見えない翼
ある日、古びた本屋で出会った一冊の本。
登場人物は小学生の男の子。
その男の子は、クラスメイトに冗談半分で言われたことを何でもかんでも疑わなかった。
「この折り紙食べてみろよ」
と言われれば、何も疑うことなく口に含むのだった。
きっと、世間がこの話を聞けば『悪質な虐め』だと喚くのだろう。
しかし、これは『虐め』ではないのだ。
何故なら、男の子を含め誰も訴えていなかったから。
クラスメイト達は、無意識の内にそう言い聞かせていたのかもしれない。
別の日に、クラスメイトはこう言った。
「ベランダから飛んでみなよ」
その口調は、少し笑いが含まれているような…
決して強制力があるようなものではなかった。
クラスメイトの言葉を聞いた男の子は、教室のドアを開けベランダへと出て手すりに手をかけた。
流石に『これはやばい』と、慌ててクラスメイトが駆け寄り飛び降りるのを止めた。
それは、管理者が席を外した自由時間に起こった何気ない事象として片付けられてしまった。
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