第6話 [a whiter shade of pale]
第6話 [a whiter shade of pale]
暦の上では春とはいえ、まだまだ寒い。
午後の日ざしは、少し斜めに。幾分、光は柔らかさを増している。
裏通りに面したスーパーの倉庫。
少女は、何やら段ボールと格闘している。
開梱した段ボールと、手動のシール貼り機。
どうやら、値段の札をつけるバイトのようだ。
「雛山さん、こちらもお願いね。」「はい。」
時間単価の低いアルバイトにしては、作業量が多い。(....^^;実感。)
それでも頑張る、おさげ髪であった。
特徴的な前髪が、規則的に動き、
作業の進行カウンターみたいに。
寒い時期だというのに、倉庫の淀んだ空気に薄らと汗を滲ませながら
値札付けを続けていた。
無機的な段ボール梱包の中に、華やかな色合いの品がたくさん。
少女、ふと目を止める。
......。もうすぐ。3月14日だわ。.....。
........あれから、ひと月、か。
そう回想しながらも、仕事の手を休めずに次の段ボールを開梱した。
値札づけの済んだ商品をバゲージに載せ、商品棚に陳列するべく店に。
薄暗い倉庫から、明るい店内へと。
滑らかな樹脂の床に、照明が反射している。
昔となにも変わらない「マーケット」の様子。
如何に情報流通が進化したとしても、「選択」という行動には"快"が存在し
それはまたヒトという生物の情動において基底的な何かを意味するかのようでもある。
故に、時代がどのような変化を見せようとも「快」に根ざす因習は不変である...。
淡い、パステル・トーンが今年は流行のようで
可愛らしいイラストのついたお菓子が沢山。
.....かわいい。
思わず、微笑む少女。
彼女の視界の彼方に、見覚えのある女の子....。ふいに、視線が遭う。
人工照明に照らされて、どことなく無機的に思える事に不思議な感覚を覚え、
理緒は、一瞬、言葉をかけるのが遅れた...と。
「あ、理緒さぁん!
お仕事、お疲れさまです..........。」
「こんばんは、milleちゃん、今日は遅いのね。」
「 はい、ちょっとお掃除が....。」
「お掃除好きなのね。」
「はい、やっぱりきれいなほうが...気持ちいいし、それに、教室のみんなが
綺麗だって、喜んでると、私も嬉しいし。」
「そうよね、私も好きよ、お掃除。ここじゃぁ、お仕事だけど、掃除。」
「ふふ。」
「(^^)。」
ふたりの微笑み、同調。和やかなムード。
「 あのときは、ありがとうございました。わたしひとりじゃ、渡せなかった。」
「ううん、私も、そう思ってたの、どうしたらいいのか
ちょっと迷っていたけど、 でも渡せて良かったわ。」
「はい!」
「あした、White-day、楽しみね。」
「ほわいと?....?」
「ああ、あのねぇ、3月14日にね、男の子からお返しをするの。....それで....。」
「え?そういう日になってるんですか?」
「そう!。ホントに知らないのね、milleちゃんって、“箱入り”なのね。ふふ(^^)。」
「はこいり...?って、なんですか?」
「大事にされているんだなーって、ことよ。!ね、!」
「はぁ....。」
「そう...ですね?」
「でも、私、お返しなんて、どうでもいいの。もう、気持ちは伝わったんだから。」
「そぅ.ですね。」
「藤田君のことだから、たぶん、お返しなんてしないわよ。きっと。
あんまり、気をつかいそうじゃないもの。」
「.......。」
理緒は、その表情の微妙な変化を見、
......やっぱり、さびしいのかな.....。と。思う。
「あ、でも、今年が初めてじゃないかしら、手作りチョコなんて貰うの、藤田君。
だから、今年はきっと....ね。(^^);。」
「(^^)。」
...きっと、ね.....。
「じゃ、仕事に戻るわね、気を付けて帰ってね。」
「はい!頑張ってください!」
milleの、頼りなげな後ろ姿を見、理緒は思う。
.......藤田君に、頼んどこう。milleちゃんのこと....。
と、自分の事を忘れ、優しくともだちを気遣う理緒だった。
スーパー・マーケットを出、milleは家路に...。
と、ちょっとだけ、公園へ。寄り道?
三月。
すこしずつ...あたたかくなり、風の香りも春っぽく。
ふと見上げた梅の小枝に、うぐいすが一羽。春の訪れを告げるかのように。
まだ幼いのか、ちゃんと鳴けずに。親鳥の鳴き声を真似てはいるが....。
屈曲した小枝に、可憐な白い花。
甘い香りに包まれて、小鳥は愛らしく、小首を傾げる。
.....かわいい....。
.....私にも、お母さんが、いたらなあ....。
不思議なことだが、ヒトに模した感情システムは、そんな解を生み出した。
寒咲きの花が、午後の風に揺れている。
さっきまで、穏かな様子
「....あ....。」ぽつり、ぽつりと、雨粒が。
小鳥は、飛び立って行く。
少しずつ、さりげなく。そんな風に、季節は移ろいを見せ、
時の、おおきな流れに、今、彼女は、ひとり。
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・
その頃、浩之は、というと....。予想的中!
なーんにも考えずに、
ラジオのDJの話なんかで笑っていたり。
......いよいよ、明日はホワイトデーですね...みんなは
いっぱいチョコレートもらったかな?
お返しちゃーんとしなきゃ、だめよ?...。
ラジオのDJ、涼やかなお姉さん声で。
.....ホワイトデー、か。そうか、俺、忘れてたな...。
なんか、気合はいってたもんな、あいつら.....。
wireless-telephoneを、call。LCDのeye-contactを、指でtouch。
......あ、俺だ、藤田。あのさ、こんどほらあるだろ....なにがって?
ほら、お返しだよ、鈍い奴だな。ホワイト...そうそう。で、相談なんだけどさあ、
ああいうのって、さ...。良くわかんないから、さ、...。
なに、駄目?どうして?...。
そうか、気持ちを、ね...。
うーん.....。解った。考えてみるよ。ありがとう。
持つべきものは良き友、とかな。
きちんとした、お返しをするべきだ、と雅史は忠告してくれたのだった。
もともとあまり気の利かない浩之である。
適当にお茶を濁してしまうところであっただろう。
....そうか。悩むよな、でも、そういわれても....、
さ。誰かを選べったって。
大体、好きってなんなんだよ。どういうことなんだかわからない。
少年は、悩む、誰しも通過するであろうpointを、今。
もともと、好きなどという感情に論理性、法則性はない、
だから誰か一人に決めてしまおうと
割り切ることが難しいのは当然の事なのだが....
少年、17歳。
まだ、そんな事に気がつくはずもない.....。
ひたすら、真摯に考え込んでいる.....。
ヒト社会の基底である家族制度の論理矛盾に
実感としてぶち当たっている(?)浩之であった。
....あーわかんねぇ。もともと、こういう事考えるように頭が出来てねぇんだ。
そうか、こんな時、幼馴染ってのは便利だよな。あかりに聞いてみよう。
wireless-telephoneを、call。LCDのeye-contact"akari"を、指でtouch。
もしもし、あ、俺、浩之。ちょっと、聞いて良いか?あのさ.....
................どうする?お前だったら?。
....え、気持ち?一人でいるとき?よく思い出す..。
うーん、そうか、そいつが自分に一番...なるほど、サンキュ!、じゃな。
.......よく、思い出す、か.........。
そんなこと、いわれてもな。
最近は、確かにmilleのことが、気になっているけれど。
なんだか、ほっとけないような気がするだけで、さ。これが、恋愛かな?というと、
.....うーん、やっぱり、わかんないな。
浩之は、彼なりに考えている。その状態も恋だと、呼べないことも無いが。
恋などという状態に定義などない。人を恋うるとき、それが恋なのだ....。
彼は彼女が愛しい。それだけで充分だ。
ただ、ちょっと違っていたのは、彼女はhumanoidだ、ということだ....そのことを、この時の浩之は知る由も無い。
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・
・
少女は、電話のフックを下ろす。
なんとなく、....フクザツ。
....なにかしら?浩之ちゃん。変なの、いつもと違う。
でも...考えてること、大体解る.....。
付き合い、長いもんね。でも、私だって....。
.........あれ、義理じゃ、なかったんだけどな。
いつも自分の側にいて、当たり前だった存在が、すこし遠くに感じられて。
ちょっと、寂しさを感じる、あかりであった。
....でも、それで、浩之ちゃんが幸せなら、ね。
私も、そういう浩之ちゃんを見ていたい、し。
.....と、自問し、自らを諭すように。
...しかし....。
さて、時間の流れは、無情にも。少年の悩みとも、無関係に。
「まあ、こうしててもしゃあないな。とりあえず、見てこよう。」
浩之は、夕暮れの街へ。
「お...通り雨、かな。傘、傘。」
玄関の傘立に、父親の大きな黒い傘。柄の部分に、竹が飴色に色合いを。
「...しぶい、かな?...。」しぶすぎ^^;。
それを手に、雨の街へ。
夕映えの街は、水彩画のようで。
雨のせいなのか、遠くの風景は薄墨を流したが如く。
ナイロンの傘生地に当たる雨音が、かなり速いビートを刻む..。
公園通りを過ぎ、駅の方へ。駅前のスーパーマーケット。
.....ここらで、ちょっと見ていこう...と、浩之は、賑やかな店先に向かう。
店の中はとても明るくて、活気にあふれている。
夕刻、主婦とこどもたちが多数。
そんな中、前髪がはねたおさげ髪。簡素に、黒いゴムで両に分け......。
あれ、,,,あの娘は....。
「...あれ、理緒ちゃん?」
「あ!藤田君!」
「ここでアルバイト?」
「へへ、そうなんだ。」
「お母さん、戻ってきてもバイトしてるんだ。」
「うーん、やっぱり、ね。」
「藤田君は?」
「.....。」
「あ、もしかして....。」
少女は、陳列棚の色とりどりのギフトに、視線を。
「....いや、その....。」浩之は歯切れが悪い。
「ね、藤田君、milleちゃんに、お返ししてあげてね、(^^)、ちゃんと!」
「え.....。でも、それじゃあ.....。」
「ううん、私はいいのよ。あの子、“箱入り”なんだから、
大事にしてあげないと、ね。」
「....,そう...か。でも..なぁ....。」
考え込む、浩之。
「そうしてあげてよ、ね。、あ、私、仕事にもどるから、じゃね。」
踵を返し、理緒は早足で倉庫の方に。
....すこし、寂しげ。
その、後ろ姿を、浩之はぼんやり眺めていた。
「....どうして、なんだろうなぁ....。」
女の子って、わかんねぇな.....。
・
・
・
なんとなく、気分がのらない。
そのまま、店を出て、公園通りを戻る。
.....理緒ちゃん。
.....あかり。
.....mille。
俺達、友達だよな?....。
歩きながら考える。のは欧米人だったか...と。
こうもり傘の雨音は、やがて軽くなってくる。
霙混じりになってきた。
公園の並木。
樅の大樹...の木陰に。
雨宿り...かな?。ひとかげ、が。
「あ、ひろゆきさぁん!」
「おい、濡れちゃってるじゃないか!風邪ひくぞ!。」
「あ、...私、平気です、結構、丈夫なんです、これでも。」
「とにかく、家へ来いよ、服、乾かさなきゃ!。」
浩之は、持っていたハンカチで、milleの頭を拭いてやる。
「...あ...。」
肩を引き寄せ、傘の内へ。
「あ...あのぅ..^^;...。」
「どうした?。」
「い、いぇ...。」....ちょっと、恥ずかし...
少し、伏し目に。
.....でも、うれしい....
彼女は、夢想する。
偶然の出来事。
神様の、プレゼント、かしら...。なんて^^;。
霙は、いつしか雪に変わりそうだ。
ふたりの息、だけが白く、熱く。
浩之は思う。
.....やっぱり、俺って、保護者だよな、どっちかっていうと。....。
知らずのうちに、父性を発露している。
まあ、オトコなんてのは単純な生き物だから、かわいいコには世話焼きたく
なるもんで。
そうして、ヒトの歴史はまわってきたのだけど。
不幸なことに「かわいい」コは少ない...(実感^^;...。)
・
・
・
「どうして、あんなところにいたんだ?」
「あ、あの...。雨宿り....。」
「あんなに降ってちゃ、止まないよ。」
「そう...ですね。」
「風邪でもひいたら、大変だから。さあ、俺んちで暖まってけ、な?
ああ、今日も親は居ないから、遠慮は無用だ。」
公園通りから、少し路地に入って、奥まった高台の一角に浩之の家はある。
「さあ、入れよ..。」
「はい。おじゃまします。」
ふたりは、玄関をくぐる。
玄関脇に、電話があって、廊下が真っ直ぐ。両脇に部屋が幾つか.....。
ごく普通の住宅だ。
「ああ、遠慮するなって、そっちの奥が風呂場だから、少し暖まれ?
洗濯機もそこにあるから、全部入れちゃえ?
すぐに乾くだろう、全自動だから。」
「は..い。」
浩之は、楽しい。
世話を焼くのが、楽しいなんて、彼自身、思いもよらないことだった。
「あ、着替え、俺のだから、少し大きいけど。」
薄い、ブルーのワークシャツ。デニム地。
さっぱりとした風合い。
「....あ、ありがとうございます。」^^;・・・。
廊下の奥の方の、バス・ルームに、彼女は。
木製の仕切り戸を閉じ、衣服を洗濯機に入れた。
大きな姿見に映る、自分の姿。起伏の少ない.....。
....こんな、わたし、を...。
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・
「お、よーくあったまったか?」
「はい!」
サイズの全く会わない、シャツを着た彼女は
まるで洗濯物があるいているようだ..。
「とても、おおきいんですね(^^).....。」
「ああ、ゴメンな、そんなのしかなくて。」
袖などは半分くらい余っているし、裾などはロングスカートのようだ。^^;。
ユーモラス、というか、なんというか。
思わず、微笑みがこぼれる浩之であった.....。
「じきに、乾くと思うけどな。」
「すみません、いつも、お世話になってしまって。」
「そうだ。私、お掃除します!」
「え、そんなのいいよ、別に。」
「いいえ、御恩返しにもなりませんけれど。私、お掃除、好きなんです!」
「...そうか、それじゃ、洗濯物が乾くまで、な。」
「はい!」
手始め、というか。
風呂場のあたりの一角から、廊下とか。
その辺を、掃除し始めた.......。
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・
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しばらく、たって.....
「おお、すっかり綺麗になって...。すごいな、mille。」
「(^○^)!。うれしいですぅ、ひろゆきさんに喜んで頂けて。」
「...mille...。」
「はい?」
「おまえって、ほんと、いい子だな...。」
「ええ、そんな^^;。私、いつもご迷惑ばかりかけているのに..。」
誉められると嬉しいのか、“ぽっ”と赤くなる。
そんなところも、とても愛らしい...。
「なんか、お礼をしなくちゃな.....。」
「そんな、お礼だなんて...。」
俯き、恥ずかしげに肩を窄める。そんな仕種の、ひとつ、ひとつが。
....こころ、に、記憶される.....。
「あ、そろそろ、服、乾いた頃だな。」
「....はい。」
妙な、ムードをかき消すように。浩之は。
milleは、廊下を、乾燥機のほうへ。
ほっとしたような、なんとなくさみしいような。
ときめきを、彼女は感じながら、ワークシャツの袖を握って.........。
仕切の木の扉を閉じる。
姿見に映る、自分の顔.....。
やさしい、微笑み..。
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・
いつもの、見慣れた服装に戻った彼女。
さっきまでの、奇妙なときめきは....どこかに。
「あ、乾いてたか。」
「はい!、ありがとうございます。本当に、いつもいつも。」
「じゃ、その辺まで送るよ、まだ、雨降っているだろうから。」
「....いいえ、そんなぁ。」
「いいって、どうせ、暇なんだから...。」
「...すみません。」
「...あ。れ?」
玄関を出ようとすると、霙は雪に変わっていた。
ちいさな庭も、路地も真っ白だ....。
「わあ、(^^)きれい....ですね。」
「ほんとうだな...。」
....今日は、わたしの"White-day"。...ううん、ほんとは、今日じゃないけど。....
.....“こころ”の、なかの。......。
彼女は、モノローグ。
彼のおおきな背中に、そっと微笑んだ..。
坂道にうっすらと、春の雪が降りつもる。
大き目の雪片が。音がするかのように。
道路に積もり、シャーベットみたい。
時折、車が滑りながら、通過して行く....。
大き目の傘の中に、すぼまるようにふたり。
坂を下り、公園通りへ...。
大通りに出て、LRTの停留所でmilleを送り、浩之は来た道を戻り、家路に。
・
・
・
玄関の扉を閉じる。
掛け金の重い金属質の音が響き、より、孤独を意識させた。
無人の家。
あまりに...広すぎる。
静かに階段を昇り、自室へ..と?
....あ、しまった。買い物してくんの忘れちまった。どうしよう。
もう、店、しまっちゃってるし。
そうだ、こんな時に、頼りになる奴が....。
....と、彼は、wireless-telephoneを。
....あ、俺、....それでさ、なんか良い知恵ないか?...。
.....え、手作り!?。...そんな事、俺には無理だよ。...教えてくれる?
材料は?ああ、そうか。じゃあ、頼むよ。うん。...。
こんな時、隣同士だってのは、便利だよな。ああ、あいつが幼馴染で良かった。
しかし、少女は複雑である。
.......頼られてる。のかな?...^^; 。
お下げ髪の端っ子を、指でいたずらしながら、切れた電話をぼんやりと見ていた。
それでも、買い置きの材料を集め、彼女は浩之の家に.....。
さっきまでの春の雪も、いつしか雨に変わり。
少女は、傘の端っこから落ちる水滴を眺めながら時の流れを想う...。
「ちょっと、前までは....。」....私“だけ”の存在だったのにな。....。
雨滴は、路端や、屋根や、公園に積もっている白い雪をすこしずつ、溶かして行く。
さりげなく、そんなふうに。
静かに、季節は巡ってゆく....。
「春の雨、は、」優しいはずなのに.....。
モノ・ローグ....。
・
・
・
デイト・カウントは回る。
mille@system:date
mar 14 20xx.....:
さて、きょうは“当日”だ....。
・
・
・
「え〜、なによぅ、これぇ〜。」
不格好な、クッキーの山。
「俺の、気持ちだよ。」
いつもの屋上。
すこーし、ほんのすこしだけ、春の風に近い、やわらかさ。
「...。」
「...。」
「...。」
「...。」
「なんだよう、これでも一生懸命やったんだぞ。」
「....でも、ねぇ....。」
「wow, country -style デスネ。“オフクロ、ノ、アジ”デスカ?」
ちょっと、面白い。日本語とも英語ともつかないような言葉?を操りながら。
「あ、これ見てよーぉ、ねぇ....。」
「oh , デモ、オイシソウ、デス。」
「そーぉ?」
「ま、見てくれは悪いけれど、な、心がこもってる、んだよ。“心”が。」
「ま、いいか。味はかわんないんだし。」
「....。」
ちょっと一口かじってみると、
甘さと、渋さと。
ほんのちょっぴり...ほろ苦く。
ほんとに、「気持ち」が入っている、そんな感じがして。
あかりは、彼のこころを想っていた....
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