第2話

「お、おい……大丈夫か?」


「だ、大丈夫……それよりカレンちゃんの方を追って……っ!」


 鼻を抑えながら涙目になっているアンナ。別に、そのカレンという生徒の方は既に魔法で束縛しているため、ぶっちゃけここでアンナを助けてから言ってもいいが………まぁ他の生徒と出くわす可能性もあるから、ここはアンナに従って置くのが正解か。


「分かった。こっちに連れてくる」


「うん、おねがいひまふ……」


 鼻を押さえながら言うアンナを背に、先程放った魔法の気配を追っていく。幸い、近くにいたため直ぐに確保できる。


「んぐぐ……な、何これ……動けない……!」


 そして、魔法を追っていくと、先程ちらりと見た赤髪ポニーテールの少女がアンナと同じように地面に倒れ込んでいた。


「………おい、大丈夫か?一応俺の魔法は足を止める程度にしておいたんだが」


「え!?これって先生がやったんですか!?」


「おう。なんだか凄く面倒くさそうな勘が働いたからな」


 勇者と共に入れば、嫌でもこんな勘を感じ取るのが上手くなってしまった。


 そして、俺は地面に倒れ込んでいる少女を一旦回り込んでからしゃがんだ。


「念の為聞くけど、お前このまま去ってたらどうした?」


「そりゃ勿論!私の友達という友達に先程見た光景を余さず残さず伝えて――――って痛い痛い!あんまり痛くないですけど心が痛いです!」


 俺は、目の前の少女の鼻を摘んだ。良かったわ。本当にここで捕まえきれて。


「よし、とりあえずこのままアンナの所に連れていくぞ。大人しくしとけ」


「え……もしかして私このままですか?」


「大丈夫。痛くないから」


「そういう問題じゃないです!こう……なんといいますか!私の乙女のプライドが―――待ってください!本当に待ってください!」


 よっこらせ、と俺は少女を魔法で縛った持ち上げる。こいつ軽いな。ちゃんと飯食ってるか?ルーナでさえもうちょっと重かったぞ。


「ちょ、先生!せめてこの魔法解いてください!」


「お前飯食ってる?いいか、魔法使いにだって体力は必要なんだぞ。全ては身体から出来ているんだ。しっかりと飯食って、体力付けると、魔力量だって比例して増えていくんだからな。ここの土地の性質も相まって、その効率は――――」


「え、解説?先生?せんせーい?」


 なんだ?お前、こうして触れているだけでもなかなかの素質を感じるから、ここら辺しっかりすると、将来化けるぞ?


「あの………下ろしてください………」


「なんか逃げそうだからだめ」


「えぇぇぇぇ…………」









「よ、連れてきたぞアンナ」


「おはようございますアンナせんせー」


「どういう状況なのこれ!?」


 流石に廊下に居続けるのは迷惑だと思ったのか、教室に入って待っていたアンナ。俺は魔力反応でアンナがどこにいるかとか分かっているため、その教室に姿を表したら、目を丸くさせた。


「ほら、ゆっくり座らせるから気をつけろよ」


「あ、ありがとうございます」


 それにしてもこの生徒―――カレンというのだが、中々凄いやつである。最初は脇に抱えられてて文句を垂れ流しいたが、数秒後には「あ、なんかこれちょっと楽かも」と言って、馴染んだ。


 なんか………うん。カレンの凄さをかいま見たような気がした。


 俺は、一旦カレンを抱え直してからゆっくりと椅子に座らせてから、指をパチンと鳴らす。


「おぉ……魔法解除する時の無駄な魔力もなし……この先生何者ですか?」


「私としては、あの短時間で何があったのか知りたいけれど………」


 と、アンナは頭に手をやってため息を吐く。


「まぁいいわ。いい?カレン、あれは決して――――」


 と、ここから物凄い勢いでアンナが先程の事態に対しての言い訳をしていた。「彼はただの幼馴染」とか「あれくらいのスキンシップは普通」とか。まぁ、確かに合ってるな。ほんとうに、アンナとは三歳の時からの付き合いだし、手を握るくらいなら普通だ。


 だけど、あまりに早口過ぎて、三割しか言ってる内容が分からない。カレンもそうそうに聞くのを諦めて「そうですねー」と適当に相槌していた。


「と、いうことはティルファ先生も神童なんですか?」


「ん、まぁそういうことになるな」


 と、言った瞬間、カレンの目が輝いた。


「ほ、ほんとですか!どこ担任ですか!私、ティルファ先生の授業聞きたいです!」


「俺、特例クラスだけど?」


「じゃあ私も特例クラス行きます!」


「ばかばかばか」


 そんな簡単に「はいそうです」で行けないのよ特例クラスは。お前の実力からして、特例クラスはまだ早い。でないと、今特訓中のメリウスの暴発した魔法に巻き込まれて死ぬぞ?


「神童に教わりたいなら、そこのアンナとか、姉さ――――学園長がいるじゃんか」


「学園長に教わるとか恐れ多くて無理ですし、アンナ先生は治癒魔法の分野でしか教えられないので無理です」


 そうカレンが言った瞬間、何かの言葉の矢がアンナに突き刺ささり、「ゲホッ」とダメージを受けていた。







ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

読者諸君…………待ちきれなかっただろう?


さぁ、ウマ娘ガチャ更新の時恒例!コメント欄で盛り上がるガチャ報告会のお時間がやってきたぜ!


あとがきが本編?本編がおまけ?んなもん知らん。俺だってコメント欄楽しみにして待ってるから。なんならあとがき書くためにこの作品の更新してるから。


ちなみに!俺はまだガチャを回してません!月曜日に友達の目の前で回します。メジロドーベルまじ可愛い。

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