第23話 [passed away...]
第23話 [passed away...]
mille@system : date
mille@system : august 29th 20xx...
夏休みもあとすこし..という8月の終り。
陽射しもどことなく和らいで。
遅い朝、木蔭を爽やかな風がふきぬける。
でも、どこか遠くに蝉の声も。
ちょっと前までは、あんなににぎやかだった蝉の声も
いつのまにか.. ちょっと、淋しく。
そんなふうに、いつものように夏は過ぎようとしている。
そして、いつものように...
「......ええ、と...。」
開かれた窓から初秋を思わせる風、レースのカーテンを揺らす。
自分の部屋でmilleはひとり、お勉強。
(...と、いうよりも、宿題^^;)
窓に面した机には、参考書とか教科書の類い。
机に向っているmilleの右手には鉛筆。
.. しかし、さっきから動いてはいない。
見慣れない記号と数字、僅かにそれと分かるのは=とかーとかの記号
どうやら数学の問題を解いているようだ。
.......ええ、と..^^;
......ここが、こうだから、...
「ふう。」
ちょっとひとやすみ。
.... やっぱり、ひとりだと...
..去年までは、ひろゆきさんが教えてくださって...けど。
学校が違ってしまうと、会う機会も減って。
ちょっと.....
と、いうふうに、はかどらない宿題。
顔をあげると、まだ夏の面影を残す陽射しが、梢の木の葉に跳ねて。
きらきら、と。
.... 夏.......。
なつやすみ、も...
あと少しで、終わる。
高校生の夏も、これで最後。
....なに、か....。
思い出...を。
作りたい、な。
そんなふうに、ぼんやり考えている。
カーテンがゆらゆら、とゆれて。
「早く、おいでよ! 夏、終わっちゃうよ!」
と、誘ってるみたいに。
窓越しの青空も、どこか深い蒼になってきて.....
「.....。」
少し高くなってきた空に、夏の名残りのような綿雲。
「.....。」
milleは受話器を取って、ダイアル。
call.....2回、3回....。
ちょっと、緊張....。
「あ、もしもし..藤田さんの......。」
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テレフォン・ラインの向う。
浩之は、二階の自分の部屋で遅い朝(?)。惰眠からようやく目覚めたばかり。
窓を開け、ねぼけまなこで住宅街の家並みをぼんやりと眺めるでもなく。
風にあたっていた。
..RRRR..。
電話のベルが鳴った。
ワイアレスの電話器が、机の上に転がっている。
「誰だ..こんな朝っぱらから...。」-------(もう昼だぞ)^^;
それでも、一応は寝起きでないように繕って......
「はい、藤田。」
----あの、藤田さんのお宅でしょうか...。
聞き慣れた女の子の声が受話器から。
浩之は、表情を和らげ、声も優しく。
「おお、milleか、元気にしてるか?。」
----はい、あの、お目覚めでしたか...?。
浩之はどっきり。
「あ、..ああ、もちろん。もう起きてたさ。じき昼だしな。」--(うそつけ。)^^;
----そうですか、よかったです。.. おやすみ中でなくて。
可憐な声。
「..... ところで、どうしたんだ、急に電話なんて...
宿題でわかんないとこでもあるのか...?。」
と、浩之は去年と同じように。
---は、はい。宿題も...。
と、milleはちょっと、あわて気味の声。
「.....?...そうか、んじゃ、俺でよかったら教えてやるよ。
時間、あるか...?。」
---は、はい、あの...数学の問題で....。
「おお、数学は俺、割と得意だったんだ。どんな問題だ....?。」
milleは数学の問題の内容を話す。
「ああ、それ、去年と同じ問題だよ、それは...。」
と、浩之は問題の解き方を簡単に教えた。
----ああ!そうだったんですか!すごいですね、ひろゆきさん。
弾けたような口調になって、mille。
浩之は、ちょっと微笑みながら...。
「いやぁ、去年やってるからできてあたりまえだよ、そんなの。」
と、照れかくし。
----それでもすごいです。わたしなんて、去年やってたところも、ろくに,,,
と、mille。
浩之は何故か突然、さっきのmilleの語調を思い出した。
....宿題、"も"...。
...そういや、ここんとこずっと...
...夏休みも終りだもんな....
「 .......。」ちょっと、考える。
テレフォン・ラインに秒の静寂。
-----あの、ひろゆきさん...?
milleが心配声で。
「おお、わりぃ。..........あのさ、milleさ...。」
----はい、なんでしょう...?。
「宿題、終わりそうか...?。」
---は、はい、おかげさまで。今日中には..。
と、milleは返す。
「じゃあ、さ...。」と浩之。
----はい?
「明日さ、どっか行かないか?もう夏休みも終りだし。
どうだ、都合?。」
と。浩之。
----...はい!....あ、でも...
「なんだ?」
----ひろゆきさんも、おいそがしいのでは..ないですか?
「あぁ、へいきだよ、こっちはまだ9月の半ばまで休みだしな。」
と、浩之はあいかわらず、のんびりと。
「だから、いこうぜ、な。」
----はい!おともします。..
「ああ、じゃ明日な。朝10時でいいか、いつもんとこ。」
---はい。
「じゃな、宿題、がんばれよ。」
--はい、あの、ありがとうございました。
「おお、じゃな。」
浩之は、ラインを切った。
.....去年の今頃は宿題で..大変だったよな.
ああ、お気楽大学生^^;;;
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mille console login : root
# date
# august 30th 20xx
ふたりを乗せた旧式な電車は,緑の多い丘の合間を駆けぬけて。
朝のさわやかな風が、開かれた窓辺から。
金属のレールの感触は、シートのばねが正確に伝えて。
カタン、カタン....タタン....
いつも乗りなれているLRTとはまったく違う感覚にmilleは喜ぶ。
「あの、ひろゆきさん、この電車..。」
「ん?。」
「なんとなく、可愛いです...いっしょうけんめいで....。」
「はは、そうだな。いつものLRTはなんか宇宙船みたいだよな
こいつと比べると。」
機械が、機械らしくあった頃。
人間は機械を慈しみ、愛した。
時には物体という意識を超えて。
蒸気機関車、自動車、電車。
ひとびとははるか昔から「機械」を愛でてきたのだ.....。
「あ、ひろゆきさん、海、見えてきましたよ....! 。」
穏やかなカーブの鉄路の向こう。
入り江と浜辺、行方に岬。
夏のような綿雲、もくもく。
でも、ちょっと蒼いそら、深く。
渡る風、ちょっと涼しい初秋の朝は、すがすがしく。
「.....ああ、ほんとだ.....。」
ふたりしか乗っていないこの車両。
開けられた窓から、潮の香り。
緩いカーヴを曲がって、電車はブレーキを掛けた。
単線の線路が二つに分かれて、その間にプラット・ホーム。
駅。
「さ、ついたぞmille。」
「あ、はい。」
milleは、半袖の夏服に、つばひろ帽子。
手には、ちいさなバスケットを持って。
電車はゆっくり停止し、ドアががらり、とばね仕掛けのように。
どことなく、有機的なイメージのする動き。
ホームが低く、電車との間に段差がある。
浩之は、milleの手を取って。
「気をつけろよ..低いぞ。」
「あ...すみません...。」
エスコートされるのが恥ずかしいのか、milleはちょっと、下向いて。
よいしょ、っとホームに下りると、電車の方に振り返った。
「........。」
長い年月を走り続けた、鋼鉄のボディはあちこち、でこぼこ。
それでもきれいに整備されて、塗装が滑らかに。
milleは、そのボディにそっと、指を触れて。
....がんばって、ください、ね....。
と、にっこりと。
....かたかたかた....。
エア・コンプレッサが動作した。
milleの呼びかけに答え、旧い車両が笑っているようだ。
「.....(^^)...。」
mille、にっこり。
電車の最後尾で、その様子を白い手袋の車掌、にこにこと眺めている。
鉄道時計で時刻を確認し、指差喚呼。
ホイッスルを吹く。
mille、車両から離れる。と、ドアががらり、と閉じた。
電車は、ゆっくりと動き出した。
モーターの響き、ギアのうなり。ばねがゆっくりと縮む音。
それらが混ざりあった音は、milleの耳にはとても有機的に聞こえている。
ゆっくりと、車両が離れて行く。
ギアのうなりが大きくなり、遠ざかってゆく。
「いっちゃっ、た.....。」
milleは、電車のテール・ランプがカーヴを曲がってゆくまで見送った。
浩之は、その様子をじっと見守っていたが...
milleは、振り返り...,
「あ、すみません、おまたせしちゃいました。」
浩之は、にんまりと笑い、
「ん、いやぁ、いいんだけどさ、milleって、電車が好きなんだ?。」
と、ちょっと意外そうに。
「あ、いいえ、ただ..そのぉ....。」
milleは、言葉を選んでいたが、表現をあきらめた。
「ふーん...」
浩之は、ま、いっか、という感じの口ぶりで、遠い青空と水平線をぼんやり、と。
田舎の駅は、閑散として。
ホーム沿いに小さな駅舎、初老の駅員、のんびりと切符売り場で。
ふたりが降りていっても、改札に出てくるでもなく、ただ見守っている。
改札口には空き缶が置いてあり、「切符はこちらへ」。と。
「のんびりしてるな....。」
「そぅ...ですね...。」
駅前は小さな広場。
土道が、まっすぐに海岸へ。
路地の合間に、切り取られた風景写真のように海と空が青く。
緩やかな下り坂を歩くと、土の柔らかい感触が伝わる。
milleは、こまかいでこぼこのある道に最初ちょっとなじめなかったが、
すぐに慣れ、あたりを見回す余裕も出来た..と。
「!あッ.....。」
急に、足もとになにか引っ掛かった。
「ほれ。、大丈夫か?。」
すぐそばにいた浩之が、ひょい、と支えてくれたので転倒は免れた...が。
かぶっていた帽子、ころころ。
坂を転がってゆく。
「あ、まってくださぁい...!。」
「あ、おい、走ると転ぶぞ.....。」
milleは、懸命に走って帽子に追いつき、拾った。
でも....
帽子はちょっと、土がついて汚れてしまった。
「.........。」
ちょっと、涙目。
「どうしたんだ....?。」
浩之はすこし、驚いて。
「とても大切にしてたん..です。この..ぼうし...。」
と、彼女は。
「?...そうか...でも...。」
....あ...。
浩之は思いだした。
その帽子は、いつか浩之が買ってあげたものだった。
「ああ.....そうか。そんなに大切にしてくれて、ありがとうな。
うん、でもさ、洗えばきれいになるさ。な。」
と、浩之はにっこりと微笑んだ。
「はい....。」
milleは浩之の言葉に笑顔をとりもどす。
初秋の太陽が瞳に跳ねて、きらり、と光った...
・
・
・
海岸沿いの防波堤。
コンクリートのグレイ、砂、風に飛ばされてさらさら。
夏休みも終わりの海岸、もう、ひと影もすくなく。
サーフィンの若者たちが笑いながら行きすぎる。
波、すこし白い波頭。
渚、よせてはかえし。
「わぁ〜(^^)...うふふっ....広いんですね...とっても.。」
milleは、はじめて見る海の広さを素直に喜んでいる。
「あ、鳥さんが、あんなにたくさん.....。」
沖のほうには、かもめが群れて飛んでいて。
波間にも、揺れている...
「なんだ、mille。海、見たことなかったのか....あ!。」
浩之は、突然。
「どうか、なさったのですか?。」
と、milleはちょっと驚いて、振り返る。
「milleさ、その...潮風って、大丈夫なのか?。」
ちょっと、心配して、浩之。
「あ、そのことでしたら...おとうさんも、『大丈夫だ。』と言っていましたので....。」
「ああ、そか。良かった、俺、すっかり忘れてたよ。ごめんごめん。」
と浩之は、安堵の表情で笑う。
「....いつも、ありがとうございます..おきづかい、いただきまして。」
と、milleはにっこりと。
「......。うん..。」
浩之は、ちょっと気になった。
milleが"境界"を意識しないか、と。
彼は、、milleの様子を見た。
milleは、いつものように屈託なく笑っている.....。
......俺、気にしすぎ、かな....。
「さ、あっちの岬の方へいってみようぜ。」
浩之の指差した方、海岸線が緩やかにカーヴし、ちいさな半島に。
「はい!。」(^^)
milleは、にっこりと笑った。
.....やっぱ、気にしすぎ、かな。
と、浩之は心の中でつぶやいた。
・
・
・
・
楽しい時は、「あっと」いう間に過ぎて。
(どうして?と、思うけど...)
もう、ひざしは傾いて。
遠く、水平線の夕日、空と海とをオレンジに染めて。
海風、凪いで。
ちょっと、おだやか、たそがれ時に。
ふたり、砂浜を戻って。
海沿いの秋は、ちょと、うらさびし...
ざく、ざく....
さく、さく.....
ふたつの足音が静かな浜に。
サーファーたちも、夕日を見ている...。
ひぐらしの声、高く、遠く...
「疲れてないか?mille。」
「はい。だいじょうぶです....。」
milleは海の夕陽にまるい頬、染めながら。
ゆっくり歩き、駅に向かう坂道を登ろうとする頃には
たそがれは紫から蒼、藍と..
夜の香りを連れてくる。
駅前の小さな広場も、ひと気なく、ちょっと寂しい。
錆びた水銀灯が、瞬きながらあかりと点す...
駅に着き、改札の駅員から切符を買おう、と
浩之は....
「え!...もう、終電、出ちゃったんですか?。」
今朝の駅員、申し訳なさげにうなづく。
このあたりは田舎なので、他に移動手段はない、とも。
駅の時刻表にも、確かに過ぎた時刻が記されている。
がらんと空いた待ち合い室に、浩之は戻って。
「参ったな、電車行っちゃったってさ。...ま、夏休みだからいいけど。
mille、時間大丈夫か?。」
待ち合い室の木のベンチにちょこんと座ったmille、
「はい.......。」
ちょっと、落ち着かない様子。
「とりあえず、家に連絡しといた方がよさそう...。」
と、浩之は、mobile-telephoneをポケットから。
LCDの画面を見る..が。
「なんだ、ここ、通じないのか..。」
外の広場にテレフォン・ボックスがありましたね、とmille。
「ああ、そうか...俺はいいんだ。家には誰もいないから。
ほら、milleのお父さんが心配するか、と思って、さ。」
「そう..^^; ですね。それじゃ、ちょっとしつれいします。」
と、milleは、待ち合い室を出て、広場のテレフォン・ボックスへ...
・
・
・
・
「静か、だな...。」
「そう、です、ね....。」
それからしばらくして。
すでに、日はとっぷりと暮れて。
漆黒の闇があたりを包んでいる。
かすかに虫の声がする。
相変わらず、待ち合い室にはふたりきり。
浩之は、いろいろ帰る手段を考えてはみたものの
都会の常識、というものはまったく役にたたず....
結局、なしのつぶて、だった。
これから、どうするかな....。
と、浩之はちょっと気になった。
ことば少なくなった、milleの様子をそっと見た。
ちょっと、落ち着かない様子。
「どうしたんだ?mille?」
浩之は声を掛ける。
うつむいていたmilleは、はっ、と顔を上げた。
「すみません、ぼんやりしてました....。」
....なんとか、しなくちゃな....。
浩之は、さっきの駅員にもう一度聞いてみよう、と思い、
待ち合い室を出た。
もう照明が落とされた改札は暗く、事務室の明かりがまぶしい。
まだ残っていた駅員に、町に戻る方法がないか、と尋ねたが...
やはり無い、との返答。
意を決して、浩之は聞いてみた。
「あの.....。今夜...どこか....。」
・
・
・
・
がらんとした待ち合い室に、浩之は緊張の面持ちで戻ってきた。
milleが、心細そうにこちらを見た。
「ここ、もう閉めるそうだ。それで.....。」
「........。」
黙って、その言葉にうなづくmille。
「もう、今夜は町には戻れそうにはない、だ..だから..。」
「........。」
「さっきの駅員さんが、一晩泊めてくれる、って言ってるけど..。
どうする....?他に、泊まるところはないらしい、し...。」
「は、い...。」
milleは、うつむいたまま返答をした.....。
「お父さんに、連絡しといた方が....。『泊まる』って。」
と、浩之は、長瀬の事を気遣い....。
「そ、そうですね....。」
と、milleは静かに待ち合い室を出た....。
真っ暗な駅前広場、telephone-voxの明かりだけがぽつん、と。
ボックスの扉を開くと、きぃ、と軋み、微かの油の匂いがした。
受話器を耳に当て、コインを滑り込ませる。
コインの重みでスイッチが入り、ノイズ混じりのライン・レディの音。
緑色のダイアルを、ゆっくりと、確認しながら回す。
call.....
on-line.
「あ、もしもし...。」
----milleか?
長瀬の低い声、ちょっとトーンはいつもより高め、不安な様子。
「はい、お父さん?。」
----どうした?なにかあったのか...。
声がちょっと...いつもと違う。
「あの...。」
milleは、状況をぽつり、ぽつりと説明した。
---.........。
「おとうさん?。」
返答がない。
----あ、いや...その、藤田君は一緒なのか?
「はい...心配しないで、お父さん。駅長さんが親切な方で...。」
---そうか。その方には私からも御礼をしたいから...
連絡先を聞いておきなさい。
長瀬は、少し安心?したようで。
声のトーンがいつもの感じに近く。
「はい。それじゃ、おとうさん?涼しくなってきたから、
かぜ、ひかないように気をつけてね。」(^^)
---ああ、判った。mille、そばに藤田君はいるか?
「いえ...すこし.....。」
---そうか。じゃ、藤田君によろしく伝えておいてくれ。
「はい、あしたの朝には帰ります。おやすみなさい、お父さん」
---うむ。
秒の沈黙の後、ラインは途切れた。
.....ふう.....。
なんとなく、緊張。
それも、長瀬の心配が伝わってしまう、からなのだろうか。
受話器を下ろし、milleはボックスの窓越しの、
満天の星を仰いだ...
・
・
・
・
蒼白い月が、縁側から部屋を照らしている。
海風が松林を揺らし、さらさら、と音を立てて。
波のよせては返す音が、かすかに聞こえる。
古い日本建築の二階家。
その二階の部屋で、milleはひとり、ぼんやりと月明かりを
眺めていた。
「.............。」
眠ろう、としても....。」
.............。
・
・
・
・
同じ頃。
浩之は、さっきの駅員のはからいで....一階の部屋に。
....mille...もう、寝た、かな....。
ぼんやりとしていると、廊下の掛け時計が時を刻む音が聞こえて来て..
時折、半時を知らせたり。
なんとなく、落ち着かない....。
「...........。」
掛け時計が、二つ、鐘を打った...。
・
・
・
・
・
mille console login : system
password :
mille@system : date
mille@system : august 31th 20xx
mille@system : su
password :
# cd /var/cron/log
# tail -100 cronlog | awk '/august 30th/{print $0}' > /export/home/diary/830.log
# exit
mille@system :
.........
開かれた窓から秋の風、レースのカーテンを揺らして。
自分の部屋でmilleはひとり、お勉強......?
窓に面した机には、参考書とか教科書の類い。
机に向っているmilleの右手には鉛筆。
忙しく、動いていたり、消しゴムで消したり。
8月31日。
あしたから、学校だ。
しかし......。
今朝、小さな「旅」の思い出にひたりながら帰ってきた
mille.....
....を待っていたものは「手を付けないで忘れていた宿題」だった^^;
それで......。
・
・
・
・
・
・
「あう〜.....^^;;;;;。」
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