政
[世界]
・ACU
かつて地中海沿岸全域を支配した古代の超大国——レモラ帝国の首都レモラが建設された年を元年とする紀年法。レモラという名は伝説上の初代国王レムスに由来するとされる。
・世界度量衡委員会
全世界の度量衡を統一すべく、各国の学者が結集した組織。本部は大八洲の
・魔法革命
始原の魔女イズーナが現れて以来、高位魔導士——武士の数が全世界で数十倍に増加した。これ以降、魔法は絶対的な武力として国際政治を振り回すこととなる。
・イウヌ条約
正式名称、宣戦布告及び俘虜に関する条約。戦争に際し、宣戦布告、俘虜の生命を保証することを義務付ける。大国は軒並み批准している。
・ブルークゼーレ条約
正式名称、法に関する条約。法律は適正な権威を持った主権者のみが制定出来ること、法の遡及適用の禁止を定める。こちらも大国は軒並み批准している。
[神聖ゲルマニア帝国]
・皇帝
グンテルブルク国王がゲルマニア皇帝を兼ねる。帝国の全ての国王、辺境伯、大公、公爵の君主である。しかし実権はあまりなく、儀礼的な存在として扱われている。
・産業革命
ACU2170年頃、ジェームズ・ワットという天才が、蒸気の圧力を回転運動に変換する実用的な方法を発明した。以後、ゲルマニアはこの蒸気機関を独占し、世界で唯一産業革命を成し遂げた国家となった。もっとも、その技術は周囲に徐々に漏れ出してきている。
・社会革命党
ACU2257年発足。その名の通り非効率な社会の変革を目指している急進政党。アウグスト・ヒンケルが総裁となって以降着々と勢力を伸ばし、ACU2293年には帝国議会第一党の地位を獲得した。
・神聖同盟
ACU2273年にゲルマニア、ルシタニア、ブリタンニアが結んだ軍事同盟。加盟国が攻撃を受けた場合、他の国は共同で防衛に当たる義務を負う。
・大北方戦争
ACU2280年に起こった、スカディナウィア半島(スカンジナビア半島)の諸国との大戦争。これに大勝利したゲルマニアは、スカディナウィア半島を全面的に自国に組み込み、国土を大幅に拡大することに成功した。
・帝国議会
帝国の全ての臣民に被選挙権を与えた議会。主に庶民の権益を代表する。帝国参議院と同等の権限を持っている。
・帝国参議院
帝国構成各国の代表団による議会。世襲貴族の権益を代表する。
・貴族制度
ゲルマニアでは爵位が投げ売りされている。それは爵位そのものよりも血統が重視されることに繋がった。
・参謀本部
ゲルマニアにのみある組織。貴族と軍部を完全に分離する為、皇帝に直属する。もっとも、完全にその目的が達成されたとは言い難い。
・帝国第一造兵廠
新兵器の研究開発を行う変人の巣窟。
・帝国第二造兵廠
帝国最大の造兵廠であり、帝国の兵器生産量の4割を占め、他の造兵廠の統括も行っている。なお、ゲルマニアでは民間企業に兵器の生産を委託、発注することはない。
・師団
およそ15,000名で構成される単位。ゲルマニアではこれを基本単位として戦略、戦術を組み立てる。
・軍
複数の師団を纏め運用する時の単位。
・方面軍
ゲルマニアでは陸軍を東部、南部、西部の3つの方面軍に分けて運用している。
・大洋艦隊
ゲルマニア海軍の艦艇の殆どが属する艦隊。アトランティス洋や北海に展開する。
・フォン
「~の」という意味のゲルマニア語の助詞であり、人名に含まれる場合はその者が貴族であることを示す。
[ヴェステンラント合州国]
・始原の魔女
イズーナ・ロベールのこと。突然力に目覚めた彼女とその郎等は、諸外国に対し独立戦争を仕掛けた。独立戦争中に戦死し、その志は彼女の子供たちに託された。
・王家
始原の魔女イズーナに連なる者たちである。現在、7つの大公家に分かれている。その成員は皆、ケントゥリア級以上の高位魔導士——魔女である。
・国王
7つの大公家のうち、いずれかの当主——大公が合州国国王を務める。摂政を置いて政治を任せることも可能である。
・五大二天の魔女
王家の中でも規格外の力を持ったレギオー級の7人の魔女。陰、陽、赤、黒、青、白、黄の魔女がいる。それぞれ闇、光、火、水、木、金、土の魔法を司る。各々の大公家の長女が常に継承する。長女以外にはその力が現れないことが知られている。
・七公
王家を構成する七つの大公家から1人ずつ選出される大公。陰公、陽公、赤公、黒公、青公、白公、黄公がいる。五大二天の魔女と同一人物のことも、そうでないこともある。
・七公会議
王都ルテティア・ノヴァのノフペテン宮殿で開かれる七公による円卓の会議。合州国全体の政策は全てここで決定される。七公以外にも参考人や顧問が出席することが可能である。
・ファン
ゲルマニア語のフォンと意味は同じ。多様な言語の存在するヴェステンラントで爵位号を統一する際にこれが採用された。
・ド
王家の人間のみが持つ称号。元はルシタニア語の助詞である。7つの大公家は3つの氏族に分類され、それを示す。3つの氏族はイズーナの3人の娘に由来する。なお、イズーナにはもう1人息子がいたが、それが除外された理由は不明。
・ヴェステンラント独立戦争
ACU2210年、ヴェステンラント大陸(南北アメリカ大陸)を植民地としていたゲルマニア、ルシタニア、ブリタンニア、大八洲に対し、イズーナ率いる魔女たちが独立戦争を起こし、独立を勝ち取った。
・テノチティトラン条約
ACU2212年に新生ヴェステンラント合州国と旧大陸諸国との間で結ばれた条約。諸国はヴェステンラント合州国の完全な独立を承認し、合州国は始原の魔女イズーナの心臓の欠片を全て譲渡した。
・植民地
世界で大々的な植民地を有しているのはヴェステンラントのみである。かつては植民地支配に反対した国がその先鋒となっているのは皮肉だ。
[大八洲皇國]
・
遥か昔に降臨した神の末裔。大八洲の絶対的支配者である。しかしその実権を自ら行使することは殆どない。皇御孫命、帝、天子、主上など、様々に呼ばれる。
・武士
「魔導士」に対応する語句でもあるが、「貴族」ともある程度対応する語句である。その違いは、大八洲の巨大な人口から世襲の武人のみによって軍団を形成することが可能なことより生じる。
・公家
こちらは純粋に「貴族」に対応しよう。しかしながら、西方の貴族のように自らの所領を有することはない。皇御孫命に直接仕えている。
・征夷大將軍
中國管領上杉家が世襲する武家の棟梁の位。皇御孫命によって任命される、大八洲の実質的な支配者である。大八洲で最大の圧倒的な領国、軍事力を持つ。
・中國
上杉家の世襲する、
・
イズーナとほぼ同時に、長尾少外記綾という少女が鬼道の尋常ならざる力に目覚めた。その末裔が高天巫女であり、長尾家の長女と次女がその力を持つ。上杉家に協力し、天下一統を成し遂げた。
・左侍大將
長尾家の長女——
・右侍大將
長尾家の次女——
・玄武隊、朱雀隊、靑龍隊、白虎隊
大八洲の四方に上杉家が有する天領に駐屯し、周辺の大名の監視、国防を担当する部隊。
・大名
各々の領国を支配する武士。征夷大將軍の臣下ではあるが、自らの領国内では絶対的な権力を持つ。
・
およそ500人で構成される部隊。編制の基本である。
・手
複数の備を纏め、およそ3,500人で構成される部隊。ゲルマニアの師団と同じように運用される戦略単位。
・内地、外地
古代の昔より八洲人の土地であった秋津洲(本州)、蝦夷洲(北海道)、伊豫洲(四国)、筑紫洲(九州)、潮仙半嶋(朝鮮半島)などを内地。近年に征服した唐土、邁生群嶋(フィリピン)などを外地と呼ぶ。
・守護、太守
内地の国主を守護、外地の国主を太守と称する。
[ガラティア帝国]
・シャーハン・シャー
諸王の王を意味する。巨大な同君連合であるガラティア帝国では同一人物が全ての構成国の国王である訳だが、更に帝国全体に対する君主の人格としてこれが制定された。
・サトラップ
総督のこと。国王の代理として、シャーハン・シャーの本領を除く全ての構成国に配置される。
・ベイ
軍の司令官のこと。それが指す地位は曖昧である。
・ベイレルベイ
司令官の中の司令官を意味する。方面軍の司令官に相当。西方と東方のベイレルベイがそれぞれ存在する。
・北ヌミディア(北アフリカ)大同盟
ACU2213年締結。ガラティア帝国とヌミディア大陸北部のアクスム王国、アルガーナ王国との永続同盟である。
・独立運動
急速に拡大したガラティアでは、各地で独立運動が盛んである。特に文化圏が全く違うレモラ王国でのそれは激しい。
・イラン
今こそイランはガラティア帝国の一部に過ぎないが、かつては弱小であったガラティアのパトロンであった。その為、ガラティアはイランに大きな影響を受けている。
[その他の国]
・北ルシタニア、南ルシタニア
ルシタニア王国はルシタニア国王を頂点とする絶対王政を敷くが、その実は北ルシタニア(大体フランス)と南ルシタニア(大体スペインとポルトガル)の同君連合のような形になっている。北と南では言語や文化に相当な差違がある。一般にルシタニア語というと北ルシタニア語を指す。
・レモラ帝国
ビタリ半島(イタリア半島)の都市国家に過ぎなかったレモラは、数百年をかけて地中海沿岸の全域からブリタンニア島(グレートブリテン島)、ハビラ半島(アラビア半島)に至る広大な帝国を造り上げた。しかし余りにも広大な帝国を維持することは能わず、レモラの大分裂によって自然消滅した。
・エウロパ=レモラ帝国
レモラ帝国の大分裂、帝権の廃止後、現在のルシタニアやスカディナウィア半島を除いたゲルマニアに相当する地域に、名目上レモラ帝国が復活した。これをエウロパ=レモラ帝国と呼ぶ。しかしながらこれもすぐに分裂し、ルシタニアとゲルマニアの元となった。
・レモラ帝国、レモラ王国
レモラ王国の人間は自分たちがレモラ帝国の後裔であり、世界最古の国家であると自称しているが、レモラ帝国とレモラ王国に直接の政治的繋がりはない。
・戦時首都
ダキア大公国に存在する特殊な制度。本来の首都キーイは余りにもゲルマニアとの国境に近過ぎる為、同国との戦争時には首都機能を後方のメレンに移すこととなっている。
・軍団
およそ5,000名で構成される部隊。ダキア、ルシタニア、ブリタンニアにおいて基本となる単位である。
・反機械化運動
ゲルマニア周辺で頻発する、自動化によって職を奪われた、奪われる虞のある人々や軍人による反対運動。酷い時にはテロにまで発展する。
《宗教》
・オージン
ゲルマニア神話において主神とされる神。
・ユーピテル
ブリタンニア、ルシタニア、レモラの神話において主神とされる神。
・ツァラトスト教
イラン発祥のガラティア帝国において広く信仰される宗教。
・アフラ・マズダー
ツァラトスト教における主神。
・ハリストス教
かつてはエウロパで広く信仰されていたが、レモラ帝国の崩壊と共に立ち消え、今やダキアで僅かに信仰されるのみとなった宗教。
・イイスス・ハリストス
ハルストス教の教祖とされる人物。
・
大八洲において広く信仰される宗教。但し明確な教典などは存在せず、曖昧な民間信仰が集まったようなものである。また諸外国の神を吸収することで古代とはその姿を大きく変えている。
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