第5話
「三人一部屋で大丈夫よ」
「待て待てルーナ」
しれっと三人一部屋の部屋にねじ込もうとするルーナを止めようとする俺。こうなったらルーナが行った後にさりげなくまた俺が言うしかない。だってほら、ルーナが店員さんに一部屋でって言った時の顔みた?めっちゃポカーンとしてたよ。
「店員さん、部屋二ーーーーー」
「はい、ティルファさんはちょっと静かにしてましょうね」
と、俺の後ろからアリスが手を伸ばし口を塞いできた。ちょ!?アリスもまさか
てか感触!?何とは言いいませんけど至福の感触が背中にあたって、何やらふにふにと形を変えてるんですけど!?
…………いや待て、今はそんな感触に意識を奪われている場合じゃない。早くしないとルーナがそのまま店員さんに押し切って三人一部屋にぶち込まれてしまう。それだけは俺のため(心の平穏)に何とか回避せねば!
今はもう悩みの種の勇者もいないから、癒されなくても別に大丈夫だしな。
ということで、俺は手を伸ばして口を両手で塞いでいるアリスの手を掴んで離し………はな……離して………。
ちょ!?全くもって離れねぇ!?アリスこんなに力強かったっけ!?
頑張って目の可動域を最大限に活かしてアリスの手を見る。すると、何やらちょっと虹色の膜みたいものが見えてーーーーって身体強化使ってらっしゃいますね。
俺は他人が使った魔力の動きが見えるので、こうして見れば相手がどんな種類の魔法を使っているのかが分かるのだが………ガッツリ身体強化の魔法使ってるよこの子。
「………えっと、本当に三人一部屋でいいんですか?」
「ふふん!(ダメ!)」
「大丈夫よ。あと、そっちの人の声は無視していいから」
こらぁ!ダメって言ってるでしょーが!
「それに、今夜彼からプロポーズしてもらう予定なの……だから、邪魔が入らないように三人一部屋がいいんだけど、ダメかしら?」
「プ、プロポーズ!?」
こらぁ!何勝手に人の告白事情話してるんだ!いや、しますけど!?確かにプロポーズしますけど!?
「わ、分かりました!!三人一部屋ですね!分かりました!ついでに値下げもしておきます!」
と、顔を赤くした店員さんがテキパキと何やら紙に書いていく。
「こちら鍵です!成功祈ってます!」
「ありがとう、可愛らしい店員さん」
ニコッ、とルーナが店員に向けて笑顔を浮かべた。あぁ……結局阻止できなかったか……てかプロポーズの件について出た時点で完全に詰みなんですけども。
「ナイスよアリス。ついでにそのままティルファを部屋に連れていくわ。どうせ逃げるもの」
「分かりました。ルーナさんも前からしっかりと抑えてくださいね」
と、俺はそのままルーナに両手を捕まれ、そのままズルズルと引っ張られる。くっ、このままだと本当に三人一部屋になって、きっと俺の理性が弾け飛ぶ!それだけはなんか嫌だ!
ということで、緊急脱出!
「あっ!?」
「テレポート!?」
シュン!と、なぜ最初からしなかったと言いたくなるが、テレポートを使い、ここの宿屋の屋根にワープした。
「………ふぅ」
……ほんと、なんで最初からテレポートしなかったんだろう俺。そうすれば未来はちょっとくらい変わってたかもしれないのに。
俺は確かに二人のことは大好きだし、三人一部屋とか本当だったら両手をあげて喜んでいただきますしたいよ?
でもさ………そういうことをするのはお付き合いして、ご両親への挨拶を済ませてからだろ!?
「……全く。後で1人でカウンターに行って、俺だけ別の部屋に泊まろう」
とりあえず、二時間位経ったらまた戻って、部屋借りて、店員さんに二人の部屋を聞こう。そして、二人にプロポーズをする。
これから二人と街を回れないのは残念だが………まぁ、二人に渡す指輪を探すという意味ではいいかもしれないな………。
「に、逃げられました!?どうしましょう!?」
「くっ……忘れてたわ。ティルファ、ストレス溜まりまくってる時は大胆なのに、普通の時はそこそこヘタレだってことに……」
悔しそうに顔を抑えたルーナ。
「一流貴族ですもんね、ティルファさんの実家……仕方ありませんね」
「けど、何としてもティルファがもう一部屋借りるということは阻止するべきよ」
「ですね!ということで店員さん……御協力お願い出来ますか……?」
「お任せ下さい!」
「ありがとう。とりあえずこの広い街からティルファを探すというのは諦めましょう。すれ違いになったら困るわ」
ということで、何としてでも三人一部屋の部屋にティルファを連れ込もう作戦が、店員もグルになって遂行されることになる。
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ウマ娘してたら遅くなりました。
許せ
P.S.マルゼンスキーでうまぴょい伝説を見れました。マルゼンスキーすこ………
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