書き綴り

悪魔とわたし

赤い目をした悪魔が

空から降りてきて

私に言った

おまえがいるところは 

ここではない 

知っているのか?

わたしは

知らない

と答えた

悪魔は

知らないはずはない

そういった

しばらく悪魔はだまっていた

そして

ついてこい

といった

悪魔は

大きな羽をひろげ

ばっさ ばっさ

と飛んでいった

私はついていこうと思い

ばっさ ばっさ 

と飛ぼうとした

大きな羽が生えていた

それほど

驚きはしなかった

ちょっとは驚いたが

羽があったんだ

と思ったくらいだ

わたしはいそいで

飛び立って

悪魔に追いついた

悪魔は振り向きもせず

ばっさ ばっさ

と飛んでいる

わたしも後について

ばっさ ばっさ・・・

やがて

悪魔は山の上に降りた

山のてっぺんだ

わたしもそこに降りた

足元はごつごつしている

ここだ

悪魔は言った

ここ?

そうだ

ここがわたしがいるところ?

そうだ まわりをみてみろ

見渡すと

青々とした山々

霧がかっかっている

何が見える?

やま


そうだ

ほかには?


空が見える

・・・


どうだ 綺麗だろ?

は・・・はい 綺麗です


そうだろ 俺はここが好きなんだ

はぁ・・・どうしてここが  

わたしがいるとこなの?


よくまわりが見えるからだ 綺麗だしな

はぁ・・・ずっとここにいるの

そうだ


ひとりで?

そうかな

食べ物は?

俺がもってくる

なにがいい?

アイスとチョコとコーヒー

栄養のあるものを食べろ


じゃあ あとは適当に

わかった


あと布団と椅子と本と

小屋でもいいから

屋根のあるとこがほしいな

・・・わかった なんとかする

待っていろ

悪魔は

ばっさ ばっさ

と飛んでいった

わたしは

待った

しばらく待っていたが

悪魔はなかなか帰ってこない

とても静かだ

山のてっぺんに

置き去りにされたのではないかと思い

とても不安になった

わたしは考えた

羽があったんだ 帰ろう

そして 

わたしは ばっさばっさ と

空を飛んで家に帰った

ようやく家に帰った

やっぱり家がいいな


そのころ悪魔は

小屋とアイスとチョコとコーヒー

と栄養のあるものと

布団と椅子と数冊の本をもって

ようやく山にてっぺんにたどり着いた

はぁ~持って来たよ 待たせたね

・・・あれっ いない・・・

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