13 私の魂は

私の魂は虚空の彼方

まばゆき太陽の昼の

蒼空の果つるところ

青白き皓月こうげつの夜の

星空の始まる処



地球の引力が

半ば解き放ち半ば引き留める

私はあの銀色の月


星の宇宙うみ

流転の潮目に抱かれる

私は漕ぎ出す宇宙船ふね



太古から其処に在った魂の源流

そらに漂い

天泣てんきゅうとなって降り注ぎ

うみに溶け

時間ときの狭間を巡り

私へと帰結した


それは38億年前に生まれたのか

46億年前に既に存在していたのか

宇宙開闢ビッグ・バンにより生まれ出たのか


星の時計が刻む

暗黒の外縁リムで絶対零度に氷結した時間

光冠コロナに縁取られたコアで灼熱に融合した時間


生命いのちの時計に移ろう

海底に沸き生まれる熱水噴出孔生物

砂漠の陽光に屍を曝す陸上生物


私はただ見つめるだけ

時間ときほどけて飛散しようと

生命いのちとどまり結晶しようと



私の魂は虚空の彼方

眩き太陽の昼の

蒼空の果つる処

青白き皓月こうげつの夜の

星空の始まる処


  (2002 H14年 8月)の改作

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る