第18話

短いです

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 遂に迎えた紅愛の誕生日。自室で何とか隠し通せたプレゼントを右ポケットに仕舞う。なぜ右かと言うと紅愛が抱き着いてくるのが高確率で俺の左側だからだ。

 準備を終えた俺は部屋を出てリビングで紅愛を待つ。20分くらいすると上からドアの閉じる音が聞こえ、続いて階段を下りる音が聞こえてきた。


「お待たせしました……どうでしょうか?」


 リビングの入口に立った紅愛はこちらの様子を伺うような表情で聞いてくる。黒を基調とした服装は紅愛の高校生離れした大人っぽさを際立たせており、思わず見蕩れてしまった。


「……あっ、お、大人っぽくて綺麗だよ。凄く似合ってる」


我に返った俺は反応がなく不安そうにしていた紅愛を慌てて褒める。俺が褒めると紅愛は嬉しそうに微笑みを浮かべた。


「ありがとうございます。蒼太くんもかっこよくてお似合いですよ」

「あ、ありがとう…それじゃあ、行こっか」

「はい」


 玄関へ向かい、順番に靴を履いて家を出る。紅愛は家の鍵を閉めると早速腕を組んできた。俺の予想通り左側で腕を組んでくれたので、紅愛はまだプレゼントの存在に気付いていない。


「それで今日はどこに連れていってくれるのですか?」

「今日はあの有名なテーマパークだよ。紅愛この前行きたいって言ってたよね?チケット買ったんだ」


 胸ポケットから2枚のチケットを取り出す。それは某夢の国のチケットである。

 それを見た紅愛は満面の笑みを浮かべた。


「わぁ!覚えてくれてたのですか!?」

「そりゃあ彼女の言ったことだしね。ということで今日は夢の国でデートしよう」

「嬉しいです!」


 最寄り駅まで歩き、電車でディ……夢の国付近まで向かう。紅愛は夢の国に行くと分かってからルンルン気分で鼻歌を歌っている。


「ふんふんふんふふ〜ん♪」

「……そんなに嬉しい?」

「はい!最近は忙しくて行けてなかったですからね。それに加えて蒼太くんと一緒になんて最高です♪」

「なら良かった……頑張ってチケット手に入れた甲斐があったよ」


 チケットだけで一万ちょっとしたしな。やはり夢の国に行く時の経費は馬鹿に出来ない。そういえば最後に行ったのはいつだろう。少なくともここ数年間は一度も行っていない。調べたらスタンバイパスとか色々出てきたからマジで焦った。


「蒼太くん、まずは何から行きますか?やはり王道のスリル系からでしょうか?」

「紅愛が行きたいところに行こ。俺も一応見たんだけどどれが面白いのか分からないからさ」

「では最初はビック〇ンダーに行きましょう。その次はスプ〇ッシュです。きっと蒼太くんもハマりますよ」

「本当?」


 調べてきたと言ってもレビューなどは見てないので面白いかどうかは分からないが、紅愛が最初に行きたがるということは面白いのだろう。

 というよりたとえ面白くなかったとしても今日は紅愛の誕生日デートとして行くのだ。紅愛の意思が優先に決まっている。

 楽しそうに夢の国の話をしている紅愛を見て、俺はこっそりとポケットの中のプレゼントに触れた。






 数十分の電車の旅が終了すれば夢の国まであともう少し。紅愛のテンションも既にMAXだった。いつもの落ち着いた紅愛の姿はどこにもない。


「蒼太くん早く行きましょう!」

「慌てないで。怪我すると危ないし気をつけて行こうね」


駆け足で向かおうとする紅愛を止める。万が一怪我でもしたら危ないからな。


「は、はい///つい興奮してしまって……///」


 恥ずかしそうに頬を赤らめ、俺の右腕に抱き着いて頭を押し当てる紅愛。その仕草が可愛くてつい見蕩れてしまう。

 足を止めた俺を不思議に思ったのか、紅愛が見上げてくる。


「どうかしました?」

「なんでもないよ。行こ」


 腕を組んで夢の国へと向かう。この時、俺は紅愛に見蕩れていたせいで、紅愛が俺のどちら側に抱き着いていたのか気にしていなかった。


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投稿が遅くなり申し訳ございません。夢の国の著作権的な物を色々調べてたら遅くなりました。ほんと夢の国は怖いですからね。調べながら書いてるので遅くなるかもしれませんが、気長に待っててください。

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