第5話 帰国

最終テストが無事終わり、結果は合格だった。


修了式にて修了証を授与された。

シャンも合格していたが、そこには彼女の姿は無かった。


フライトのスケジュールの兼ね合いで、

僕はこのまま空港に向かわなければならなかった。


最後に一目シャンに会いたい。

そして、今まで共に過ごせた日々に感謝を伝えたかった。


空港に向かうバスの中で、

どんどん大学の門が小さくなっていくのを一人眺めていた。


いつも当たり前にようにあの門をくぐって通学していた日々が

僕にはもう来ないのだと実感するととても切なく、

日本に帰るのを今すぐ投げ出したい気持ちで一杯だった。


空港に到着し、

僕がカウンターに向かうとさっそく手続きを行った。


カウンターの女性は

もう何回もこの手続きをしているだろう素早い手つきで

システムに何やら入力をしている。


その姿に関心して見ていると、

聞き覚えのある声が聞こえてきた。


「ノボル」


後ろから声が聞こえた。


振り返ると、そこにはシャンがいた。

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