第11話
「たい……よう?」
太陽。それはこの星の全てを昼の間だけ照らし、温もりを与えてくれる神秘の存在。
「
その言葉を鍵とし、俺の頭上に巨大な火の玉が浮かび上がるが、その凶悪さは今まで見たことがないほどにやばい。
そしてこの威力は、俺でさえ二回のプロセスを挟まなければ発動できない強力な魔法だ。勿論威力諸々は調整しているが、本気で放てば国一つくらいは簡単に焦土にできる。
「こ、れは……」
本能的にやばさを感じ取っているメリウスが冷や汗を垂らす。まぁそうだよな、疑似とはいえ太陽が目の前にあるんだ。
「大丈夫。威力は調整してるから――――全力で防御に費やしな」
「!」
俺の言葉が届き、メリウスは魔力をたくさん結界に注いでいき、どんどん強固に仕上げていく。
それでこそ、俺の生徒だ。
「行くぞメリウス。
特級?それじゃ釣り合わない。
禁術?まだまだ温い。
俺のオリジナルはさらにその上。仮に名付けるのなら禁忌魔法だ。
見たか世界よ。これが歴代最優の実力だ。
「すまん。流石にやりすぎたな」
「体が痛いです………」
あれから、見たことの無い魔法の登場と、禁術のさらにその上に区分される禁忌魔法の発表により今までにないくらい盛り上がった会場だが、メリウスは数十秒ほど俺の魔法と対抗した後に、脱落したのだが魔力の使いすぎで全身筋肉痛みたいになっている。
いや、ほんとごめんな?メリウスが想像以上に成長してたからちょっとテンション上がっちゃって…。
ちなみにだが、結界魔法コンテストの一位は勿論メリウスである。これで六日目もディルクロッドが勝利し六勝目。今年も序列一位記録更新である。
「回復魔法は俺よりアンナの方がいいだろうに……」
「先生の魔法で治してくれなきゃやーです」
「いや、まぁやるけど……」
後なんだその「やー」って。可愛いかよ。
魔法で少しずつメリウスの体を癒していく。うーん、これいつかアンナの所に回復魔法習いに行くか?いくら万能を名を受け継いでいても、どうもな……。
「……あの、先生」
「ん?」
魔法な集中していると、メリウスが俺を呼ぶ。顔を上げ、メリウスの顔を見てみるとなんか顔が赤くなっていた。
え、何故。
「あの……聞いて欲しいことがあるんですけど」
「なんだ?改まって」
メリウスが俺の袖を掴んだ。何回かパクパクと口を動かし、遂に決心が着いたのか、目を閉じる。
「わ、私がMVP取ったら!その!私をお―――」
「メリウスちゃーん!」
「ひょわぁぁぁぁぁ!!」
「うおっ!?」
急に背後から扉が勢いよく開き、カレンが突っ込んでくるもんだからびっくりした。メリウスもすんごい声を出してる。
「メリウスちゃん大丈夫!?」
「か、カレンちゃん!こ、ここ……医務室……」
「カレンさん!心配なのはお分かりになりますが、ここは医務室ですのよ!もう少し落ち着きをお持ちになって!」
少し遅れてからメアルも登場する。どうやらメリウスを心配してくれた様だ。
「先生!容赦なさすぎです!」
「いや、それは本当に申し訳ない思ってる」
神器も使ったし、オリジナルのやべぇ魔法も使ったし。でも、運営からGOサインでてたから。
こうして、六日目の幕が落ちる。メリウスの筋肉痛に対しては、俺が一日中ずっと回復魔法を掛けていたため、なんとかいつものコンディションに戻すことが出来た。
そして、遂に魔法対抗試合も最終日となった。ラストの種目は全員参加のトーナメント。今日は隣で一緒に見る人がいないため、アリスとルーナが隣にいる。
なんか周囲から今日は別の女といる見たいな目で見られているが気にしない。気にしたら負けである。
「あ、そろそろ組み合わせが発表されますよ」
アリスが指を指したその先では、何やら色々とシャッフルされている。そして、それが止まり、予選の組が発表された。
「……いきなりメリウスか」
「あ、カレンちゃんは最後ですね」
「ここずっと一緒にいたメアルさんは真ん中ね」
Aグループにメリウス。Jグループにメアル。最後のTグループにカレンであり、A以外の生徒は一旦会場の外に出る。
選手が真ん中にあつまると、地面が浮かび上がり、正方形の舞台ができ上がる。場外に落ちたら負け、倒れたら負けのバトルロワイヤルだ。
「メリウスちゃーん!頑張ってくださーい!」
「負けたら承知しないわよ!」
「ルーナ。セリフセリフ」
ちょっとそれ物騒。
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ティルファくんには絶対にサンセットって言わせたかったの。後悔はしてない。たとえ技名がダサくとも!
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