応援コメント

1月26日:たつきなし ~暖炉避け冷たき夜の階にならび読みそむ白き紙の書~」への応援コメント


  • 編集済

    工藤行人です。
    旧年中も折々に拙文ご高覧下さいまして有り難うございました。遅れ馳せ乍ら本年も宜しくお願い申し上げます。

    「梨の樹をたつきに、彼を目指して」とは御作『カコイナシ』のレビューでしたか。ついつい気になって探してしまいました。

    『時代別国語大辞典』は私は専ら室町編のお世話になっているのですけれど、欲しい欲しいと思っており乍らも未だ我が書架には迎えられておらず、専ら図書館で見開く許りです(これを揃えるには少なからぬ勇気を要しますね……)。そう云えば上代編は開いたことの無かったので、今度、捲ってみようと思います。

    ところで、平安初期のこと、「何しろ皇子(みこ)と書くべきか、親王と書くべきかさえ迷う時代」の部分に反応させて下さい。

    宮内庁書陵部編纂『皇室制度史料 皇族一』(吉川弘文館、1983)の第一章「総説」を参照しますに、この点は恐らく大宝律令前後で様相が異なるものと思われます。親王の呼称は親王宣下という「任官」によって付与される、律令制度下の謂わば職名・公的身位であって、宣下を蒙らない皇子は親王とは呼べないからです。親王は例外なく皇子ですけれど、皇子の中には親王宣下を蒙らない(=親王ではない)皇子もいるということになりますから、差し詰め「皇子」とは天皇(もしくは上皇)との血縁に基づく親族呼称で公的な身位ではないと認識すべきなのかも知れません。その意味で皇子は、律令制以降、少しくプライヴェートな性質を帯びた広義の「天皇の子」を指し、品位(=親王の位階)に応じた封禄等の給与を受けられる親王は公的身分である分、オフィシャルな指称とでも申せましょうか。ただ、平安中期以降から頻見される「高倉一宮」や「北陸宮」などのような「宮」との使い分けも含めて今少し調べてみます……釈迦に説法であったかも知れないという疑懼を抱きつつ、何れにしましても生茹での与太話を失礼致しました。

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    拝復 2023/1/30

    お返事下さいまして有り難うございました。
    矢張りご存じ……そうですよね。他の御作も含めて拝読し、古典や歴史へのご造詣の深さには気付かされていたはずだのに、折悪しく深夜、酒気帯びていたこともあったでしょうか、つい何方かとお話したくなってしまって筆が滑ってしまいました。

    シヴェルブシュの云うように「アルコールの毒素にあたって惚けていく人類を、市民的理性と能率に目覚めさせるコーヒー」こそ夜更かしには相応しかったろうと、今は唯々、身を顧みております。何とぞご海容の程、お願い致したく存じます。

    にしましても、前近代口語の有り様を伝える史資料が圧倒的に少ない中で、歴史・時代小説における会話文には、仰るように悩みが尽きませんね……「その時代の物語らしさ」を支える創作技量、私も心して研鑽を重ねて参りたいところです。

    今後ともお手柔らかにお願い申し上げます。

    作者からの返信

    こちらこそ本年も宜しくお願い申し上げます。
    『時代別国語辞典』で反応してくださる方がいらして嬉しいです。室町編の方も魅力的ですよね。あちらは五冊なだけに手を出しますのは、なかなか勇気が要ります。私も上代編だけしか所有しないのですが、購入していたら他の時代も早く出たのだろうか、と残念な思いになることも。

    親王宣下については承知しており、親王でいらっしゃる皇子(及び内親王でいらっしゃる皇女)について悩んでおりました。それは仰る通り「宮」を使い難い時代であることが大きな要因です。
    宣下前から登場するキャラクターもありますし、物語ですので公ではなく私の部分を描くことが多く、そこで何と描写するのが現代人の目にその時代の物語らしさとなるか悩みます。会話も出て参りますので余計に。
    つくづく「宮」は創作的に使い勝手が良い、と思っておりました。
    律令格式の類いを読みましても、この様な隙間は埋まりませんで。作り手の創作技量なのだな、と感じます。

    お骨折り頂きまして、どうも有難うございます。

    編集済
  • こんばんは。こちらではいつも新しい知識をいただき、感謝です。
    私も、憑依しないと書けないタイプで、短歌もすごく伝えたいことがある時しか浮かびません。カクヨムでは本当に器用な方が多いですね。ありがとうございます。

    作者からの返信

    こんにちは。
    余り現実で役立たない情報ですが😅
    スミレさまも憑依タイプですか。スミレさまは声で語る方でしたね。言葉そのものが演劇的でいらっしゃるかもしれませんね。そう思うと拝読しました文章自体が感情の起伏を伝えてくれる、あの雰囲気に思わず成程、と。
    有難うございました。