第7話

魔王に召喚されました。勇者です!8


さて、これからどうしたものか…

あいつらは勝手に喧嘩始めるはで、もう俺の手にはおえない。仕方ない、置いてくか。早くしないと応援が駆けつけてくるだろうし。

俺は、アイツらを放って走り出した。

しかし、


「「何処に行くんですか、主様(我が君)!!」」


何故か気づかれて着いてきた悪魔2人。


お前ら喧嘩してたんじゃないのかよ!

お前らを囮にして逃げようとしてたのに!

これじゃあ、俺まで捕まるだろうが!

クソっ!!!!!


「逃げてるに決まってんだろ?もうすぐ応援も来るだろうし早めに撤退した方がいい」

「そうなんですか、ならば転移すれば宜しいのでは?」

「あのなぁ、ヒイロ。俺にそんなスキルは無いからな?あと魔力もない。」

「え?魔力がない!?じゃあ、我が君はどうやって私を召喚なされたのです?」

「しらん!」


ほんと、めんどくさいなお前。知らんもんは知らんのだ。今はそんなことより、ここから逃げ出すこと…


「ならば、私が転移させましょうか?」

「え、できんの?」

「はい、出来ますよ!」


ヒイロの提案に俺はヒイロに抱きついた。


「おっしゃあ!じゃあ、頼んだ!」

「お任せを!主様!」

「ちょっと待てよ!私も転移出来ますよ!!?」


そう言いながら俺をヒイロから離そうと引っ張ってくる。いや、引っ張るなよお前!


「離せ!俺はヒイロがいんだ!!」


急いでるせいか、叫んでしまった。


「あ、主様…、最高のお言葉です!」


もう泣きそうな勢いで、そう言ったヒイロは、俺を抱きしめた。


「な、何でですか。我が君…、私は必要ないと…?」


俺から手を離しだらんと項垂れる悪魔。

そんな姿を見て、少し可哀想になってきた。


「はぁ…仕方ないな。俺はヒイロと転移するから、お前は転移を使わず自力で俺達の元まで来い。そしたら、お前の事を認めてやらんことも無い。」

「本当ですね!?絶対ですよ!」


俺の言葉に元気を取り戻した悪魔。


「あぁ…」


こいつに名前ないんだったな。

ずっと悪魔悪夢呼んでたけど、めんどーだし


うーん、シンって名前にしようかな。

うん!これで良し!


「では、転移しますよ!」

「早く来いよ、シン!」

「…っ!!!?はい!我が君!!」


一瞬にして司会は真っ白に変わった。

そして、光が消えた頃に見えてきたのは、


…森の中?


「ヒイロ、何処に転移したんだ?」

「はい!隣の国のリアス国の中心部付近の森です!どうやらココは、上位種の魔物がいるので誰も近寄らないそうなので、転移魔法に気づかれにくいと思いました。」


なるほど。ヒイロって頭いいな。


「それで、これからどうしますか?もう一度転移して、もっと遠くに行きますか?」

「そうだな、隣国って事はすぐ見つかる可能性もあるし…そうだ!確かリアス国の二つ隣に無法地帯があるんじゃなかったか?」

「はい、ありますよ?」

「そこなら、法に触れることは無いし、俺たちの自由に出来るしいんじゃないか?」

「確かに、しかし、彼処は人や魔物も沢山いますから、先程のように全て焼き殺すのですか?」

「い、いやいやいや!誰も殺すなんて言ってないだろ!?あのなぁ、接触しなければいいんだよ!そしたら、こっちに害は無いだろうし…」


ヒイロさんはちょっと、喧嘩っパヤイというか、なんというか、危ないな。


「ですが、主様。主様の見た目では、いいカモとしか見られないのでは?」


……………あ。


そういえば、俺12歳だ!

ずっと忘れてたけど、12歳の男の子だった!!

確かにこの姿じゃ、まずいな。


「うーん、ならどうすれば…」

「ならば、やはり皆殺しにして「待て待て待て!物騒だなおい!俺は殺しはあんましたくないの!!おわかり?」

「……はい。」

「そうだな、うーん…」


そういえば、シンは自力で向かってくるんだよな、コッチに。

アイツ、もしかしたら途中で見つかっても突っ走ってくるかもしんない。そしたら、後ろにはたくさんの兵士達を連れてるのでは?


もし、そうだとすれば、その兵士共と無法地帯の奴らで戦争でも起こさせて、相討ちにでもなれば、俺達は誰にも邪魔されずその場所を使える?


アルノは殺しは嫌いだが、他人同士が殺しあってるのはどうでもいいという考えなのだ。

だが、この方法が上手くいくか、分からないし。

うーん…


「誰です?そこにいらしてるお方は?此処が誰の森か分かっていらっしゃるのかしら?」


考え耽っていると、聞こえてきた女の人の声。

小さく淡い丸い光が、そこにポツンと浮いていた。

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