第22話 When you wish upon a star...



[第22話 When you wish upon a star...]



mille@system:date

mille@system : july 5th 20xx..


今日も、さりげなく夜が訪れる。

凪の海にも、風の里にも....


丘の上の研究所にも、夜のとばりが訪れる。

居住棟の長瀬の区画。

リヴィングのバルコニー。

彼は、(すこしほこりっぽい)天体望遠鏡を覗き込んでいる.....


「...............。」


雲台のレヴェラーを調節。


「..............。」



微妙に、バーニヤをずらす。



「.............。」



「ほら、mille、来てごらん?.....。」


長瀬は、優しく"娘"を呼ぶ.....





「はい、なんですか?。」

キッチンで何か片付けをしていた(夕食の後かな?)milleは、

胸当てのついたエプロン姿のまま。

大きな花の形のアップリケが、可愛らしく、良く似合いだ。



「ここを、のぞいてごらん?」



長瀬は、反射式望遠鏡の胴体についているファインダーを。



「ここ、ですか......?よく、みえないですぅ.....。」

milleは、両目を開いたまま、ファインダーをのぞく。(^^)



「(^^)mille、片目をつぶるんだよ。」

と、長瀬、微笑みながら。



「.......こう、ですか...?....あ、あれ?....」

milleは、ファインダーに接眼しているほうをつぶっている(^^)



「(^^;反対だよ、mille。」




「^^;;;; そ、そうですね....。あ!みえました!.......たくさん、きらきらひかってます...きれい...。」




「うむ、それは『星』だよ、mille。」


と、長瀬は冷静な声で。




「☆?.....おそらの、おほしさまですか...?。」

milleは、ファインダーから目を離し、長瀬の方を見上げて。



「うむ。たくさん光っているのが天の川。昔のひとは、それを川に見たてたんだな。

そう、もうじき七夕だな........。」



「あ、それ、志保さんに聞きました!運がいいってことですね?。」





「それはたなぼた。」(^^)

長瀬は笑う。




「たな、ばた、ですか....?」

milleは、大きな瞳をきょとん、と。




「7月7日、その天の川の両岸に二つの恒星が接近するように見えるんだが、

昔、こころ豊かなひとはそれを、離ればなれになっていた恋人の再会、と創造したんだな....。」

と、長瀬。



「.....どうして、はなればなれになったのですか?......。」

と、milleはたずねる。



「....ふたりが、楽しく遊びすぎて、働くことを忘れてしまったので.....

天の神様が、年に一度しか会えないようにする...ことでいましめとした、というんだね.....。」

と、長瀬、なるべく優しい言葉、表現を選んで語る。」




「....かわいそう......。」

milleは、瞳を伏せ、さびしげな表情...。




......話し方がまずかったかな.....

長瀬はちょっとあわてて。


「あ、いや、その、これは...働く事が美徳だ、とされた時代の教訓的な示唆が多分に..

あ、いや....その.....。」


つい、普段の語り口調に戻る。





「.....わたし、しあわせですね......。」

と、milleは、長瀬を見上げ、にっこり。



「...ん....?」

長瀬は、意外な言葉に。




「おやすみの日、ひろゆきさんにあえますし...このあいだまでは、学校でまいにち...

ちょっとさびしいな、とおもっていたんです。

でも、いちねんに一度、よりは......。」




長瀬は、milleの髪を撫で....

「そうだな、いまある幸せに感謝するべき....かもしれんな。」


と、"愛娘"を想う....。




「はい....(^^)。」

milleはにっこり。

夜空の星を見上げて.....。



「でも、たなばたの日が雨、だったら.....?」

と、問い顔で、長瀬に尋ねる。




「うむ、いい伝えでは、一年間の行いが良いと、天の川の水嵩が下がり、ふたりは逢える...」

と、次の展開を話そうか、と長瀬は迷う。



「そうで、ないときは....?」mille。




「....水嵩が増し、二人は逢えなくなる。ふたりの涙が、天から注いで、地上は雨になる..そうだ。」

あまり、いいたくない展開を。



「.......。」


mille、黙ってしまう。



長瀬、ちょっとあわて気味....。


「あ、いや、その...これは、お話しだから...。天候というものは、行いなどには無関係に....。

それに、これは旧暦の時代だから、今でいうと8月のお話しなんだよ。」





「晴れる、かしら......。」(^^)

mille、にっこりと。



「え...?。」




「ことしの、たなばたは...晴れになるかしら...。」






長瀬、ちょっと安堵。


「あ、ああ、そうだな、晴れるともさ。去年も晴れ、だったはずだ、確か。」

と、うっかり、『晴れ』を期待させてしまう。



「去年、七夕のお祭りを、神社でやっていただろう?覚えているかな?。」

と。



「.....あ、おもいだしました!にぎやかな『おはやし』、きこえていましたね。」

と、milleは メモリィの片隅をひもとく。




「あの音が聞こえてくると、今年も夏が来た、と思う...な。」

と、長瀬は、彼らしいromanticな言葉を。




milleは、思う。

.....いちねん、まえ...7がつ...。


まだ、ひろゆきさんも、学校にいらして...

テストのお勉強を、あかりさんに見ていただいたり..

自転車で、ピクニックに.....


....たのしかった..な。


....みなさん、おげんきかしら...


と。

ちょっぴり、さびしさを感じたりも。



長瀬は、望遠鏡を抱えて....

「さ、そろそろ入ろうか、あまり冷えると....。」


.....あ、風邪、はひかないか...。

....どうも、勘違いするな......。




「あ、はい。こちらも、しまうんですね..?。」


と、望遠鏡の三脚をたたもう、として....




☆ぱたんっ!!




雲台が大きいので、それは予想外に重くて....。


「あぅ〜......。」^^;




「...........。」

長瀬、沈黙。


....あーあ.....。




「すす、すみませんッ!!!。」


mille@system : date

mille@system : july 6th 20xx...


翌日は、雨.....

梅雨の明けきらないこの時期らしく。

そぼ降る雨が、窓辺を濡らす....


二時間目の休み時間。

窓際の、mille。

外を、ぼんやりと見ている。


「.............。」


細糸のような雨、静かに。

さらさらと降り注ぐ...。

3階の教室からは、遠く、雨に煙る街並み。



天を、仰ぐ。



「.......。」


曇った空から、ぱらぱらと。

雨粒が。


緑茂った樹に当たり、ひそやかな音を。

優しい音楽のような雨.......。



なんとなく、いつになく落ち着いた気分。

でも、ちょっと気がかりなのは......。




....あした、晴れるかな.......。




頬杖ついて、窓辺にたたずむ。


その、後ろから......。

短髪の少女。

活発な歩み。

リズミカルな動作は、どこかスポーティーな....。


「なにしてるの?。」

と、milleに声を掛ける。



「あ、葵ちゃん......。」


と、milleは、我にかえる。



「元気、ないのね。何かあったの?....『先輩』,,,と。」

と、葵はmilleを気遣う。



「ううん^^; そうじゃないんですけど...あめ、やまないかなぁ...って。」

と、milleは。



「雨?...そうね...なにか、予定?。」

と、葵は、milleのとなりに並び、雨を眺めながら。



「あした、『たなばた』でしょう?。」




「ああ、お祭りでも行くの?。」

と、にこにこしながら、葵は。



「おまつりもいきたいんですけど......。」

と、milleは、長瀬の話した伝説を話す....

「ふたりの涙が、雨になるって....いうの。かわいそう.....。」




「.........。」

葵は、milleのさびしそうな瞳を見.....

「あ、じゃあてるてる坊主を作ろうよ。」

と。




milleには、耳慣れない単語......


「てるてる、ぼうず..ですか?」




「そうよ...。」

と、その辺にあった紙でちょい、とてるてる坊主を作り.....。

「こうやって、軒につるすの。」


と、葵は、教室の軒に、てるてる坊主をつるす。


「.........。」

mille、紙を丸めて、てるてる坊主の頭を作る。

それで、それを包んで...。

すこし、いびつなてるてる坊主。


葵、それを見て。

「うふ(^^)可愛いのね、milleちゃんの....。」

と、一緒に軒につるした。


「♪〜てるてるぼうず、てるぼうずぅ....

あーした、天気にしておくれ...歌、知ってるでしょ?。」と葵。




「いえ、いまはじめて...。」とmille。



「そう、これ、お願いの歌なのよ。そうすると、だいたい晴れるの。

遠足の前とか、やったっけな.....。」と葵。





「♪〜てるてるぼうず、てるぼうずぅ....(^^)。」

と、mille。



「♪〜...あーした、天気にしておくれ....。」

と、葵。



「ふふ(^^)。」

「うふふ(^^)。」



ふたり、微笑み....。



.


♪..... きーんこーん...かーんこーん.....




「あ....。」


「次、なんだったけ...。」



「古文、だったかしら....。」




ざわめいていた教室も静かに。

さらさらと降る雨の音が、こころよい自然のBack Ground Music....


廊下を歩く擦りきれたスリッパの音。


スタ、スタ、スタ......



「きりーつ!」


「れい.....。」






そぼふる雨の音。

鉛筆の走る音....。

似たような二つの音は、対旋律のように。

雨だれの音。

立ち木に当たる、雨の音。


フレデリック・ショパンがこの学校にいたならば、

雨だれの前奏曲は、すこし、にぎやかな

感じになっていただろう...。





古文の授業中。

生徒たちは、練習問題を解いている。



もちろん、milleも.....


「ぁぅ........。」^^;



古文は苦手なようだ(笑)。




スタ、スタ、スタ....。

擦りきれたスリッパで古文の教師。

白いワイシャツ、べっこうの眼鏡。

紐タイ、すこし長めの白髪、七・三に。

繊細な印象の細面、穏やかな表情。




スタ、スタ、スタ....。



開けられた窓辺へ。

ふたつの、てるてる坊主。

まるっこいのと、ちょっと不格好なの....^^;



その、てるてる坊主を、ちょっと指で。


「.......(^^).....。」

おだやかな、微笑み.......。




スタ、スタ、スタ....。




そして、いつものようになにげなく、放課後が来る。


「じゃ、またねー(^^)!。あおいちゃん。きょうは、ありがとう。」

「うん、milleちゃん、また明日。」



葵は、スポーツバッグを持って、運動部室の方へ駆けて行く。

短い断髪が、雨上がりの風に揺れて。

早瀬の若鮎のように....。


milleは、うすももいろの制服で、かばんをもったまま、その背中を見送る。


「わたしも、スポーツしてみようかな....?。」


milleは、サンド・バッグを'(葵のように)カッコ良く叩いている自分、を想像した。




....でも....

....わたし、鈍いし....^^;



次の瞬間、跳ねかえってきたサンド・バッグにKOされている自分、を思い浮かべて....



.....やめとこ.....^^;




自分の想像にため息をつきながら、学校の校門を後に。


「はぁ......。」


やっぱり、ひとりじゃちょっぴりさみしいな......。





夕刻。

白い研究所の建物は、夕暮れでオレンジに染まり、

遠い山並みに、そろそろ夜の香りが訪れる頃...


milleは、坂を登って、研究所に到着。


「ただいま、おとうさん。」

milleは、中庭で趣味の園芸(?)をしている長瀬に帰宅を告げた。


「ああ、mille、おかえり。今日は早かったんだね。」

長瀬は、植物の伐採をして帰宅したところのようだ。



「なに....なさってるんですか....?。」

と、不思議そうに、長瀬に尋ねる。



「うむ。これはね、こうして、短冊に願いを書いて祈りを捧げる、と

願いが叶う、という古くからの民俗的...あ、いや...

七夕には、昔からこうしていたんだよ....。」

と、長瀬は、なるべく優しい言葉を選んで。



「お星様に祈るんですか?....」

と、mille。


「ああ、そうだよ。milleもやってみるかな?。」

と、長瀬、短冊と、ちょっと小さめの笹をひと束。



mille、その束を受け取り。


「ありがとう、おとうさん。....おとうさんの願いって、なんですか?」

と、何気なく。



「.....それはね、言ってはいけないんだよ。(^^)」

と、長瀬、にこにこと。



「なぜですか?。」

と、milleは。


「.....祈る、というのは...。

と、言いかけて、また、学術的になってしまいそうだ、と気づき、

長瀬は、言葉を変える。


「昔から、そういう約束になっているんだね。ずっと。

だから、それでいいんだよ(^^)。」

と。



「....はい、そういうものなのですか。」

と、milleは、うなづく。



「ところで、milleはなにをお願いするのかな?。」

と、長瀬。



「....ナイショです(^^)。」

と、mille。



「おお、そうだったな、ははは。(^^)。」


「うふふ。(^^)。」



紺青の夜空が、静かに.....。

微かに、星のまたたきもはじまって。


milleは、自分の部屋の戻り、願いごとを短冊に書き始めて。


....みんなに会いたいです....


と、願いながら。


短冊を飾り、笹を掲げた。


夜空には、ミルキィ・ウェイが輝いて。


.....あしたも、晴れるかしら.......。



碧の瞳を星で一杯にして、夜空を仰いだ.....


mille@system:date

mille@system:july 7th 20xx..



さて、葵の尽力(??)もあってか。

七夕の今日は、晴れ!


研究所のある丘の上にも、神社の七夕祭りの賑わいが聞こえてくる。


夕方。

いつものような土曜日、学校のない今日、milleは自分の居住区で

部屋の掃除とか、洗濯とか。

今日も研究室にいる長瀬の代わりに、家事を。


と.....



RRRRRRRR....


部屋の電話が鳴った。



姉さんかぶりをはずし、milleは受話器を取る。


「....はい、長瀬です...。」



「....milleか?俺だよ、。」



「.....あ、ひろゆきさん!。(^^)」




「今日さ、七夕祭りだろ、ちょっと出て来ないか?。」




「.....え、ええ、あの、おとうさんが許してくれれば....。

よるのおでかけは、あぶないから..って、いつも...。」




「そうか、じゃあ、俺からもお願いしてみるよ。

お父さんは?。」

と、浩之はいつになく、真面目.....(笑)




「あ、まだ研究所なんです....。」



「そっか、じゃ、今からそっちいくから。すぐ着くよ。

今、坂の下なんだ。」

と、浩之は、それだけ告げる。

On-Demand-EVの中かららしく、VVVF-Inverterの音楽的ノートが

聞こえて来、その音程を高めたあたりで電話は途切れた。



「あ.....。」

milleは、突然の嬉しい知らせにどっきりしながら

受話器をじっと見て...

そっと、電話機に下ろした。






それから、しばらくして。

また、部屋の電話が鳴った。




「....はい、長瀬です...。」

milleはキッチンで、長瀬の夕食を作りながら。

壁の受話器を取った。




「mille、私だ。」

長瀬の低い声。なんとなく.....今日は、明るめ。



「あ、おとうさん...おつかれさまです。」




「今、浩之君たちがそっちへ行くから....。

一緒に行ってもいいよ。祭り。」

と、長瀬。

優しい声。




「ありがとう....おとうさん(^^)。」




「うむ、気をつけるんだよ。」




「はーい!(^^)。」









♪〜....ぴんぽーん....



「あ、はーい!(^^)。」

ぱたぱたと、milleは玄関へ。


ドア・モニタには、浩之とあかりの姿。



....あかり、さん....?



ドア・ロックを解除。




「よぉ、mille ! 。」

「こんばんは、ミレちゃん、ひさしぶり(^^)。」



....ちょっと、いつもと感じが.....

milleは思った。



「あ.....。」


浴衣にうちわ、夕涼みスタイル。



「わあ(^^)すてきですね....。」



「あ、milleちゃんのもあるのよ。」

と、あかりは手さげから....



さわやかな色あい、ちょっとだけ愛らしいワンポイント。

それと、赤い鼻緒の下駄。


「かわいい...(^^)あ、でも、そんな..おせわになってばかりで....。」

と、mille。ちょっと気にする 。



「いいのよ、これ、学校の教材だから。」

と、あかり。

おさげだった髪を切って、まっすぐ髪にそろえたあかりは

どことなく "お姉さん" っぽい。



「あの、あかりさんの学校って..?。」

と、mille。



「あ、言ってなかったっけ、こういうの、作る学校なの。

楽しいわよ..それでね、デザインの授業で、これ、作ったの。

どうせ作るんなら、プレゼントにしちゃおう、と思ったんだ。

えへへ(^^)。だって、教材費だもん。」


と、あかり、いたづらっぽく。舌をペロリ。



「あ、りがとう..ございます....。」mille、ちょっとうるうる(^^)。



「さ、着付けてあげる!...おじゃまして、いい?。」

と、あかり。




「あ、すみません、わたし、うっかり..どうぞ。」

と、milleはふたりをリヴィングの方へ。



「....じゃ、わたしたちは着付けてくるから...

ひろゆきちゃん、ノゾカないでね^^;。」


「するかッ!。」(^^)





「おまたせ、ひろゆきちゃん!。」

「すみません、おまたせして.....。」



リヴィングのオーディオなんかを見ていた浩之、

戻ってきたふたりにふりむく..。


「お、いーねぇ、夏、って感じでさ、mille、かわいいじゃん?。」



「あ、そんな......。」(*^^*)(ぽっ...。)


「ひろゆきちゃん、あたしはどぅ?。」



「さっき言ったじゃんか...。いい感じだよ。」

と、浩之、ちょっと乱暴に。でも、やさしく。




「ふーん..、ま、いっか。じゃいこ!」


「そうだな、みんなまってるかな....。」



「え、みんな.....?。」







神社の前で、On-Demand EV を降りた三人。

ドアを閉じ、車体から離れるとEVは、Radio-Guidewayの誘導で

しゅるしゅると走り出した。


そのあたりは、21世紀らしいところだが、

振り返り、神社の参道に向かう、と...


参道には、屋台の店がたくさん。

綿アメ、たいやき、カルメ焼き...

射的、輪投げ、金魚すくい...



「ねえ、ひろゆきちゃん、なんだかなつかしいわね..。」

と、あかりは微笑みながら。


「ああ、なーんにも変わらないな、ここは..

あん時さ、おまえ、輪投げの景品、欲しがってさ...。」

と、浩之。


「そうだった?。」と、あかり。


「そうだよ、それで、俺が取ってやっただろ、くまのぬいぐるみ。」

と、浩之。

意外と、記憶力がいい...。


「よく覚えてるのね、ひろゆきちゃん。学校の勉強と違って。(^^)。」

と、あかりはめずらしく軽口を。




「....そうだよな、どうしてだろ..って、あかり、コラっ!^^ 。」

手を上げて、叩く真似。


「きゃ〜^^; は、ごめーん...。」

と、とびのいて、逃げるあかり。






「あいかわらず、仲いいわね〜ぇ、おふたりさん!。」


と、どこか聞きなれた声。




「お、来たな。お祭り女!。」

と、浩之は。



「あんたもさぁ、たまには気の利いたこといえないのぉ...。

ま、いいけどね、今日はお祭りだし。よーし、遊ぶわよ〜!。」

と、志保は。

夏らしい軽装で。

カジュアルな感じ、でもどこか洗練。







「やあ、集まってきたね。」

....よく通る声。


がっしりと日焼けした顔、短く切った髪。

スポーツマンらしい爽やかさ。




「お、雅史、久しぶり。どうだ、大学のサッカー部は。」

と、浩之は、二カッと笑い、雅史に聞く。



「うん、厳しいけど、まあまあいけそうだよ。」

と、涼しい声で雅史は。





「オマエが『まあまあ』っていうときは、バッチリなんだよな。

 たいしたもんだよな、あそこ、名門だろ、サッカーの。」

と、浩之がちょっとまじめに。



「それほどでもないよ、今は直ぐプロになるから.......。」


と、雅史はちょい謙遜。







「ハイ、ミンナ、ヒサシブリ。」

と、もうひとりのヒロインは。



「オマツリ、にほんのspirit。 星に願う、romanticデス.....。」



と、レミィは、長身を浴衣に包み、アップの髪が..ちょっとかわいくsexy。









「星に、願い......。」

milleは、短冊に書いた願いのことを思い出した。





....みんなに会いたいです....






「.....あ......。」






空を仰いで、天の川、その両岸で輝いている星...を。





......ねがいごと、届いたのかナ......(^^)。





にっこり笑って。





........かなえていただいて、ありがとうございます......


と、「こころ」につぶやいた。






笹の葉、さらさら。


お星様、きらきら..............





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る