22
***
「はぁー。」
小春は病院でもう何度めかわからないため息をついた。
手術前から入院し、いろいろ検査をする。
迫ってくる手術日に内心びくびくしていた。
手術は、怖い。
両親も兄も学校の友達も、皆明るく励ましにきてくれた。それはとても嬉しくてありがたくて、まわりから愛されていることを実感する。反面、これが最後の挨拶になるのではといったネガティブな考えも頭を過るのだ。
もし自分が死んだらどうなるのだろう?
不安がとめどなく襲ってきて、小春の胸を締め付ける。思わず自分の胸の辺りをぎゅっと掴んだ。伝わる心臓の鼓動が妙に大きく感じられた。
「小春、どうした?」
突然名前を呼ばれ顔を上げると、そこには心配そうな顔をした政宗が立っていて、小春は目をぱちくりさせて驚いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます