第4話

「リアム、お腹が空いたら戸棚に入っているものを食べて良いからね。今日は旦那様にもお会いしなければいけないから、少し遅くなると思う。待っていなくていいいから、夜になったら温かくして眠るんだよ?」

「そんなに遅いの?」

 不安そうにノアを見つめるリアムに、ノアは「大丈夫、どんなに遅くなっても明日の約束はちゃんと守るから。リアムも、明日出掛けられるように準備しておくんだよ?」と頭を撫でる。

「準備って?」

「だから、子供は早く寝ろってことだよ!お前この間バテて俺が背負ってやったの忘れたのか⁉」

 安心させようとするノアに更に質問で返すリアムにライアンが鬱陶しいとばかりに大きな声を出した。

「あ、ごめんなさい…分かった、早く寝るようにする。いってらっしゃい。」

 そう言って寂し気な笑顔を作るリアム。

「うん、誰も来ないと思うけど…。留守の間は誰が来てもドアを開けちゃいけないよ、あと…。」

「地下には入らないよ。」

 ノアの言いかけた言葉の先をリアムは引き継ぐように言い、微笑んだ。

 本当は一人置いていかれるのが不安だった。

 留守番をする時はいつもそうだ、もしかしたら兄達は出かけたっきり帰って来ないのではないかという漠然とした不安がずっと心の中に渦巻いて消えない。

 だが付いて行ったところで、自分が兄達の邪魔になってしまうことは分かっていた。今、自分が兄達の為に出来ることは大人しくここで兄達の帰りを待つことだけ。

「じゃあ、いってくるよ。」

「うん、いってらっしゃい。」

 リアムは笑顔を引きつらせながら兄達に手を振った。

 綺麗に身支度を整えたノアとライアンはリアムに背を向け、迎えに来た馬車へと乗り込んでいく。リアムはドアを開けたまま、馬車が見えなくなるまで二人の乗った馬車を見つめていた。


「ふぅ…。」

 二人が出掛けてしまい、一人残された家の中には二人が出掛ける直前に付けていた香水の香りが微かに残っていた。

 ダイニングテーブルを見ると、そこには小さなガラスの香水の瓶が置きっぱなしになっていた。リアムはそれに気づくと顔をしかめて香水の小瓶をひったくるように掴み、ノアのよく使う引き出しにしまった。

 目の前にあの小瓶があることで、まるで小瓶から香りがしみだしているような気がした。

 香水は嫌いだ。

 香りが違うだけで、兄達が違うもののように見えるし、いつもの落ち着く肌の匂いを、あの香水がかき消してしまうから。

 恨めしい目で香水をしまった引き出しを見つめていると、キッチンから何やら物が落ちる音が聞こえた。

「?」

 何かと思い、キッチンへと掛けていくと、調理器具やらが戸棚から飛び出してしまっていた。

(……そういえば、出かける前にライアン兄さんがふてくされながら片付けをやらされてたっけ。)

 普段片付けなどやり慣れていないライアンが、きっと無理矢理に押し込んでしまったのだろう。リアムは飛び出した鍋を拾い上げる。

 と、そこには水色の得体の知れないぬいぐるみの様な物がブヨブヨと体を揺らしながら一生懸命にチーズを丸々頬張っていた。

「わぁあああー!!!」

 見たことも無い生物を目の当たりにしたリアムは、驚きで鍋を持ったまま後ろに尻もちを付いてしまった。

『ん?うるせーな、しずかにしろ。』

 水色の物体はむしゃむしゃと咀嚼音をたてながら一瞬リアムを振り返るとたどたどしく、鼻にかかったようなくぐもった声をだした。

「ひっ…!」

 リアムは尻もちをついた状態のまま、声を殺し、しばらく水色の物体がチーズを食べる咀嚼音をじっと聞いていた。

(あれはモンスターだ!本当にいたんだ…兄さん達がいなくて良かったかも。)

『おい。』

 気か付くと、水色の物体は向きを変え、リアムを正面から見つめていた。

 丸々とした水色の体からは藍色の短い四本の足が生え、頭には足と同じ色の耳が二つ。おそらくお尻と思われる後方部分には下手をしたら足より長い藍色の尻尾の様なものが生えている。

 縫い付けられた黒い点の目が、無感情にリアムを見つめている。

 モンスターかと思った水色の物体は、明らかに猫の形を模した巨大なぬいぐるみだった。

「な…なに…?」

 口なのか鼻なのか定かではない部分を不自然に動かし、ぬいぐるみは声を出した。

『なにじゃねーよ、はらへってんだ。なにかくわせろ。』

 唐突なぬいぐるみの要求にリアムは戸惑いつつも、今朝ノアが作った残りのスープを温め、ぬいぐるみの前に差し出した。

「どうぞ…。」

 恐る恐るぬいぐるみからそっと離れようとすると、再び『おい。』と

 呼び止められた。

「な、なに…?」

『なにじゃねーよ、おまえはおれにめしをゆかでくえってか?てーぶるにはこべ。』

 ぬいぐるみはどこまでが顔なのか分からない顔をくいっと動かした。

「う、うん…。」

 リアムはぬいぐるみに言われるがままにスープの入った器をダイニングテーブルに置いた。

 完全に一頭身で作られたぬいぐるみは短い藍色の足でちまちまと歩くたびに、胴体に詰まった綿がブヨブヨと揺れ、そのアンバランスな姿がリアムには愛らしく見えた。

(太った猫みたいだ…。)

 キッチンからダイニングテーブルまでの距離をぬいぐるみが移動している姿をジッと立ち尽くして眺めていると、ふとぬいぐるみが足を止めた。

「ど、どうしたの?」

『どうしたのじゃねーよ、おれがあるくよりおまえがはこんだほうがはえーだろ!みてないでだっこしろ。』

「う、うん…。」

 ぬいぐるみに促され、リアムは恐る恐る水色の体を持ち上げた。

 毛布のように柔らかい生地と、沢山の綿が詰まっているのか、体全体に弾力を感じる。触れてフワッと香る春の洗い立てのシーツの様な暖かい香りがして、リアムは思わずぬいぐるみをそのままギュッと抱きしめた。

 ぬいぐるみは特に抵抗することも、文句を言うことも無く、黙ってリアムに抱きしめられていた。

 そしてリアムがハッと我に返り、ばっと体からぬいぐるみを引き離すと、ぬいぐるみは相変わらずの表情で『まんぞくしたか?おれ、めしくいたいんだけど。』とリアムを見つめた。

「あっ!ごめん、はいどうーぞ。」

 リアムはぬいぐるみを抱えて小走りにダイニングテーブルへと向かい、スープの入った器の前に降ろした。

『おう、すまねーな。』

 ぬいぐるみはそう言ってスープから立ち昇る湯気をしばらく見つめ、クンクンと匂いを嗅いだ後、適度に冷めたスープをすすり始めた。

 夢中で食べ続けるぬいぐるみに、リアムは「美味しい?」と声を掛ける。

『うまい。』

 短く答え、食べ続けるぬいぐるみを、リアムは横で頬杖をつきながら眺める。

「それ、僕の兄さんが作ったんだ。」

『そうか。』

「あ、今は出掛けてていないんだけどね。兄さん達が帰って来たら紹介するね。」

『ああ。』

「ねぇ、君はどうして喋れるの?ぬいぐるみだよね?」

『おれがはなすのをのぞんだやつがいたってだけだ。』

「のぞんだ…?それは君の持ち主の子?きっととっても喜んだだろうねぇ。」

 ふふ、と水知らずの持ち主の子供を想像し、リアムはふっと微笑んだ。

『もちぬし…?それはちがうな、おれにもちぬしなんていない。』

 微笑むリアムをよそに、ぬいぐるみはキッパリと否定した。

「そう…なんだ、寂しいね。」

『なにが?』

「だって、一人なんでしょ?僕、一人が一番怖いんだ。だから君に会えて良かった!嬉しい!」

『ふぅーん。』

 嬉しそうに微笑むリアムに、ぬいぐるみは興味無さげな声をだす。

 リアムはそろそろスープが無くなりそうなことに気が付くと、急いで椅子から飛び降り、パタパタと再びキッチンへと走った。

 あちこちの戸棚を開け、パンや切り分けられたハムなどを抱えてぬいぐるみのもとへと戻ると「こ、これも食べて良いよ!」とぬいぐるみの前に並べた。

『おお~!わるいなぁ~。』

 ぬいぐるみは並べられたパンやハムを見るなり、歓喜の声をあげてブヨブヨと体を揺らした。ぬいぐるみが食事をしている間は一人でいなくて済む為、リアムは喜んでむしゃむしゃと食べ始めるぬいぐるみの姿にホッと安堵していた。

 リアムは再び椅子に腰かけ、ぬいぐるみを見つめた。何を話さなくても、ぬいぐるみを眺めているだけで不思議と心が満たされる。

(ペットを飼っていたらこんな感じなのかな…。)

 口の中の物を咀嚼する度に水色の体がボヨンボヨンと揺れる様子をリアムはしばらくただ眺めているだけだったが、次第に我慢できなくなり、その丸々とした背中をそっと撫でた。

『……………。』

 何か小言を言われるかと思ったが、ぬいぐるみは特になんの反応も示さず相変わらずむしゃむしゃと硬いパンを引きちぎりながら食べ進めている。

「ねぇ…。」

『なんだ?』

 触っても反応しなかったので、話しかけても返事が返ってこないと思っていたリアムは思わず顔をほころばせた。

「君は、ぬいぐるみなの?」

『ああ。見ての通り、布と綿で出来てる。』

「どうして自分で動けるの?見た目はぬいぐるみだけど、そうしていると動物みたいに見える。」

『まぁ……。』

 ぬいぐるみは一瞬何か言いかけて、一度パンから口を離し、虚空を見つめた。

「…どうしたの?」

 首を傾げてぬいぐるみの様子を伺うリアム。しかし、その問いにぬいぐるみは答えることはなく、しばらく静止した後、再び食事を続けるのだった。


 ぬいぐるみが食事を終え、リアムが後片付けをして戻ってくるとダイニングテーブルの上で『ん~⤴ん~⤵』と独特な寝息を立てながらぬいぐるみは眠っていた。どういう構造なのか、縫い付けられているはずの点の目はしっかりと閉じられている。リアムは眠っているぬいぐるみを自分のもとへと引き寄せ、呼吸の度に上下する腹に顔を埋めた。ぬいぐるみの体はまるで本当に生きている動物の様に暖かく、段々とリアムの瞼も重くなっていく。

『おい、おもいからそのままねるなよ?』

「うわ!」

 寝ていたと思っていたぬいぐるみの突然の声にガバッと顔を上げると、さっきまで閉じていた目がしっかりと縫い付けられた黒い点の目に戻っていた。

「ご、ごめんなさい…。」

『いいけどよ、おれってかわいいからだきしめたくもなるよなぁ。』

「抱きしめても、良いの?」

 恐る恐るリアムがぬいぐるみの顔を覗き込むと、どこに表情筋があるのか、ぬいぐるみは額の布をギュッと寄せて嫌そうな顔をするが渋々『まぁ…いいけどよぉ…。』とつぶやく。

「やったぁ!ありがとう!」

『いっとくけどな、ちゃんとおもいやれよ?このせんれんされたわたのばらんすをくずすなよ?』

 ぬいぐるみは目を輝かせながら腕を伸ばしてくるリアムにアレコレ言うが、既にリアムには何も聞こえていない。

 リアムはぬいぐるみを抱き上げると、その体を思いっきりギュッと抱きしめ、頬ずりをした。

『あああああ~!!!ほらやっぱりぁ~‼おまえ、こらぁっ‼』

 思いっきり抱きしめられ、ぬいぐるみの一頭身の体の綿はリアムの腕を境に上と下で二分化されていまう。大きなひょうたんのような体になりながら、ぬいぐるみは短い足を必死にペチペチと動かし、リアムに抗議する。

 その一方でリアムは尚も笑顔でぬいぐるみを抱きしめ続けている。ぬいぐるみは全く自分の声を聞かないリアムに溜息を付き、諦めたのかしばらくひょうたん型のまま黙っていた。

『おまえ…そんなにぬいぐるみがほしいなら、あにきにかってもらえよ。』

 やっとの思いでダイニングテーブルに降ろされたぬいぐるみは、偏ってしまった綿を自分で体をボヨンボヨンと揺らしながら調整している。

「わがままは言えないよ…、僕は兄さん達と違ってなんの役にも立ててないんだから…。」

『ふ~ん。じゃぁ、おまえもやくにたてよ?』

「そうしたいけど…何をすれば兄さん達の為になるのかも分からないんだ…。」

『まっ、そしたらてっとりばやくかねでもかせげばいいんじゃね?そしたらおまえだってあにきなんてきにしないですきなもんかえんだろ?な?』

「んん…お金ってどうやって稼ぐの…?」

『まぁ…はたらくか、ぬすむかのどっちかだなぁー。』

 短い藍色の前足を組み、うんうんと自分の言葉に頷くぬいぐるみにリアムは首を振った。

「盗むのはダメだ、僕が悪いことをして兄さん達が報復されるかもしれないから出来ない!」

『へぇー、おまえ‟ほうふく”なんてことばしってんのか。あたまわるいふりして、おまえなにげに‟きょういく”うけたことあるだろ?』

「な、ない…。」

『あっそう、でもな…よのなかかねがすべてだ。かねがあれば、みぶんがひくくてもたしゃをあやつれる。おまえはあやつられるほうと、あやつるほうどっちになりたいんだ?』

 ぬいぐるみの黒い糸で刺繍された目が、まるでリアムを見透かすようにジッと見つめている。

(……そういうことじゃない。)

 お金が大事なのは知っている、生きる上で、お金はあやゆる物を得るための交換材料だ。リアムにとってお金とは、毎日家族と一緒に食事が出来る程度あればいいのだ。世の中がどうだの、身分がどうだのというのはリアムの思考の範疇にない。

「どう…でも良い…。僕は、兄さん達と一緒に暮らせればそれで…。」

『ふぅーん、じゃぁおまえはけっきょく、あにきのやくにたたないってことでおちつくな。』

「⁉そんな!」

『だってそうだろ?おまえはかねにしゅうちゃくしないだろうが、あにきもそうだとはかぎらない。おまえがさっきおれにくわせたぱんやはむだって、あにきがかせいだかねでかったものだろう?おまえがいきているだけで、どのくらいのかねがかかっているかかんがえたことあるか?』

「そ…それは…。」

 俯くリアムにぬいぐるみは唐突に流暢に喋り出した。

『叶えてやるよ、お前の願い。』

 艶やかで低い人間の男の声でぬいぐるみは囁いた。

「⁉……あなたは、誰?悪魔…なの?」

 姿はぬいぐるみのままだが、喋り方や声がさっきまでと明らかに違う。

『悪魔なんかじゃない、勘違いするな。俺とお前は対等な立場にない、これは俺の気まぐれで俺がお前に施してやろうと言ってるんだ。悪魔との契約なんかよりも確実で、天使の施しよりも人情的にな。』

「で、でも…、願いなんて…。」

『ああ、そうか。お前の願いはもう叶っているのか。』

「え……?」

 リアムが大きな瞳を見開くと、ぬいぐるみは納得したように短い前足をポンと合わせた。

『お前は兄貴と一緒に暮らせれば良いんだったな?それが今、現実化出来ているのならお前の願いは叶っているということだ。あ~そうだなぁ、じゃあ夢はどうだ?』

「ゆ…め…?」

‟夢”というワードに一瞬リアムの目が輝いたのをぬいぐるみは見逃さなかった。

『ああ、お前の夢叶えてやるよ。』

「そんなこと本当にできるの⁉」

『出来るって言ったろ?』

 自信満々に頷くぬいぐるみにリアムは目を輝かせた。

「僕、パン屋さんになりたいんだ!それで、兄さん達に美味しいパンをいっぱい食べさせてあげたい!それでそれで、食べる物に困ってる人達にも沢山、僕のパンを分けてあげるんだ!お金がなくても僕のパンで沢山の人を喜ばせたい!」

 リアムは両手をいっぱいに広げ、楽しそうに微笑んだ。

『おお~、みごとにおはなばたけなあたまだぜ。』

 そうケラケラと笑うぬいぐるみの声は鼻にかかったくぐもった声に戻っていた。

「むり…なの?」

 不安そうにぬいぐるみを見つめるリアムに、ぬいぐるみは『いや?おまえをぱんやにすればいいんだろ?できるぜ?』と淡々と答える。

「ほんとっ⁉ほんとにほんとっ⁉」

ダイニングテーブルに身を乗り出し、キラキラと目を輝かせるリアムから身を引くようにぬいぐるみはブニュッと体をのけぞらせながら顔をしかめた。

『ああ、ほんとだよ。ほんとだからさわぐな。』

心底嫌そうに額の布をギュッと寄せるぬいぐるみをお構いなしにリアムは「ありがとう‼」と思いっきり抱きしめた。

『ちょっ!だからこらぁ~‼わた、わたぁ!』

二人きりのリビングにぬいぐるみの悲痛な叫びが響いた。



陽が落ちると、室温は一気に下がっていった。

その頃リアムは暖炉の前でぬいぐるみを両手で抱き、毛布にくるまりながら兄達の帰りを待っていた。

「兄さん達、本当に今日は遅いんだな…。」

人恋しさに、スリスリとぬいぐるみに頬ずりをしながらため息をつく。

『そのうちかえってくるだろ、いいからおまえはねろよ。さっさとねるっていうから、おれがそばにいてやってんだろ?ねないならはなれるぞ。』

「あ、だめ!分かってる、ちゃんと眠るから傍にいて!」

『はぁ…。おこさまのおもりはたいへんだよ…。』

ぶにっと身を捩とぬいぐるみは向きを変え、顔を暖炉の方に向けた。

「?どうしてそっち向いちゃうの?」

『おまえがねてるあいだにひがきえたらさむいだろ、それにほっといてかじにでもなったらおれももえちまうしな。』

ぬいぐるみの丸い背中に耳を当て、背中に響くぬいぐるみの声を聞きながらリアムは一人微笑んだ。

「ありがとう。」

『いいからさっさとねろ。』

暖炉の火の暖かさと、ぬいぐるみの体温により徐々にリアムの瞼が重くなる。

眠気に絡め取られ、瞼が閉じるその瞬間、すぐ隣にいるのが見たことも無い変わった服を着た人がリアムを寝付かせるように寄り添っているように見えた。

(……だれ…だろう…、にいさん…?)



「なんでコイツが……。」

帰宅して早々、ノアとライアンは戦慄した。

二人の視界の先にはここにはいていけないものがいたからだ。

『よぅ、ひさしぶりだなぁ~こいつのあにきっておまえたちのことだったのか。ははは、ひにくだなぁ~。』

水色の物体は呑気な声とは裏腹に、その顔はさっきまでリアムに見せていた顔とは打って変わってニッと耳まで裂けた大きな口からギザギザの歯を覗かせ、醜悪に微笑んでいた。






























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