第一話

4月3日


日記を書くのは今日が初めてだから。だからかな!ちょっと緊張してる。愛が緊張だなんて、なんだか不釣り合いだけどね。笑っちゃうよ。

何を書けばいいのかも少し戸惑うんだけど、とりあえずは私の身近にあったことでも書こうかなって思う。


身近にあったことといえばクラス替えかな。

担任の先生はね、20代くらいのいかにも「熱血」が似合うような男性の若手教師だった。齋藤先生だっけ。愛はそういうの苦手だから、一応笑って対応したんだけど。向こうはどうだったんだろう。


「國田さんは、僕が教師をしていて出会ってきた生徒の中で1番仲良くなれそうなんだよ。僕は國田さんが好きだぞ!よろしくな!ほーらぁ、お前らも國田さん見らなえよ!なっ?」

なんて齋藤先生はご自慢の大声で言っていたけど、愛は反吐が出そうなほどゾッとしたな。こっちは誤っても好きとか思わないよ。


気持ち悪い。


クラスの女の子は、斉藤先生に好かれるなんて羨ましい。私も好かれたい。だとかなんだとかぼさいてたけど、愛はその好かれなかった身が羨ましいよ。明日からの学校も担任の彼のせいで憂鬱になっちゃったじゃんね。愛は今、吐き気が催してくるから、担任はこの辺までかな。


次は、クラスメイト。齋藤先生に次いで、鈍くてサバサバした子が多かった。それは私にはすごく好都合で。去年みたいに悪口を言って盛り上がる子達もいないみたい。愛はさ、悪口とか怖いの。去年、言われてた時期もあったし。だから、嬉しいな。

でも、一つだけ嫌なことがそこにもあって。葉月ちゃんが同じクラスだった。葉月ちゃん、去年愛の悪口言ってた子だったし、何かいざこざでもあると嫌だなって。今はそう思ってる。

あとは、印象的な子といったら陽向くん。陽向くんは自宅の最寄り駅が同じ場所だったんだけど名前に反してすごく真面目で大人しい子だった。昨日から、一緒に帰っているけどあんまり話が合わないかもって思ってる。大人しすぎなの。本当に!でも愛はね、もっと話せたらいいなって思ってるんだよ。


なんとも微妙なクラス替えだった!

高校生にもなって悪口とかどうなんだろうねって愛は思ってる!


PS. お母さんが、もう12時半だから寝なさいってさ。だから今日は日記はここまで。またなにかあった日に書こうと思ってる。おやすみ!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

向日葵 月ノゆうね @yunakaku

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ