第10話

「上手くいきそう?」


「姉さん」


 今日一日の授業も終わり、家に帰ってきてゆっくりしていると、姉さんが部屋に入ってきた。


 何が?とは聞かなくても、対象は勿論メリウスについてのことだろう。


「うん、まぁそうだな。上手くはいきそう」


「ほんと?」


 今日、メリウスにしてやった授業は、とりあえず魔力が抑えられているという感覚を体に覚えさせることだ。メリウスの体は、体から盛れでる魔力が悪い方向に作用していて、それが自分でも気づかない魔法にへと変化している。


 だから、俺がメリウスの魔力を無理やり吸収して、『魔法が出ない』という感覚を教えた。


 最初の方は、魔力を吸収するのをやめた瞬間に魔力がまた直ぐに漏れ出て、魔法が出てきたが、さすがは神童と言うべきか、魔法に関しての才能はぴか一で、完璧とは言えないが、少しは魔法を制御できるようになってきた。


「このまま順当に行けば、一週間後には魔法の暴走というのは無くなる。順当にいけば……な」


「ティルファ?」


 しかし、俺の勘がこのままでは絶対に上手くいかない言っている。俺のこの勘はよく当たるので、これからも油断しないようになんとか――――


「大丈夫だよ」


「姉さん?」


 後ろから、姉さんが抱きついてきた。昔から馴染みの体温に安心する。


「ティルファなら、きっと大丈夫。だって、私の弟で、今代最強の神童だもん……だから大丈夫」


 耳元で、姉さんが優しく囁き、右手は俺の頭を撫でる。


 昔から、俺は姉さんの事が好きで好きで、よく後ろを着いて行っていたことを思い出す。姉さんは、小さい時から可愛くて、完璧で、頭も良くて、俺の目標でもある。


 そんな姉さんにこんなこと言われたら、嫌でも自信がつくに決まっている。


「………姉さん」


「……?ティル―――!ど、どうしたの!?」


 俺は、姉さんの抱擁を一回解いた後に、姉さんをそのままベッドに押し倒した。


「好きだよ、姉さん」


「ティル―――んっ」


 唇と唇が触れる。じたばたと、姉さんが足を動かすが、マウントは俺が取っているし、腕も俺が掴んで逃がさない。


「姉さん……」


「ティルファ、ちょっとま――――んんっ……んん……」


 一旦インターバルを置いてから、また直ぐに姉さんの唇を塞ぐ。キスなんて、俺の知識は唇を触れ合わせるか、舌を絡ませるぐらいしか知らないが、今はそれでいい。


 これから、何をされるか姉さんも薄々気づいたのだろう。キスだけの分以上に顔が赤くなる。


「…………いい?」


「……………うん」


 その夜、水色の髪が跳ねた。











「無能姫の様子はどうだ」


 深く、木が生い茂る森の中に、まるで隠れているかのように存在する、自然と共に生きる国『フォレストキシニョフ』はそこにある。本人たちは隠れている気なんてサラサラないが、他国から見ればそう見えるのだ。


 そして、とある木の上で巨大な体躯に、丸太のように太い腕、そしてなんと言って目を見張るのは全身黒と黄色のシマシマ模様の肌。


 亜人でも、獣人―――虎人族ライカンスロープと呼ばれる、昔から肉弾戦が得意な種族である。


 そんな虎人族が右手に持っているのは、魔石通信機と呼ばれる物で、離れた場所でも通信することが出来るという優れものだが、高価だし、二つで一つという扱いなので、特定の相手としか通信すること出来ないので、あんまり出回ってはいない。


「順調と言えますでしょうね……ですが」


「なんだ」


 通信機の向こうから聞こえる声が一旦途切れたので、不思議に思った虎人族が通信機へ喋りかける。


「いえ……その、なんと言いますでしょうか………あの無能姫に新しい教師が着きまして」


「なんだと?」


 その報告に、思わず眉をひそめたが、どうせ壁になるほどではないだろうと結論付け、直ぐに戻す。


「いい、気にせずにお前は任務を実行しろ。障害となる場合は―――構わん、その教師諸共捻り殺せ」


「仰せのままに」


 その言葉を最後に、通信は終わる。そして、その虎人族は、楽しみで仕方がないといった顔でニヤリとその顔を笑わせる。


「ククク………これであの無能姫が殺されれば、必然的に次の王は俺だ………ククク………フハハハハ!!」


 その男の名は、ガレオン。フォレストキシニョフを支配しようとしている男だ。




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こいつら!うまぴょいしたんだ!


ついに、好きだっちからのうまぴょいコンボが炸裂しましたね。おめでとう主人公、脱うまぽいだね。


28日にガチャ更新がきて、しかもブライダルイベント?最高かよサイゲームズ。しかもメジロドーベルが実装されるたまことしやかにささやかれている。


個人的はよ実装しろ三強がマンハッタンカフェ、アドマイヤベガ、メジロドーベルだったので、これは嬉しい。マンハッタンカフェ来たら三万課金するわ。


マチカネタンホイザでもええんやで(ボソッ)


新作の方もよろしくお願いします!

『血濡れのウィード

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