵員や兵器の迅速な輸送に使う場合、それは立派な兵器と呼べよう。


・兵員輸送車

その名の通り、鉄道網の行き届いていない地域で兵員を展開する為の自動車。ゲルマニアで構想はされているが、十分な性能を持ったものは開発されていない。



注:本章のこれより下の概念はシグルズの頭の中にしかない。


・戦車

鋼鉄の装甲と機関砲で武装した巨大な自動車。魔導士の攻撃を無力化し、逆に魔導装甲を吹き飛ばせる筈。しかしまずは高出力で小型のエンジンを開発せねばならない。


・機甲部隊

兵員輸送車と戦車で完全に自動車化した部隊。圧倒的な機動力と火力で敵を蹂躙するであろう。


・装甲列車

機関車やその他の車両に装甲を施し、様々な銃砲を搭載したもの。戦車よりは実現可能性が高いと思われる。

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