悪魔とたわし

悪魔はたわしを持っていなかった

たわしがなくても

掃除はできるし

洗い物にも困らない

靴を洗うときは

歯ブラシで洗い

隙間の汚れも

歯ブラシのほうが便利だ

だがある日とつぜん

たわしがほしくなった

どうにかして手に入れようと

探しにでかけた

店に入り

たわしを探す

お買いものなんてめったにこない

どこに何があるか分からず

うろうろと探しまわる

店内は広く

泣きそうになった

ここで泣いては

悪魔がすたる

お店の人に聞いてみよう

と悪魔は思った

あの青い制服をきた人に

聞こうと思い

あの~たわし置いてますか?

その人は怪訝そうな顔

たわしですか?え~と

あそこにいる人に聞いてみたらいいですよ

と白い服を着た人を指さす

今度は白い服を着た人に聞いてみた

たわし置いてますか?

はい

と笑顔で答え

案内してくれた

たわしは店の片隅で

ひっそりと売られていた

悪魔は亀の子たわしを手に取り

レジにむかった

たわしを手に

100円玉をにぎりしめ

レジに並ぶ

レジの横のお菓子もほしくなったが

我慢した

悪魔の番だ

98円です

袋いりますか?

はい

悪魔は答えた

102円です

2円足りない

袋いらないです

・・・98円です

ありがとうございました

たわしにシールを張ってもらい

店を出た

レジ袋にお金払うのか

悪魔は思った

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