10 有 明《ありあけ》

細い銀の弓が

霞んだ空に浮かび


彼方の薄墨の雲に

微かなくれないして


その光は

ただ銀色に波紋する


途切れそうな光の弦震わせて

銀の雨が降る


静かな前奏曲プレリュード奏でながら

暁は銀色に光る


 (1999 H11年 10月)


**************

意に沿わない転勤を強いられた年、予想はしていたけれど、それを上回る苦労の連続に、失声症も発症。

2週間ほど全く声が出ませんでした。

眠れずに夜明けを迎えてしまい、ふと窓の外を見ると、小雨の中に細い月が出ていました。

その時に書いた詩です。


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