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政宗に勉強を見てもらった甲斐もあり、小春は第一志望の高校へ無事合格することができた。それなりに友達もでき、充実した高校生活を送っている。
「三組の日野くん、沙季ちゃんと付き合ってるんだって!」
「えー、なんか意外な組み合わせ。」
「図書館でキスしてたらしいよ。」
「うそっ、マジで?!」
中学の時よりもディープな恋話に、小春は聞いているだけでドキドキしてしまう。
誰が誰を好きとか、誰と誰が両思いだとか、そんな情報でキャーキャー騒いでいた中学時代が可愛いものだ。やはり高校生にもなると、また一歩進んだ恋愛になっていくのだろう。そんなところで大人に近づいたことを小春は実感していた。
「小春ちゃんは彼氏いる?」
「ううん、いないよ。……好きな人はいる。」
「ええっ、誰?うちの学校?」
「幼なじみ……かな。」
「何それ、ときめく!幼なじみを好きになるとか、ドラマの世界じゃん!」
「そうかな?そういう夏海ちゃんはどうなの?」
「私は大学生の彼氏がいるよ。」
「大学生っ!」
あっけらかんと言う夏海に、小春は目を見開いた。小春の好きな人、政宗もまた大学生だ。
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