わたしと悪魔

わたしは

あの悪魔の事が気になり

次の日

あの山まで飛んでいった

ばっさ ばっさと

大きな羽をはばたかせ

いつの間に生えたんだろう

この羽は・・・

そんなことを考えながら

眼下の景色を眺め

山にむかう

ようやく山が見えてきた

山の頂上には

小屋が置いてある

わたしは

警戒しながら

離れたところを旋回し

観察する

誰もいないように見える

おそるおそる近づいて

頂上に降り立つ

ごつごつした足場

まわりの山々は

くっきりと空に浮かび上がっている

雲ひとつない空

小屋の中を覗き込む

誰もいない

扉を開けて

中に入る

椅子の上に

アイスの空の容器と木べら

チョコの包み紙

・・・食べたんだ

コーヒー豆の袋もある

これだけじゃ飲めなかったよね

数冊の本が積み重ねられている

・・・

栄養のあるものをもってくると言ってはいたが

見当たらない

きっと持ち帰ったのだろう

悪魔がいた形跡をながめ

いろいろ想像した

悪魔はここでくつろいでいったようだ

ごみを片付けない

悪魔らしい

と思った

アイスの空の容器と

チョコの包み紙をもって

わたしは家に帰った


・・・

そのころ悪魔は

お昼寝をしていた

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