第4話 牢からワシを出してくれ!
男爵家でのキース
日の昇る朝には座学
日暮れ夕方になると剣術の修行
10歳になった彼の日課となっている。
いつの世も子供というのは学びを強要されるものであったが、キースは苦に捉えてはいなかった。
そんな変わらぬ日々を過ごすキースにも噂話が聞こえてくる。
シュトロハイム領にあらわれた怪鳥の話だ。
この怪鳥は人語を話し、そして誰も知り得ない料理を知っている。
その料理はどれもこれも美味だと、王都にも広まる噂話。
現にシュトロハイム領内で新しく屋台が登場したのだがコレがその揚げ料理なる新しい調理法を用いた料理らしく。
エールと一緒に味わうと最高だと聞く。
現在は チップスやコロッケだけに特化せず、串に刺さった様々な具材をパン粉まぶし揚げる現代で言う串カツもどきがバカ売れしているらしい。
祖父はその噂は根も葉もない話だという。
警備兵の一人が発案した料理が流行っただけだという。
年頃の男子ともなるとこういった都市伝説いや村伝説というべき話に心惹かれるものだ。
陰謀論や秘密結社なんて言葉が大好きなのだ。
場面がかわり夕刻
キースは祖父に連れられ揚げ料理を食べに来ていた。
祖父はこの店に足しげく通っているようだ。
「西の街食堂」と書かれた看板。
街というか村じゃないのかと思うキース。
西の街という表現も何を基準にここを西と言うのか疑問だったが、「王都の西側」と言う意味だと祖父が教えてくれた。
「感の良い読者は看板を英訳しちゃだめだぞっ!」と作者はお願いする。
著作権とかは作者にとって恐怖でしかない。
テーブルに通されると、
祖父は慣れた感じで店員に声をかける。
「エールと果実絞りの水割り、後は盛り合わせ2つ」
店内はかなり客が入っているようで立食形式になっている。
座席は無く、樽をテーブルがわりに並べられておりそこで食事をするらしい。
店内のスペース的な問題や客の回転率が向上する知恵だと祖父は教えてくれた。
「屋台だと聞いていましたがなかなかの作りですねココは」
木製の支柱、屋根は備えてあるが壁は無く 、夜間を灯すランタンの灯りが店内の雰囲気を作っている。
店員がエールと料理を届ける。
樽の上に置かれた エール、果実絞りの水割りそして串に刺さった盛り合わせが並ぶ。
「串揚げはこうやって薄く塩を振って食べるのが美味いのだやってみよ!」
キースもマネをして串揚げに薄く塩を振り口にした。
「美味しいです!」
「この串揚げは肉ですねそれも豚」
「こっちの串揚げは芋ですか!」
様々な材料が串揚げになっておりキースを楽しませる。
「熱くて、ホクホクで、もうたまりません」
「そうじゃろう、そうじゃろう」
所変わり、、いつもの牢屋
「ビリーそろそろワシ牢出てもよくね?」
最近カリスマ感がすっかり残念なハワードがリーにぼやく
「会長にはお世話になってますが流石にカイチヨウを勝手に牢屋から出すわけには行きませんからね。そういうのは当主にお願いしてください」
格子の向こうから上手いこといってやったとばかりにリーはドヤ顔でこっちを見る。
(牢から出たらまずアイツからシバこう)
ハワードが牢屋から出たらやる事脳内リストに刻まれることになった。
そこからまもなくハワードは牢生活から解放される事になります。
それはまた次の話。
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