18 しんかいのくびながりゅう
ほろびたと思われているようだけれど
ボクはここにいるよ
ここはふかいうみのそこ
おひさまの光はあんまりとどかない
ぐんじょういろよりももっとくらい
だからボクはずっとねむっていたんだ
ずっとゆめを見ていたんだよ
とてもすてきなゆめ
あたたかくて
とうめいで
ゆらゆらして
にぎやかで
たのしくて
きれいで
それからおいしいたべもの
ぼくはきづいたらひとりになっていたんだよ
たくさんよんでもへんじがなかった
だからボクはうみのそこにもぐったよ
ひとりでうかんでいるのはいやだったんだ
さみしいきもちを小さくかためて
それをオモリにしたんだよ
みんなはどこにいったんだろう
いつかまたボクをよんでくれるのかな
とうさんと
かあさんと
にいちゃんと
ねえちゃんと
じいちゃんと
ばあちゃん
それからともだちいっぱい
ボクはさすがにおなかがすいて目をあけた
イカやタコがいたからたべた
かわいそうだけどやわらくておいしかった
ボクはすこしげんきがでてきた
オモリはうみのそこにしずめたままで
ボクはうきあがってみることにした
ぐんじょういろがすこしずつうすくなって
きらきらみずのおもてがみえてきた
どきどきして
すこしこわい
わくわくして
すこしたのしみ
おひさまと
おつきさま
それからかみさまにあいに
(2021/02/25)
**************
日付が変わって深夜になって、ふと、深海でひとりぼっちで眠る首長竜のイメージが頭に浮かんだので、寝るのをやめて詩に書きました。
首長竜の気持ちになったら、いつの間にか、ひらがなになりました。
首長竜の気持ちが悲しくて寂しくて、涙が出てきてしまいました。
いつか、この詩を、絵本にしたいな……なんて。
首長竜は目を覚まして浮かんでいったけれど、私は詩を書きおえて安心して眠りました。
詩集「空と星と海への呟き」 宵野暁未 Akimi Shouno @natuha
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