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「政宗くん、好きです。」
気づいたときには告白していた。
いや、本当は自分でも決意していたのかもしれなかった。
好きな気持ちを抑えきれず、小春は真っ赤になりながらそう告げた。政宗は一瞬目を見開き、ゆっくりと口を開く。
「ありがとう。」
その柔らかい受け答えは、完全に年上目線のものだった。まるで親のような兄のような、小春のことを妹としか見ていない、そんな口調だった。
小春は慌ててその場を取り繕う。
「そう、そうだよ。お兄ちゃんの友達としての好きだよ。だからこれからも遊んでね。」
「もちろん。俺も小春が好きだよ、受験頑張ってね。」
どうにかごまかせた気がした小春はほうっと胸を撫で下ろす。政宗にとったら小春はまだ子供で、優也の妹で、一人の女性としては見られていないことを痛感してしまった出来事だった。
それでも、最低限今の関係が壊れずにすんでよかったと、小春は安堵した。それに、これで恋愛に現を抜かすことなく受験勉強に専念できると、小春は自分を奮い立たせた。
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