4月11日:『花筏』 ~華咲きて夏めいたるを斎ひたし垣通生ふる田路かぐはし~
は:
な:夏めいたるを
い:
か:
た:
【意味】
花が咲き、夏のようになっているのをお祀りしたい。垣通の生える畦道は芳しい。
※垣通:春から夏にかけて淡紫の極小さな花をつける草。恐らく日本人は大抵、道端等で見かけたことがあるくらい、あちこちに生えます。垣を通り抜ける程、旺盛なことが名の由来。
【雑記】
楠瀬スミレ様の『花筏』のお題に合わせて。https://kakuyomu.jp/works/16816927859741453967/episodes/16816927862329722158
夏隣の風景。「は」「な」という初句、二句の音を見た瞬間、『春過ぎて夏来にけらし』が思い浮かびました。夏日になるか、という日でしたので、発想が他に行かず。
万葉集の『梅の花咲きて散りなば桜花継ぎて咲くべくなりにてあらずや』を意識していない、と言えば嘘になります(笑)
華の字は、垣通には似合わないのですが、敢えて選びました。花より夏らしく感じられる字に私には思えます。派手やかな夏への扉に、垣遠のような顧みられ難い花を据えるのも面白いかと思いまして。
元々、上の句までは我が家で咲いている蓮華草を詠んでいた影響もあります。
花筏。スミレ様が汽水域でそれをご覧になったことを書かれていますが、私も汽水域が近くにあり、やはり桜が植えられています。きっと今年も印象深い光景があったのでしょうが、残念ながら目にすることはなかった為、代わりにスミレ様のお歌で満たされました。
実家は桜だらけの地域にあり、昔は宴会をする人達で夜も賑やかでしたね。騒々しくて寝付けない程。今の静かな花見とは対照的です。
近年シーズンになると必ず取り上げられる桜スポットを作る為、子供の時、掃除兼調査をしたのも、この時期に振り返る思い出。環境を整え、若木を植えてから何年か経ち、見事な桜の名所となってからは春は近付けない土地となりました。これも観光地の宿命でしょう。
只、ソメイヨシノの寿命の儚さを思うと一代目は引退が近いかもしれません。彼等が花咲かせる姿を今一度、見たい気持も湧くのでした。
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