若者は真珠採り

海に潜って真珠を探す

真珠は眠る貝の中

貝は入り江の珊瑚の陰に

海は歌う子守唄

貝はゆらゆら揺りかごに

真珠をいざなう微睡（まどろ）みへ

まだ見ぬ朝（あした）の夢見せる

朝（あした）の夢はまだ見ぬ恋人

微睡みの夢から覚めるまで

貝に守られ真珠は眠る

眠りの果ての目覚めの朝に

小さな欠伸（あくび）をひとつして

貝の中から身を起こす

見つめる瞳が微笑みかける

恋人は真珠採り

　（1989 H1/12月）の改作

　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

　いつか誰かが見つけてくれるかな、そんな想いで書いた昔の詩。

　今に至るも誰にも見つけられず、貝の中でひっそりと文章を綴っております。

　書いた当時に少し気に入らない部分があったけれど、語順と言葉を少しだけ修正して、ちょっとだけ良くなった気がしています。

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい