第4話 最高の時間でした。
結論だけ言います。
最高。
……私の乏しい語彙力では説明しきれないほど最高で、キラキラとしたライブでした。
その上、ライブを行ったのはゲームでは名前しか出てこなかった、先輩アイドルユニット『
ライブで語るとは本当で、輝かしい未来を、夢を見せてくれるような、そんな素晴らしいライブでした。
何あのロイヤルゥな衣装!! さいっこう!!
……そして、何より!! そのメンバーの1人がゲーム登場キャラクター!!
後の、我が最推しの居る『オカシな茶会』のユニットリーダー!
それだけでも鼻血もんですが……私はその時気がついてしまった!
彼がまだ『Utopia』として活動しているということは……つまり!! 私は……プレイヤーと同じ立ち位置!! そして今はゲーム本編の一年前であり、メインストーリーの始まる少し前!! メインストーリーを!! リアルで追えるかもしれない……!!
――なんて、思ってたのが今では恥ずかしい限りです。はい。
いえ、今がゲーム本編の始まる一年前、というのは正しいのです。そしてメインストーリーの始まる少し前ということも。
問題はそこではありません。私が、プレイヤーと同じ立ち位置、ということです!! 私なんかがプレイヤーと同じ立ち位置なわけなかったのです、少し考えれば分かることですけど、本当に恥ずかしい。思い上がりも甚だしい……!!
あの入学式ライブから一ヶ月。
私はこの
……それでも、ここはアイドル育成学校!! 中庭、廊下、様々な所で名だたるアイドル達や、同年代の、ゲームに登場してきたアイドル達、アイドルの卵達とすれ違うことも珍しくありません。
最っ高!! 貴方様方は何度私の心臓を止めにかかってくるのですか!! 素晴らしい!! その神々が創り出したとしか思えない造形!! 目の保養を超えて私は灰になってしまいそうです!! きらめきが、オーラが……眩しすぎる!!
なんて常々、幸せすぎるドキドキを感じる毎日。……え、話しかける? そんなッ、私がそんな事できるはずもありません!!
彼らの記憶に、私みたいな世界の不純物を残してはいけないのです! ……なんてのは、ただの言い訳で、正直言うと……めちゃくちゃ関わりまくりたい。
…………すみません!! アイ育ファンの皆様!! 私はッ、見ているだけで満足……出来てますけど!! 最高ですけど!! でもッ、やっぱり関わりたいのです……!!
出来ることならツーショット頼んで、もしよろしければサインもお願いしたいですッ!!
……でも、そんな事言える勇気がある筈もなく、その上、話しかけても驚かせてしまう……下手したら気づかれない……と、諦めてもいます。
……そうです。これが私がこれまで友達が居なかった原因。
私……透明人間かってレベルで地味なんですッ!!
いやもう超能力!? ってレベルで!!
小学時代に、「あれ、これ私ほとんど認識されてなくね、先生私のこと忘れてる……? あ、謝らないでください!! 忘れちゃってただけですよね? 大丈夫です」……なんて察し始めまして、
中学時代に、「……さすがにこれはおかしくね? 私なんでこんなに認識されないの? ホントに目の前で話しかけないと気づかれないってどゆこと? 後ろ、左右だと近づいても全く気づかれないて……え、私たまに消えるの? 存在消えるの?」と、なりまして、自分が半端なく地味なことを完全に理解しました。
「……ッ!? 居たの!?」なんて、今世15年の人生の中で何度言われたことか。
……だからもう、開き直りました。地味上等!! 一人でライブ行っても、誰にも気づかれないと思えば居心地悪くないし!? 裏方にはすっごい向いてる特質じゃない!? ……友達は欲しいけど、それは頑張って作ろう!! と。
この世界にこうやって生まれたからには出来る限りポジティブに、楽しく生きたいのです。この自虐癖も……やってるうちにちょっと楽しくなってきましたし。
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