23

「心臓が痛むのか?」


小春が胸の辺りをぎゅっと掴んでいるため、政宗は慌てて小春の側に駆け寄ったが、小春はふるふると首を横に振る。


「……なんでもない。それより政宗くん、来てくれたんだ?」


「ああ、ごめん。ノックしたんだけど反応がなかったから勝手に入ってきたよ。」


「考え事してたから気づかなかった。」


「そっか。」


政宗は軽く微笑んで、ベッドの横に設えてある椅子に腰を下ろした。

窓から差し込む日差しが政宗を照らし、キラキラと輝いて見える。とたんに小春の胸はドキドキとうるさい音を立てた。


会えて嬉しいのに、上手く言葉が出てこない。

お互いしばらく見つめ合い、とたんに恥ずかしくなった。

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