10 おもいは寄せて上げてはき溜まる

5時半頃


「シャーーーーーシャシャーーー⋯」

結局ゆうはどうしたんだろ⋯さっきのひとにあったの?連絡先聞いてるし

⋯でもなんか、しづらい。でもしなきゃ来ない気がする。


「ぎゅー⋯。」


……せっかく会えたのに⋯焦っちゃったかも


私(まこ)はあの後イライラしてすぐ家帰った⋯だって居れない。連絡先知ったし。まあいっ⋯。でも話したいちゃんと話したいのに私が来た理由


「あぁー。トゥルルルルゥトゥルルルルゥ」

「あ。まこです」

⋯もう仕事いこ。いても何にもないしご飯食べれるし


「あぁまこちゃん⋯どうしたの?」

「店長ー今日仕事出るねー」

「えぇ⋯どうしたの?でも助かるよーありがとー。」

「そしたら7時には行きまーす」

「はーーい」


……明日⋯。連絡してみようかな。



6時頃


「おわったぁぁぁぁ」

「柚次おつかれー」

「おつーーー。」

「今日は早めに終われたな」

「だなっ」

早く帰りたい。あゆはそう思って……ないんだよね

「のみいく?」

「土曜だし⋯早めに帰るよ。」

「嫁さん思いだな柚次わ」



……俺だけね。このありきたりな会話はいつも俺を苦しめる。逃げ出したいし辞めたい

でも辞めたら?……当然あゆはいなくなる

これぐらいの金なら誰でも稼げる。居てくれるだけで有難いよ?けど……欲⋯なの?



居ると分かってるなら早く帰りたい

⋯帰ってどうだとわかってても⋯頭がゆう事聞かない


「おつかれー」

「おつーっ」


6時半頃


「はぁ」⋯帰ってずっと憂鬱⋯。

ゆうのばかゆうのばかゆうのばかゆうのばかゆうのばか……ばか⋯

話しかけたらダメだった?そんなにあたしが嫌だった?

……あの人誰。

「ただいま〜」



うそ⋯もう?早くない?

6時半……

「おかえりー」

今は愛想も出来ない⋯柚次ごめん


⋯やっぱり。そのテンション。

今日こそ聞いてみたい


「ぱぱー」

「おぉただいまー♡」

娘はいつも可愛い。あゆも⋯


目を送っても⋯当然こっちを見ていない。


「あゆっ」

強めに言うと振り返ってくれた⋯


「あゆ⋯稼ぎ悪くてごめんね。」


……は?金ぢゃない⋯でも……どしたの。


「どうしたの?」

「俺さ⋯いや⋯まずごめん」

「俺⋯あゆの事が何よりも好きっ飲みに誘われても行かないし行きたくない」

「……。」

ぽかーん⋯わかってる


⋯自分があたしにやった事わかってるの?

どんだけ無神経⋯。


「好きな人……いるよね。」


え。なんで⋯わかるの?前は無頓着⋯興味あっても無い。だったのに


「は?いないけど」

なんなのまぢで



「なんとなく⋯変わったから。とかぢゃなくて……なんだろ。分からないけど」


「なにそれ⋯自分が不安になったらそれ?」




……ほんとにあたしの事⋯すきなんだ..柚次




6時半頃


「合鍵♡てかえな⋯聞いてい?」

「なに〜♡はぁーい♡」

鍵を貰ってルンルンのえな⋯可愛いっ。ごくり


「携帯結構ブーブー言ってるよね?1回も見ないけど⋯お父さん?」



ゆー……うそ。気づいてたんだ


「え..うん」


「ほんとか?ストーカーとかぢゃないのか?そんだけ可愛いんだしさ⋯」


可愛い?キャ……てそれどころぢゃない。なによ

当たってる。



「ストーカー……ってゆうか。大学の同期」


「が⋯いつも?」


まぁそれはあってもおかしくは無いよあゆ⋯


「……。」

えなは無言で頷いた



「お前なんで言わんがな」



勢いあまった……方言⋯+おまえ⋯ごめん


⋯おまえ⋯


「ゆー。心配してくれてる?」

ねぇーほんとに年下かよ⋯俺の心⋯バレバレエ



「今っ⋯彼女になったから!とかぢゃなくて……聞いてたらもっと前からだわあほ」



⋯えな彼女⋯ゆーの……。頼って⋯

「助けてくれる?」

「しない奴いるのかよ。」


「ゆう⋯」

ひっつきたい。やっぱりえなの目は、すごいっ


俺は頭を撫でながら、どうしようかどう救えるか


「えな。そいつは大学でどんな感じ?」

「どんな⋯って?」

あ。……そうか


「大学でもしつこく付きまとってなんかゆってきたりとか⋯」


「全然ない。前に合コンするサークルみたいなのに入った時に連絡先交換して……それから」


「モノホンぢゃん⋯」

本物のストーカーだ。間違いなく


「なら⋯連絡だけやたらくるの?」


「⋯うん。今日も可愛い。✕したい♡とか」


俺は頭がおかしくなりそうなほど怒りが込み上げた⋯平和主義なのに


「スマホかせ」


チャットを見た⋯


確かに..えなは返事してない。



……ならなんで。……ブロックしない⋯



「電話かけるよ?」

「……。う」


「トゥルルルルゥ。トゥルルルルゥ」

……出ない

普段えなが掛けないから、察したのか⋯



「もう帰ろっか。」

えながそいつに見られてる⋯そう考えるだけで今はムカムカする


無言で手を引いて



……えなの家に帰った。



































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