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「夏海ちゃんこそドラマの世界みたいだよ。」


「いやいや、ただバイト先で知り合っただけ。ドラマのような展開はないよ。」


と言いつつ、夏海は満更でもない顔をする。

恋人ができると誰しも浮かれてしまって、友達に話したくなってしまうものだ。何だかいろいろ聞いてほしそうな夏海の様子に、小春は微笑ましくも羨ましくも思った。


「……もうキスとかしちゃったり?」


「……うん。」


とんでもなく乙女感を出す夏海に、小春の方が恥ずかしくなってしまう。もしも政宗とキスをしたら……なんて妄想してしまったものだから、小春は一人顔を赤らめた。


小春は政宗にフラれているのだから、この先どうこうなることはない。それはわかっているが、小春は今でも政宗のことが好きだった。


「それでさ、バイト先でたまたまラストまで入ってたのが私と彼でさ、閉店後に二人きりになったときにキスされちゃった。」


「ひぇぇっ!」


赤裸々に語り始める夏海だが、小春は内心ドキドキが止まらず思わず頬を押さえた。まだ何もない、ただの片想いしかしたことのない小春には刺激が強すぎる。

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