訓練開始
第1話
教師の生活二日目。朝からちょっとしたハプニング的な何かがあったが、とりあえずなんとか有耶無耶にした。その時の二人の目が絶対に逃がさない的な目をしていたので、今晩は色んな意味で覚悟しようと思う。
「あら」
「お」
メリウスの教室へ向かうために、廊下を歩いていると目の前には昨日挨拶した懐かしい顔がそこにはいた。
「ティルファ」
「よ、アンナ。昨日ぶりだな」
アンナ・マックイーン。言わずともしれたマックイーン家のご令嬢で、回復魔法の使い手で、俺たちと同じ神童。
銀髪のショートカットに、アイスブルーの瞳。整った顔立ち。昨日会った時に抱きつかれたのは少々びっくりしたが、昔の思い出が強いので、あんまりドキドキはしなかったし、昔はアンナとはこういうことはしょっちゅうしていたから、多分慣れだと思う。
俺とアンナは同い年プラス、同じ神童ということもあり、幼い頃からよく一緒に遊んでいたので悪友という言葉が俺とアンナの関係性を示すには丁度いいだろう。学園に同じ時期に入学してからも、色々と新しい魔法を開発したとか言って、その度に学園に迷惑をかけてしまったのはいい思い出である。
「メリウスちゃんはどんな感じ?」
「昨日のを見る限り、なんとかなるとは思うがまだなんとも言えないな。確かに、俺はメリウスのことを最大限手伝いはするが、結局は本人がどれだけ頑張るかだからな」
神童とはいえ、そこは一般の魔法使いと変わらない。頑張れば頑張るほど、成果は必ず付き、魔法はそれに応えてくれる。
勘違いされがちだが、魔法は術者の一方通行だけではダメだ。ひたむきに努力する姿勢を示し、魔法に対して理解をしようとしなければ、魔法は充分の威力を出すことができない。
「きっと大丈夫だよ、ティルファなら」
「………姉さんやメルジーナ様にも言われたけど、君たちのその根拠の無い自身ってどこから来るの?」
ほんと不思議。俺に対して信頼感が謎に強い。
「だって、ティルファは今世代最高の神童だよ?最強はメルジーナ様かもしれないけど、私達は知ってるもん。ティルファが常に、魔法の事を考えているんだって」
アンナが俺の手を両手で包む。
「だから、ティルファは自信持って。ティルファが凄いことは、皆認めてるんだから」
「アンナ………」
何これ。ちょっと感動した。最後にあったのは勇者に着いていく前の話だったけど、こいつなんか変わりすぎじゃない?
昔なんか、「見てみてティルファ!世紀の開発しちゃったよ私!」と物凄い笑顔を浮かべて、いざその魔法を発動しようとしたら、何がいけなかったのかちゅどーん!と爆発して、その後一緒に教師に謝るまでが一連の流れだったのに。
………アンナも、成長してるんだな。
「え、ちょっと待って。なんでそんなティルファの目が生暖かくなってるような気がするの?」
「いや……アンナも成長するんだなって思って感動してた」
「どの位置目線で言ってるの!?」
そりゃあお前、悪友目線だろ。
「アンナせんせー!少しお時間―――――」
「あ」
「お?」
その時、廊下の曲がり角から一人の女生徒の声が聞こえ、勢いよく――――というより、こちらに体を向けたまま、片足で急ブレーキをしながらスライドするという、なんかものすごい元気そうな生徒が現れた。
笑顔でアンナへと近づこうとしたその女生徒だが、次の瞬間にはピシリと動きが止まり、まるで石になったかのよう。
一体何を見て――――
「あ」
「え?」
気づいた。そういえば、俺手を握られたまんまじゃん、と。俺が視線を向けたのを見てからアンナも視線を下に向けると、それに気づき、急速に顔が赤くなる。
確かに、これは見ようによっては恋人たちが手を繋いでるようにしか――――
「し、失礼しましたぁぁぉぁぁ!!!」
「わぁぁぁぁ!待って待ってカレンちゃーーーん!!」
そして、脱兎のごとくという言葉が似合うほどの強烈な速さで脱出。そして、アンナもその生徒を追って急いで駆けて行った。
アンナの反応を見るに、あれを止めなければ俺とアンナの恋人疑惑がこの学校中に知れ渡る事だろう。更に、アンナはあの美貌+保険医ということでこの学校では生徒の人気が高いということを聞いている。
「………面倒くさげな予感!」
俺は急いで、あの生徒に向かって拘束魔法を発動させた。
「ふみゅう!」
次の瞬間、追いかけようと足を動かした俺の耳にそんな声が聞こえてきた。曲がり角を曲がると、アンナが盛大に転んでいた後だった。
………そういえばお前、運動苦手だったな。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
明日はガチャ更新!そして今日はぱかちゅーぶの生放送!一体どんな新情報がでるのか!私、気になります!
明日出てくる新キャラの方にも期待したいですね。メジロドーベルやら、エアグルーヴとマヤノの新衣装やらが噂されてますが、作者はメジロドーベルならガチャを引く、新衣装ならスルーしてマンハッタンカフェが来るまでの石貯めとします。
カフェにずきゅんどきゅんされたい。
そして、新作の方は名前を少し変えたいと思います。あれだけだったら少しインパクトが足りないなぁと。今日の更新時に題名を変えるので、よろしければ覗いてください。ここから個人的に面白くなると思います。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます