第2話 青嵐高校
今年で3年目になる見慣れた門
この季節になるとピンク色の花びらで少しだけ華やかに映る
都立青嵐高校
家から近いという理由だけで決めたこの学校は特別部活動に力を入れている訳でもなく
進学校な訳でもない
ごく普通の生徒が集まる高校だ
校門を抜けるとすぐに玄関があり
全生徒はここを必ず通り各々の上履きに
履き替える
「おはよー!!」
「!」
声の主は誰かすぐわかった
沢田 慎(さわだ しん)
友達のいない僕に先生以外で話しかけるのは彼くらいだからだ
ルックスが良く
運動神経抜群で成績優秀
学校中にファンがいる人気者
誰もが憧れる存在なのに
僕みたいな人間にも分け隔てなく接する為
彼を嫌いになる人はいない
実際僕も彼に挨拶されるのは悪い気分にならないのは彼の人柄だろう
ハジメ「あ、おはよう」
慎は笑って肩を叩き僕を追い越し
他の生徒に挨拶しに走った
僕は少しはにかみ教室へ向かった
3-A
ここが僕のクラス
「ガラガラガラ」
扉を開けると僕に視線が集まる
一部の生徒は気にせずそのまま話しを続け
ているが大半はこそこそと喋り出す
何を言っているか聞こえはしないが
視線を感じる為、僕に向けて言われている
というのは分かる
そしてそれが誉めている内容ではないということも
(そりゃ変わんないよな、、、)
3年になったらもしかして、、、
と僅かながら期待していたが
そんな訳ないと即座に分かり勝手に恥ずかしくなった
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