第9話 まだ知られない彼女の本性〜前編〜

その後、私は有給休暇を取り、その間、和佳奈は会社を辞めた。


和佳奈が会社を辞め、私は澪に送迎される日々。


時々、お泊りだったりと私達の関係はゆっくりと進展する中、話し合って関係持ったりしていた。




そんなある日、3人で会う事になった時だった。



「久しぶり〜優羽ちゃん」

「うん…久しぶりだね」

「つーか…優羽ちゃん雰囲気変わったね。綺麗になってるんだけど…」


「えっ…?」


「もう何回、澪と愛し合ったの?この際、俺とどう?」




ベシッと叩かれる潤平君。



「痛っ!」



グイッと肩を抱き寄せられる。



「優羽は俺の一生の女なの!」と、澪が言う。


「まだ、正式に付き合ってねーんだろ?」


「それは…そうだけど…お前には絶対渡さねーからなっ!」


「選ぶ権利は優羽ちゃんだろう?ねぇ、優羽ちゃん」



私に尋ねる潤平君。



「…それは…いや…でも…澪以外は…無理かな…?」


「そうだろうなぁ〜。で?現時点では、優羽ちゃんの中でどうなの?好きなの?」


「えっ?」


「澪の事。この際、本音トークしよう♪」

「それは…」

「好き?まだ?」



「………………」



「流石に関係持ってるとしても、それだけの関係はもう越えてるでしょう?女の子って恋してると綺麗になるから体の関係だけじゃそこまで綺麗にならないと思うけど?」



「…私は…」


「ちなみに澪は優羽ちゃんにラブラブだよ」

「えっ?」

「バカっ!い、言うなよ!」



何となくそんな気はしていた。


関係持つ度に私の事を気にしてくれて日に日に優しくて、“好き“ とか “愛してる“とか平気で言ってくる澪。


こっちが恥ずかしい位だけど、正直、嫌いじゃない。


むしろ、私も好き寄りのような気がする。




「優羽、気にするな!」


「…う、うん…でも…私も…澪の事嫌いじゃないよ。むしろ…好き……かな…?」


「えっ?」


「おっ♪」


「……………」


「だって〜。良かったなぁ〜澪。恋人同士になれたじゃん!じゃあ、遠慮なく愛し合ってこれからもっと仲深めろ!チューしとけ!」


「いやいや…」



私達を抱き寄せ合わせる潤平君。



「きゃあっ!」

「うわあっ!」


「ほらほらチュー♪」


「バカっ!出来る訳…」



私は頬にキスをする。



「えっ!?」


「優羽ちゃん、大胆!でも、駄目駄目。ここは唇にしとかなきゃ」


「む、無理だよ!は、恥ずかしい…」



言い終える前にグイッと後頭部を押され私の唇がキスで塞がれた。



「おっ♪流石〜♪澪」

「改めて宜しくな。優羽」



至近距離にある顔。


頭をポンとする。



ドキン



「仲良くな。二人共」

「当たり前じゃん!」



私はドキドキが収まらない。



「優羽ちゃん、コイツ、案外人前でイチャイチャする奴だから」


「えっ?」


「決める時は男らしくビシッ決めちゃう奴でもあるから心臓持たないかも」




私達は色々話す中、和佳奈の話が出てきた。




「優羽ちゃん、最近、和佳奈ちゃんとは?」

「全く…」

「そうか…まあ…会わす顔ないんだろうな…そこでなんだけど…2人に協力して欲しいんだ」


「えっ?」

「俺達に?」


「ああ。これは彼女自身が変わってもらわなきゃいけない事なんだよ。ここで食い止めなきゃ…彼女は人生損してしまうと思う。彼女の本性を俺は知りたい。何の目的で優羽ちゃんを傷付けてきたのか。特別な感情とかじゃなくて俺は彼女の人間性を知りたいんだ」


「でも…どうやって?」


「この間、偶々、和佳奈ちゃんと会って話をしててたんだけど…日を改めて二人で会わないかって」


「だけど、それって危険過ぎるんじゃ」


「何かあった時は責任取って貰うから。勿論、俺自身も彼女に責任を取るつもり。俺達の知らない何かを彼女は秘めていると思うから」


「潤…」


「潤平君…」


「俺達が救わなきゃ彼女は変わらない。それで決行する日が今日なんだ」


「えっ?」


「今日って…」



「二人で会って、後で合流しようと思う二人と」




顔を見合わせる私達。



「分かった…」



そして、作戦会議が始まった。



取り敢えず、二人で会い、和佳奈を公園に連れ出し潤平君と澪が電話で合図をするとの事だった。


澪と私は澪の部屋で待機。


公園に着いたら、潤平君に連絡が入れて欲しいとの事だった。


だけど、潤平君は澪からの電話は取らず上手く誤魔化すそうで、そこから和佳奈の本性を暴くとの事。


騙し作戦というか陥れるらしく。






 

































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