第2話
ジャラララ!と白色の鎖が空中から出てきて、ウルゴスの手足を縛る。
「なっ!?」
「セアっ!!」
その間に聖剣を携えたあのクズがウルゴスへ肉薄する。しかし、流石は悪魔と契約しただけはあるのか、
……ちっ、流石に太古の神が使った下位互換だから拘束力が足りなかったか……。
「おい!役立たず!止めるなら止めるでしっかりと止めろ!」
「あぁ!?貴様がトロトロしてるから避けられたんだろうが!」
俺はしっかりと足止めしたろうが!あの一瞬の隙があればお前なら真っ二つだろうがクソッタレ!
「言い争いしてる場合ですか!」
「それじゃあ、私はよそ見してる場合?って聞くね」
影からまたでてきたウルゴスが、魔法を発動させようとしたが、ぐにゃりと奴の景色が歪み、そこから一人の女性の姿が現れた。
「な!いつの間に!?」
へぇ、あの踊り子みたいな格好してるの、中々いい魔法を使うじゃん。
今、彼女が使ったのは同化魔法だろう。自身を周りの景色や空気と同一化して、相手に姿を見せないようにする難易度の高い魔法。デメリットは、その魔法を発動している場合、歩くぐらいの行動しか出来ないくらいで、攻撃をする場合は先程のように姿を出さなければいけない。
誰かはいるなとは直感的に思ってはいたが、あそこまで見事なのは初めて見た。
「アンタ、戦闘下手くそすぎ。その実力でよく仕掛けようと思ったね」
「グッ……!」
スパン!と先程の女が暗殺刀を振り上げると左腕が切断され、それを見たウルゴスは忌々しげに下がる。
だかしかし、そこは既に俺の領域だ。
「鳥籠」
「なっ!?」
ウルゴスがそこに足を踏み入れた瞬間、魔法陣が発動される。
罠設置型魔法の鳥籠。片足でも踏んだ瞬間に発動し、一度に500を超える魔法が対象の周囲を舞い、魔法の檻が出来上がる。
しかも、その一つ一つの魔法は、当たりどころが悪ければうっかり人体が吹き飛んでしまうくらいの威力だ。
「よくやった役立たず。逃がすなよ」
「バカ言え、外すのはいつもお前だろうが」
勇者の聖剣にどんどん光が集まる。どうやら大技を使うようだ。
「上にあげる!外すなよヘボやろう!」
「誰にものを言っている役立たずが!」
「くっ、ここで死ぬ訳には……っ!!」
苦し紛れにまたもや影に潜ろうと奴の身が沈み始める。しかし、俺が一度対処できなかった魔法をむざむざともう一度喰らうような可愛い性格なんてしていない。
俺はダン!と強く地面を踏むと、足先から黒い影が出てきて、それは高速でウルゴスの影に向かっていく。
「な、なぜ!影潜りが!」
「対策したからに決まってんだろ」
「バカな!そんな魔法!この世にはないはず!」
「当たり前だろ。さっき作ったんだから」
「なに!?」
おいおいおい、さっきまでの余裕綽々な丁寧語はどうしたよ。
はい、とりあえず上に上がってくださーい。
ブワン!とウルゴスの体が
「唸れ聖剣―――――」
そして、俺がやつと共に行動をしていた時、一回しか見た事がない、あの聖剣『アスカロン』のとっておきの一撃。
「
その一撃は、この世界最強クラスとも言われている龍でさえ、決まれば一撃で倒してしまうと言われている一撃。俺が見た時は、龍には遠く及ばないが、それでも現れれば一国の危機とまで言われている地龍との戦いの時だった。
翼はあるのだが、図体がでかくなって飛べなくなってしまったあの地龍を屠る一撃は、遥か彼方まで届き、地面を抉っていた。
そんな一撃が、人に向かっていく。当たれば塵さえも残らないだろうなぁ……ほんと、あいつあのクズの怒りをどれだけ買ったんだよって話。
しかし、油断なんてしない。現にあの痴女はやったやったなんて喜んではいるが、俺と勇者はずっとあの光の奔流を睨みつけている。
「気をつけろ……手応えが――――っ!!!」
「グッ!?」
「キャァ!?」
その途端、今まで感じたことの無い強者のオーラが一帯を覆い、なにかの衝撃で俺たちは吹き飛んでしまう。勇者はあの痴女を助けていた。
「……ふぅ、危ないところでした。ラプラス様が来てくれていなければ私はきっと塵すらも残ってなかっですね」
と、聞こえるのはやはりどこか残念臭のするウルゴスの声。吹き飛ばされた衝撃のダメージを回復魔法を自身にかけながら立ち上がり上を見つめる。
「……あれが」
「刮目しなさい。これが未来を見通し、因果律を操作するラプラスの悪魔です」
――――悪魔か。
空中には、あのウルゴスを抱えあげるようにして守っている悪魔の姿があった。
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二次創作のクオリティはpixivよりもハーメルンの方が三倍くらい高い(当社比)と思ってる作者のあとがきコーナー!
昨日めちゃくちゃ面白い二次創作見つけて、この人なんでオリジナル書かないんだろうなぁ。絶対書籍化するのになぁと思いながら読んでました。
ハルウララとやっと温泉旅行行けました。ウララがいい子すぎて泣きそう……。
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