35
「夏海ちゃんこそドラマの世界みたいだよ。」
「いやいや、ただバイト先で知り合っただけ。ドラマのような展開はないよ。」
と言いつつ、夏海は満更でもない顔をする。
恋人ができると誰しも浮かれてしまって、友達に話したくなってしまうものだ。何だかいろいろ聞いてほしそうな夏海の様子に、小春は微笑ましくも羨ましくも思った。
「……もうキスとかしちゃったり?」
「……うん。」
とんでもなく乙女感を出す夏海に、小春の方が恥ずかしくなってしまう。もしも政宗とキスをしたら……なんて妄想してしまったものだから、小春は一人顔を赤らめた。
小春は政宗にフラれているのだから、この先どうこうなることはない。それはわかっているが、小春は今でも政宗のことが好きだった。
「それでさ、バイト先でたまたまラストまで入ってたのが私と彼でさ、閉店後に二人きりになったときにキスされちゃった。」
「ひぇぇっ!」
赤裸々に語り始める夏海だが、小春は内心ドキドキが止まらず思わず頬を押さえた。まだ何もない、ただの片想いしかしたことのない小春には刺激が強すぎる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます