10

「治らないのか?」


「俺も詳しくはわからないけど、両親が手術の話をしてるのを聞いたことがある。」


「そっか、大変だな。」


「いや……あー、この話は小春には内緒な。あいつああ見えて気を遣うやつだし、運動以外は普通に学校生活もおくれてるから。」


「わかった。」


頷いたものの、政宗の胸はズドンと重くなった。まさかこんな身近にハンディキャップを抱えた人がいたとは思わなかった。しかも幼なじみだ。見た目は全然普通なのに、見えない部分に障害がある。そういう人もいるんだと、初めて実感した出来事だった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る