幕間1話 白の女神とペリドット
…あの日私は、正しい選択をして、誤った道をつかまされた。そうすべては我らが親愛なる、そしてもっとも憎むべき
「…初心者をイフリート狩りに同行させる?正気かアリス?」
そう、すべてはその奇妙な団長の提案から始まったのである。
当然、副団長として、いや一人のゲーマーとして、私は当然のようにそれに対して忌避を示した。
「いくら団長の頼みであろうとも、そればかりは…」
当然だ。初心者でイフリートについてくる…などと、よほどうまく団長に取り入ったのかもしれないが、寄生でしかない。
だが、私がいい切る前に、団長はとんでもない爆弾を投下した。
「あー大丈夫大丈夫。その子なら、もうイフリート倒して、その奥地でただただ迷子だ!!って慌ててたから。よっぽどイフリートなんかより地図の見方に苦戦してるわ、あれ」
…イフリートを倒した?私たちがクラメン全員で束になってかなうか怪しいイフリートを??
しかし、私の頭はそれを瞬時に切り捨てる。
ないな。すでに他所で寄生を済ませた後か…。忌々しい。
「…うーん?もしかして、寄生だって思ってる?ないない、だってあの子ソロプレイヤーだもん。…たぶん、これから先、知らない人がいないようなレベルになるよ」
「…アリスはその者のことをよく知っているといった口ぶりだな」
…身内びいきというやつか。我らが団長にもそのような人間らしさがあったとは意外だ。
「ま、いいでしょ?大目に見てよ、ジャック。私たちが戦っている間は一切手を出さないこと。もし私たちが死んだら、復活後にソロでイフリートを狩るのを見せること。そういう条件つきつけてあるからさぁ」
なんとまぁ、ひどい条件か。我らが団長は身内にも容赦がないらしい。
「…今日討伐に参加予定のクラメンが納得するなら構わない。アリスに従おう。…どうせ言い出したら聞かないだろう?」
それから30分。長いようでいて、たった30分。私は目の前に現れた、白き
「……これは冗談じゃすまないんじゃない?」
誰の耳にも届きはしない。画面のこちら側で、私はそう呻かずにはいられなかった。
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